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みんなの愛が重い件

朝からどっきり

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おはようございます。サフィです。
昨晩はいつも通りゲイルにおやすみなさいして一緒に寝ました。
疲れてたからか、ぐーすかぴーすか。熟睡です。

朝目を覚ますと、右にゲイル、左にお兄様。
サンドイッチされておりました。
お兄様のキラキラご尊顔を眺めながらの起床でございます。

朝からいきなりの思わぬキラキラは心臓に悪い!




そう。
お兄様は俺が学院に入りなかなか会えなくなったらば。
こそりとベッドに潜り込んでくるようになってしもうたのです!
これまでは週末とかだったんだけど。
気がつけばいる!
(一時一緒に寝るのを恥ずかしがったのは何だったのか!
思春期だったの?)
寂しんぼうか!
そのくせ「しかたないですのう」と抱っこして寝てあげようとすると大慌てで離れてゆくのです。
反抗期か!
ゲイル曰く「あいつにもいろいろあるんだよ。まあ、察してやれ」と。
は!察し!
やきもちですな!
キースが家族になって、置いてけぼりのお兄様はやきもちやいておられるのです!
まったくう!お兄様ってば俺より大きいのに、まだまだこども。



お兄様とゲイルと一緒に食堂へ。
途中でキースと合流。

「おはよー!キース!」

元気にご挨拶すると、キースが「おはよう、サフィ」と優しく微笑み、俺の横のお兄様を見て片眉を上げた。

「おはよう、レオン。
またサフィのところに潜り込んだのか?
寂しいなら俺のところに来てもいいぞ?
サフィをゆっくり寝かせてやれ」
「おはようございます、キース。
大丈夫ですよ?
私はサフィが5つの頃から一緒に眠っていましたから。
一緒に眠るのが当たり前すぎて、1人だと落ち着かないんです。サフィも同じだと思ってね。

サフィも私と眠ると落ち着くと言ってくれますし。
ね?サフィ?」

いきなり俺?

「う、うん。ずっとお兄様の抱っこで寝てたから。
でも、今はゲイルがいるし、俺は大丈夫だよ?」

もうおっきくなったからね!

でも俺はゲイルと寝てるけどお兄様は1人。寂しくて落ち着かないんだよね?
なのでこう付け加えた。

「お兄様が寂しいなら一緒に寝てあげるから!
安心してね!」

ブフッとキースとゲイルが吹き出した。

「レ、レオンw
寂しくてサフィに一緒に寝てもらってるんだな?」
「ち、違います!」
「じゃあ1人で寝ろよ」
「サフィと過ごす時間が足りないんですよ。
これがギリギリの譲歩です」

ゲイルがゲラゲラ笑い出した。

「3人だとさすがに狭くなってきたからな。
俺が別室で…」

とんでもないことを言い出したゲイルを慌てて止める。

「ええ⁈ウソでしょ!ゲイルはダメ!」

今度はキースが笑い出した。

「あはははは!
サフィはお父様大好きだからなあ!
レオン、ゲイルに負けたなw」
「いいんですよ。分かっていますから」






その日、帰宅してみたらベッドが変わっていた。
今までのベッドも特注で大きかったのに、さらにビッグに!
大人3人余裕でゴロゴロできる。
部屋に鎮座するベッドの代わりに、タンスが姿を消していた。
別に衣装部屋を作りそちらに移動したという。

あんぐりする俺にゲイルが言った。

「レオンからのプレゼントだそうだ」


そうまでして一緒に寝たいの⁈
お兄様ってば!

見に来たキースも呆れ顔。

「レオン、必死だなあ!
お。これなら俺もいけるんじゃないか?」

と言い出したので慌てて止めた。
絶対に並び順で揉めるから!分かってる!
ゲイルは絶対。
残る片側をお兄様とキースで取り合う未来しか見えないから!

「冗談だ」

って言うけど。
ちょっとマジだったよね?もう!
みんな俺を大好きすぎて困っちゃう!
これで1人で寝るなんて言ったら(言わないけど)阿鼻叫喚だ。

「俺の息子は大人気だなあ。
だが、まだまだやらんぞ?」
「あはは!今のところはね!」




その日、お兄様は早めに現れた。

「どう?これならサフィもゆっくり眠れるだろう?」

そして俺を後ろからぎゅっとして幸せそうにため息をついた。

「ああ。起きているサフィと一緒だ…」

幸せそうなお兄様には申し訳ないが、こうしてぎゅっとされたらベッドの広さが変わっても関係ないと思う…。
いいけど。

結局は広いベッドの真ん中で3人で団子になるいつものスタイル。
これが1番落ち着くのですな。

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