20 / 48
第2章 深まる絆、離れる心
完了・絆の祝勝会!
しおりを挟む
そう言って話しながらも器用に作り進めていたケーキを全員の前にキリルは差し出した。
いつの間に作ったのか、出来がよすぎるなど色々な疑問は湧いたが、単純に一同は驚いた。
「今日の祝勝会は、パニーナいつもありがとうの意味もあるんだから」
「もちろんロイケン爺もね」
「取ってつけたように言いおって……じゃが、今回の主役はお前たち若い衆じゃよ」
話しながらも調理を続けるキリル、配膳を始めるクレイス。
パニーナは一度溢れたら、止まらなくなりそうな涙を堪えるのに必死になってしまった。
「パーティとは、足りないものを補い合う仲間でもある。クレイスたちも忘れるなよ」
「はいはい。お爺ちゃんの話は長くなっちゃうからご飯にしましょー」
「つか、ほとんどお前が作ったよな……食えるのか?」
「村では一番な料理上手だったんだから、神片が使えなくても食堂開いて生きていけるほどよ?」
「そうしたら……」
瞳を潤ませたパニーナが全員に、粉まみれになった満面の笑みを投げかけた。
「全部終わったら、みんなで食堂を開くのもいいかもしれませんねっ!」
「お~! 悪くないじゃない。クレイスより活躍出来そうね!」
「僕だって切るのには自信あるよっ!」
食事の前から笑い声が絶えない勇者一行の賑やかな食卓が始まった。
この時四人は勇者一行になってよかった、と心底思えたようだった。
『完了・絆の祝勝会!』
楽しい宴の翌日。
気分新たに出発した勇者一行だが、アスガルドの雄大さをまざまざと思い知らされる。
前の大陸とは比べ物にならない広さに、歩いても歩いても次の国に辿り着く気配がない。
整備された道を歩きながら、とぼとぼと四人は歩いていく。
「街と街の感覚が広すぎました……今までの尺度で測っていた私の不覚です」
「パニーナのせいじゃないよ」
「今日もこの辺りで野宿かのう」
「いやいや、もう三日くらい野宿してるのよ! 宿屋の一つくらいあっても……」
無い物ねだりの頂点に達するキリルは神片を使って家でも作ってやろうかと自分のバックパックを何度も漁り、出来ないことを認識して憤慨するということを何度も繰り返していた。
ぐずるキリルを宥め、新大陸四度目となる野営装備を展開したクレイスたち。
今日もテュイアに良い報告は出来ないと感じているクレイスもまた深くため息をついた。
魔王がどうしているかを聞けない契約になっているので、敵の侵攻具合は分からない。
だがそれは相手も同じことのはず、と考えてはいるが漠然とした不安感に襲われていた。
「気味が悪いのう」
脳内を見透かされたような気分になったクレイスは瞬時にロイケンに向き直る。
「なになに? おじいちゃんでも幽霊とか怖いの?」
「そういった意味ではないと思いますが……」
「まあ、ロイケン爺が棺桶に片足突っ込んでるようなものだもんね」
「お主……たまに勇者とは思えないことを抜かすよな……」
話はロイケンの感じていた違和感へとすぐに戻る。
ここ数日間、野盗にも襲われなければ、獰猛な動物も現れない。
安全すぎる旅路の割に、人里があまりにも少ない。
流通が栄えている印象があった港町に対し、陸への経路はあまりにも寂しいものだった。
「この辺りは魔王の侵攻が何度かあったと聞きます。とはいえ威力調査が主だったと聞いておりますが」
「きっと各地にゾオンを配置してるのよ。いつでも遠くに侵略できるように」
「でも港街は普通だったろ? 魔王の侵攻があったらもう少し慌ただしくても……」
そのクレイスの想像は至極全うで、静かに人の安寧を妨げず、日常が続く安寧など常識的に考えて存在しない。
そこでは考えても無駄、ということで解散になった。
しかし、ロイケンは何も言わずに寝ずの番を続ける。
「お爺さんは早く寝るんじゃないの?」
一度は少し離れたテントに向かったクレイスだが、すぐにロイケンの元に戻ってくる。
「危険はないとはいえ、誰かがやらねばならんだろう」
「だったら僕がやるよ。一番体力があるのは僕さ」
「抜かせ……」
野宿が続くと交代で見張り番を行うことになる。
たまに夢に行けないことがあると、テュイアには前もって説明していた。
「……お前たちとの旅は、よいものだな」
「急にどうしたの?」
「……儂が神を甦らせたいという話は覚えているか?」
シゴキがキツすぎてあまり定かではないということは伏せたまま、クレイスは小さくうなづく。
星を眺める二人は誰が見ても祖父と孫と思うような絆が感じられる。
