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王城でのまがりにん生活

俺、朝からびっくりです!

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つんつん。

つんつん。

誰かが俺の頬をつついてる。

「んーー。やめてよおげいる…まだねる……」

大好きなゲイルの胸に頭をぐりぐり。
あとちょっと。
んー…。

「ふふ。寝ぼけてるのかな?
おはよう、サフィ?」

……?!
だ、だれ?

パチリと目を開けると、とたん飛び込んできたキラッキラのご尊顔!
レオンお兄様が柔らかな笑みを浮かべて俺を覗きこんでいた。

「はわわ!」

びっくりして、もう一回目をつぶって今度はそうっとあけてみた。

「おはよう、サフィ。目が覚めたかな?」

ゆ、夢じゃなかった!

「ま……」
「ま?」
「ま………」
「どうしたの?」
「まぶしいいいいっ!」

朝陽に透けてキラキラと輝く金の髪。
その空を映したような碧眼は甘く柔らかく細められ…日の光すらハンサムを贔屓するのかエフェクト効果を背負ってる!
こ、これは…

「れ、れおん…おにーさま……?」

よろよろと起き上がり目を擦りながら首を傾げると、光の子はにっこりと微笑んだ。

ふわあああああ!
そ、そうだった!お兄様のところにお泊りしたんだった!

「そうだよ。お寝坊さん。お腹空いてない?そろそろ食事にしない?」

ん?今何時?
見るともうお昼近い。
ええー!
とたん、ぐー、と鳴る俺のお腹。

「あはは!お腹がお返事してくれたね」
「……おなか、しょうじきでごめんなさい…」

はずかし!

てれてれしていると、コンコン。

「レオンハルト様。デレデレなさっているところ申し訳ございません。そろそろよろしいですか?」

声がした。

「?!だ、だれ?!」

ぐりん、と振り返るとそこには扉を背にしたクールびゅーてぃー。
真っ白なストレートの髪を後ろで縛り、まつ毛はバサバサ、紫色の瞳は神秘的に輝き、唇ぷるんぷるん。

「…てんし…?」

迫力ある美形は見慣れた俺だけど!
この人はジャンルが違う!!
繊細で儚げな美しさは、教会とかにある大天使にそっくり!
ひえええええ!!
大天使は

「失礼致します」

とカチンコと固まった俺の前までやってきて、胸の前に腕をあて綺麗な礼をした。

「はじめまして。サフィラスさま。王子の侍従のミカエル・ブルームと申します。サフィラス様がいらっしゃる間は、私がお二人のお世話をさせて頂きます」

宜しくお願い致します、という天使に、俺、ぽかーん。

「サフィ?お口あいてるよ?」

レオンお兄様が優しく俺の口を閉じてくれる。ご、ごめんね。

「ミカエル…やっぱりだいてんし?ま、まさか…だいてんしほんにん?」

美人さんは

「人間ですよ?」

美しく微笑んだ。
とおもったら、俺を指さし、レオンお兄様に叫ぶ。

「何このかわいいの!俺、もらっていい?」
「だめ。私のだからね。あとね、この子の保護者、あのゲイルだから」
「げえっ!」

?!だ、だれ?

ぱっかーん。
またしても俺の口は開いてしまった。

え?え?て、てんし…さん??てんしさんだよね?
中身変わった?!

「あーあ!ゲイルじゃ無理じゃん!怖すぎでしょ!」

天使は「チッ」と舌を鳴らす。

「まーたお口あいちゃった?かわいいなあ!おい!」

俺のお口をぱくんと閉じると

「おいで、ほら。お兄さんが高い高いしてあげような!」

有無を言わさず俺の両脇に手を入れ

「ほーら!高いたかーい!」

ひいいいいいい!!

「れれれれれおん!れおん!れおん!れおん!!
てんしがこわれた!てんし!」

天使かと思ったら、なにこのひとー!
俺はがっしりと元天使の頭にしがみつき、助けをよんだ。
お兄様、たすけてええええ!!
 

このひと、人の話きかない!!










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