「儂は神に愛されていた」
「あー、年寄り特有の過去を美談にするやつじゃないですよね?」
「故に、我が神を奪った者を許せないでいる」
冗談ではない雰囲気。かつて起きた神々の争いがロイケンから最愛の神を奪ったとクレイスは推察した。
愛する者を取り返す旅という点で、クレイスとロイケンは似ていた。
だからこそロイケンは力を貸してくれたのかもしれない。
「だが、我が神を甦らせるのはもう無理かもしれないな」
「師匠が弟子より先に諦めるのはどうかと思いますよ?」
「これは諦観ではない」
ハッとしたようにロイケンを見やるクレイス。
その目は確かにしっかりとした意志が宿っていた。その頼もしさは強さでは寄る方なき勇者にとって安心感をもたらす。
「新たなる希望に託す、というのも悪くないと思ってな……」
希望を託す、という言葉にクレイスは俯いた。
「勇者のこと、みんな誤解してると思います」
世界が期待しているのは勇者であり、恐れているのは魔王である。
その人間そのものは役割を与えられただけで、勇者でも魔王でもなかった。
戦う理由も、一人の少女を奪い合うという私情同然のものゆえに、後ろめたさだけがクレイスにまとわりついた。
「僕はただの人間……誰かの願いを背負えるほど、余裕があるわけじゃない」
ここまでは弱音だが、次に紡いだ言葉は願望だった。
「だから、ロイケン爺が生き続けて叶えてよ」
「……お主はこの老いぼれに、未来があると?」
「あんなに強いロイケン爺なら何でもできるさ。いつも僕より勇者らしいって感じるよ」
「いい加減、隠居したいもんじゃがのう……」
「ダメダメ、まだまだ教えて欲しいこといっぱいあるんだから」
いつの間に作ったのか、出来がよすぎるなど色々な疑問は湧いたが、単純に一同は驚いた。
「今日の祝勝会は、パニーナいつもありがとうの意味もあるんだから」
「もちろんロイケン爺もね」
「取ってつけたように言いおって……じゃが、今回の主役はお前たち若い衆じゃよ」
話しながらも調理を続けるキリル、配膳を始めるクレイス。
パニーナは一度溢れたら、止まらなくなりそうな涙を堪えるのに必死になってしまった。
「パーティとは、足りないものを補い合う仲間でもある。クレイスたちも忘れるなよ」
「はいはい。お爺ちゃんの話は長くなっちゃうからご飯にしましょー」
「つか、ほとんどお前が作ったよな……食えるのか?」
「村では一番な料理上手だったんだから、神片が使えなくても食堂開いて生きていけるほどよ?」
「そうしたら……」
瞳を潤ませたパニーナが全員に、粉まみれになった満面の笑みを投げかけた。
「全部終わったら、みんなで食堂を開くのもいいかもしれませんねっ!」
「お~! 悪くないじゃない。クレイスより活躍出来そうね!」
「僕だって切るのには自信あるよっ!」
食事の前から笑い声が絶えない勇者一行の賑やかな食卓が始まった。
この時四人は勇者一行になってよかった、と心底思えたようだった。
『完了・絆の祝勝会!』
楽しい宴の翌日。
気分新たに出発した勇者一行だが、アスガルドの雄大さをまざまざと思い知らされる。
前の大陸とは比べ物にならない広さに、歩いても歩いても次の国に辿り着く気配がない。
整備された道を歩きながら、とぼとぼと四人は歩いていく。
「街と街の感覚が広すぎました……今までの尺度で測っていた私の不覚です」
「パニーナのせいじゃないよ」
「今日もこの辺りで野宿かのう」
「いやいや、もう三日くらい野宿してるのよ! 宿屋の一つくらいあっても……」
無い物ねだりの頂点に達するキリルは神片を使って家でも作ってやろうかと自分のバックパックを何度も漁り、出来ないことを認識して憤慨するということを何度も繰り返していた。
ぐずるキリルを宥め、新大陸四度目となる野営装備を展開したクレイスたち。
今日もテュイアに良い報告は出来ないと感じているクレイスもまた深くため息をついた。
魔王がどうしているかを聞けない契約になっているので、敵の侵攻具合は分からない。
だがそれは相手も同じことのはず、と考えてはいるが漠然とした不安感に襲われていた。
「気味が悪いのう」
脳内を見透かされたような気分になったクレイスは瞬時にロイケンに向き直る。
「なになに? おじいちゃんでも幽霊とか怖いの?」
「そういった意味ではないと思いますが……」
「まあ、ロイケン爺が棺桶に片足突っ込んでるようなものだもんね」
「お主……たまに勇者とは思えないことを抜かすよな……」
話はロイケンの感じていた違和感へとすぐに戻る。
ここ数日間、野盗にも襲われなければ、獰猛な動物も現れない。
安全すぎる旅路の割に、人里があまりにも少ない。
流通が栄えている印象があった港町に対し、陸への経路はあまりにも寂しいものだった。
「この辺りは魔王の侵攻が何度かあったと聞きます。とはいえ威力調査が主だったと聞いておりますが」
「きっと各地にゾオンを配置してるのよ。いつでも遠くに侵略できるように」
「でも港街は普通だったろ? 魔王の侵攻があったらもう少し慌ただしくても……」
そのクレイスの想像は至極全うで、静かに人の安寧を妨げず、日常が続く安寧など常識的に考えて存在しない。
そこでは考えても無駄、ということで解散になった。
しかし、ロイケンは何も言わずに寝ずの番を続ける。
「お爺さんは早く寝るんじゃないの?」
一度は少し離れたテントに向かったクレイスだが、すぐにロイケンの元に戻ってくる。
「危険はないとはいえ、誰かがやらねばならんだろう」
「だったら僕がやるよ。一番体力があるのは僕さ」
「抜かせ……」
野宿が続くと交代で見張り番を行うことになる。
たまに夢に行けないことがあると、テュイアには前もって説明していた。
「……お前たちとの旅は、よいものだな」
「急にどうしたの?」
「……儂が神を甦らせたいという話は覚えているか?」
シゴキがキツすぎてあまり定かではないということは伏せたまま、クレイスは小さくうなづく。
星を眺める二人は誰が見ても祖父と孫と思うような絆が感じられる。
「儂は神に愛されていた」
「あー、年寄り特有の過去を美談にするやつじゃないですよね?」
「故に、我が神を奪った者を許せないでいる」
冗談ではない雰囲気。かつて起きた神々の争いがロイケンから最愛の神を奪ったとクレイスは推察した。
愛する者を取り返す旅という点で、クレイスとロイケンは似ていた。
だからこそロイケンは力を貸してくれたのかもしれない。
「だが、我が神を甦らせるのはもう無理かもしれないな」
「師匠が弟子より先に諦めるのはどうかと思いますよ?」
「これは諦観ではない」
ハッとしたようにロイケンを見やるクレイス。
その目は確かにしっかりとした意志が宿っていた。その頼もしさは強さでは寄る方なき勇者にとって安心感をもたらす。
「新たなる希望に託す、というのも悪くないと思ってな……」
希望を託す、という言葉にクレイスは俯いた。
「勇者のこと、みんな誤解してると思います」
世界が期待しているのは勇者であり、恐れているのは魔王である。
その人間そのものは役割を与えられただけで、勇者でも魔王でもなかった。
戦う理由も、一人の少女を奪い合うという私情同然のものゆえに、後ろめたさだけがクレイスにまとわりついた。
「僕はただの人間……誰かの願いを背負えるほど、余裕があるわけじゃない」
ここまでは弱音だが、次に紡いだ言葉は願望だった。
「だから、ロイケン爺が生き続けて叶えてよ」
「……お主はこの老いぼれに、未来があると?」
「あんなに強いロイケン爺なら何でもできるさ。いつも僕より勇者らしいって感じるよ」
「いい加減、隠居したいもんじゃがのう……」
「ダメダメ、まだまだ教えて欲しいこといっぱいあるんだから」
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
無属性魔術師、最強パーティの一員でしたが去りました。
ぽてさら
ファンタジー
ヴェルダレア帝国に所属する最強冒険者パーティ『永遠の色調《カラーズ・ネスト》』は強者が揃った世界的にも有名なパーティで、その名を知らぬ者はいないとも言われるほど。ある事情により心に傷を負ってしまった無属性魔術師エーヤ・クリアノートがそのパーティを去っておよそ三年。エーヤは【エリディアル王国】を拠点として暮らしていた。
それからダンジョン探索を避けていたが、ある日相棒である契約精霊リルからダンジョン探索を提案される。渋々ダンジョンを探索しているとたった一人で魔物を相手にしている美少女と出会う。『盾の守護者』だと名乗る少女にはある目的があって―――。
個の色を持たない「無」属性魔術師。されど「万能の力」と定義し無限の可能性を創造するその魔術は彼だけにしか扱えない。実力者でありながら凡人だと自称する青年は唯一無二の無属性の力と仲間の想いを胸に再び戦場へと身を投げ出す。
青年が扱うのは無属性魔術と『罪』の力。それらを用いて目指すのは『七大迷宮』の真の踏破。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる