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第三話+人物紹介
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あれから八日後―――――
エリザベータを乗せた馬車は、『ゴアの小森林』を突っ切っていました。
ゴアの小森林とはアルバート領と王都を結ぶ直線状にある森で、危険度はD。
低ランクの魔物が徘徊しますが、Cランク以上の冒険者ならば問題なく探索できる程度の森です。
とは言え、通常馬車で要人を運ぶような場所では無く、このルートを選んだのは極めて異例と言えました。
そして現在・・・
エリザベータ一行は森の中、盗賊団に囲まれております。
数は47名ほど。伏兵を考えれば50人以上は居るのではないでしょうか?
対してこちらは(私を含め)十数人・・・
すでに両者とも抜刀を終え、後は切り合いを始めるだけとなっております。
どうしてこのようなことになったのか?
そもそも何故、ゴアの小森林などを通っているのか?
少しばかり説明しましょう。
本当に簡単に、時系列で並べただけのものですが・・・どうぞ!
~~~~~~~~
①三日前、我が父アルバート伯がぽっくり逝きました。
②王都に返ります。
③爵位を貰います。(実母は10年前故人となり、兄弟姉妹もいないため私にお鉢が回ってきたという訳です。実は義理の母は生きているのですが、これは出生が理由で無理だとか・・・。)
④王都を出ます。
⑤帰り道にエリック王子の手の物が居ると分かったので、ルートを変更し、ゴアの森へ入りました。
⑥盗賊に囲まれます。
~~~~~~~~
そして、現在に至る。
まあ、話してしまえば数行で終わることなのですが、実際には8日もかかったのです。
森に入ったのは数時間前です。
盗賊団と会ったのが5分程前。
切り合いが開始したのが二分前。
現在の時刻は正午頃・・・。
日没までに森を出ることを考えると、そこまで余裕がある訳でも無いのですが・・・
私は窓の外を向いていた目線を前へと戻し、そーっとカーテンを元に戻しました。
頭を覆います。
―――――最悪です・・・。
ホントどうしてこうなったのでしょうか?
戦い自体は一分もかからずに終わったのですよ。
ランスロットとアルフォンスが無双して終わりました。
これだけで終われば、私も二人を褒めちぎっていたでしょう。しかし・・・
――――完・全・に、ランスロットが悦に入ってるんですわよ(捕まった盗賊相手に)・・・!しょうも無いことしだしてるのですよ!
――――頼みのアルフォンスも止めるそぶりを見せませんし・・・!むしろイケイケです。
止める立場にある私は、(早くこの森を出たいのだけど、)怖くて言い出せない!!
今の状況を簡潔に言うとこんな感じですわ。(遠い目)
「ねえ、レインハルト。こう言うことって(←ランスロットのやってること)、この世界では普通なのかしら・・・。私ってほら、世間に疎いですし・・・どうなのかな~と・・・。」
レインハルトはアルフォンス・ランスロットと並ぶ3騎士の一人。
容姿は白髪、赤目で、クールな王子様風の長い前髪をしています。
今回は、もしもの時私を守るために、馬車内に残ったのです。
「そうですね・・・。まあ、普通なのではないですか?貴族の馬車に手を出せば殺されても文句は言えませんからね。どのみち捕まれば処刑か犯罪奴隷にされるかですし・・・。問題は無いでしょう。」
「そう・・・なのですか。け、けどですね、話を少し聞きたいので殺さないようにしてください。」
「何人ほど残しますか?」
真顔で聞き返されました。
やはり殺す殺されるはこの世界では普通なんですね・・・。はい、分かっております。
でも、事情も聞かずに殺すというのは・・・飢えて仕方なしに、と言うこともあるでしょうし・・・
「ごめん、言い方が悪かったわ。・・・・一応事情を聴いて、温情を掛ける余地があると思うなら、助けてあげて欲しいと言ったのよ。もちろんどうしようもなければ”悪・即・斬”で、好きにして構わないけどね?・・・あ~でも、時間も無いから殺すなら殺すでさっさと殺しちゃってね。」
「・・・一応聞いておきますが、生かすことのデメリットを知っての御言葉ですか?」
「う・・・っ!・・・そ、そうね・・・・。食料もろもろの経費の問題が一つ・・・。警備上の問題が一つ・・・。それと、彼らが盗賊であることかしら?」
成る程っとレインハルトは頷き、
「出過ぎた言葉をお許しください。―――――」
と、恭しく一礼。
そして、さらにレインハルトは、流れるような所作で跪くと、私の手のひらに誓いのキスを・・・って、ええええええええ!
「全ては我が姫のお心のままに。」
何事もなかったように体をひる返し、馬車の外へと出ていくレインハルト。
それは本当に、ムカつくほど堂々としたもので・・・。
その後姿を見ながら私は思ってしまいました。
――――――――ちょっと・・・いや、かなり。カッコいいんじゃないでしょうか、と・・・。
それから数刻後、何故かランスロットに心酔していた件の盗賊を加え、
エリザベータ一行は帰路に着きます。ちなみに盗賊たちは飢えて仕方なく野盗をしていたらしいです。
この後、正式に彼らを雇い(ランスロットの手下として)、さらに数日後、一行は漸くアルバートに帰還を果たしたのでした。
☆人物紹介☆
エリザベータ・D・アルバート
ランク アルバート辺境伯爵
容姿:金髪、金目。
ミランダ
ランク アルバート家のメイド長・エリザベータの側仕え
容姿:茶髪、茶目。四十を超えた、気の強い外見。
ランスロット
ランク ナイト・エリザベータの直属の騎士。伯爵の地位を拝借した折、これを”三騎士”と改名。
容姿:赤髪、軽装を好む。
備考:元盗賊の首領で残忍な性格をしている。
アルフォンス
ランク ナイト・エリザベータの直属の騎士。以下同文。
容姿:黒髪、黒目。
レインハルト
ランク ナイト・エリザベータの直属の騎士。以下同文。
容姿:白髪、赤目。前髪が長い。
エリック・ボア・アルカナ
ランク ボア王国第二王子
リーシャ・ロメリア
ランク ボア王国ロメリア男爵令嬢
エリザベータを乗せた馬車は、『ゴアの小森林』を突っ切っていました。
ゴアの小森林とはアルバート領と王都を結ぶ直線状にある森で、危険度はD。
低ランクの魔物が徘徊しますが、Cランク以上の冒険者ならば問題なく探索できる程度の森です。
とは言え、通常馬車で要人を運ぶような場所では無く、このルートを選んだのは極めて異例と言えました。
そして現在・・・
エリザベータ一行は森の中、盗賊団に囲まれております。
数は47名ほど。伏兵を考えれば50人以上は居るのではないでしょうか?
対してこちらは(私を含め)十数人・・・
すでに両者とも抜刀を終え、後は切り合いを始めるだけとなっております。
どうしてこのようなことになったのか?
そもそも何故、ゴアの小森林などを通っているのか?
少しばかり説明しましょう。
本当に簡単に、時系列で並べただけのものですが・・・どうぞ!
~~~~~~~~
①三日前、我が父アルバート伯がぽっくり逝きました。
②王都に返ります。
③爵位を貰います。(実母は10年前故人となり、兄弟姉妹もいないため私にお鉢が回ってきたという訳です。実は義理の母は生きているのですが、これは出生が理由で無理だとか・・・。)
④王都を出ます。
⑤帰り道にエリック王子の手の物が居ると分かったので、ルートを変更し、ゴアの森へ入りました。
⑥盗賊に囲まれます。
~~~~~~~~
そして、現在に至る。
まあ、話してしまえば数行で終わることなのですが、実際には8日もかかったのです。
森に入ったのは数時間前です。
盗賊団と会ったのが5分程前。
切り合いが開始したのが二分前。
現在の時刻は正午頃・・・。
日没までに森を出ることを考えると、そこまで余裕がある訳でも無いのですが・・・
私は窓の外を向いていた目線を前へと戻し、そーっとカーテンを元に戻しました。
頭を覆います。
―――――最悪です・・・。
ホントどうしてこうなったのでしょうか?
戦い自体は一分もかからずに終わったのですよ。
ランスロットとアルフォンスが無双して終わりました。
これだけで終われば、私も二人を褒めちぎっていたでしょう。しかし・・・
――――完・全・に、ランスロットが悦に入ってるんですわよ(捕まった盗賊相手に)・・・!しょうも無いことしだしてるのですよ!
――――頼みのアルフォンスも止めるそぶりを見せませんし・・・!むしろイケイケです。
止める立場にある私は、(早くこの森を出たいのだけど、)怖くて言い出せない!!
今の状況を簡潔に言うとこんな感じですわ。(遠い目)
「ねえ、レインハルト。こう言うことって(←ランスロットのやってること)、この世界では普通なのかしら・・・。私ってほら、世間に疎いですし・・・どうなのかな~と・・・。」
レインハルトはアルフォンス・ランスロットと並ぶ3騎士の一人。
容姿は白髪、赤目で、クールな王子様風の長い前髪をしています。
今回は、もしもの時私を守るために、馬車内に残ったのです。
「そうですね・・・。まあ、普通なのではないですか?貴族の馬車に手を出せば殺されても文句は言えませんからね。どのみち捕まれば処刑か犯罪奴隷にされるかですし・・・。問題は無いでしょう。」
「そう・・・なのですか。け、けどですね、話を少し聞きたいので殺さないようにしてください。」
「何人ほど残しますか?」
真顔で聞き返されました。
やはり殺す殺されるはこの世界では普通なんですね・・・。はい、分かっております。
でも、事情も聞かずに殺すというのは・・・飢えて仕方なしに、と言うこともあるでしょうし・・・
「ごめん、言い方が悪かったわ。・・・・一応事情を聴いて、温情を掛ける余地があると思うなら、助けてあげて欲しいと言ったのよ。もちろんどうしようもなければ”悪・即・斬”で、好きにして構わないけどね?・・・あ~でも、時間も無いから殺すなら殺すでさっさと殺しちゃってね。」
「・・・一応聞いておきますが、生かすことのデメリットを知っての御言葉ですか?」
「う・・・っ!・・・そ、そうね・・・・。食料もろもろの経費の問題が一つ・・・。警備上の問題が一つ・・・。それと、彼らが盗賊であることかしら?」
成る程っとレインハルトは頷き、
「出過ぎた言葉をお許しください。―――――」
と、恭しく一礼。
そして、さらにレインハルトは、流れるような所作で跪くと、私の手のひらに誓いのキスを・・・って、ええええええええ!
「全ては我が姫のお心のままに。」
何事もなかったように体をひる返し、馬車の外へと出ていくレインハルト。
それは本当に、ムカつくほど堂々としたもので・・・。
その後姿を見ながら私は思ってしまいました。
――――――――ちょっと・・・いや、かなり。カッコいいんじゃないでしょうか、と・・・。
それから数刻後、何故かランスロットに心酔していた件の盗賊を加え、
エリザベータ一行は帰路に着きます。ちなみに盗賊たちは飢えて仕方なく野盗をしていたらしいです。
この後、正式に彼らを雇い(ランスロットの手下として)、さらに数日後、一行は漸くアルバートに帰還を果たしたのでした。
☆人物紹介☆
エリザベータ・D・アルバート
ランク アルバート辺境伯爵
容姿:金髪、金目。
ミランダ
ランク アルバート家のメイド長・エリザベータの側仕え
容姿:茶髪、茶目。四十を超えた、気の強い外見。
ランスロット
ランク ナイト・エリザベータの直属の騎士。伯爵の地位を拝借した折、これを”三騎士”と改名。
容姿:赤髪、軽装を好む。
備考:元盗賊の首領で残忍な性格をしている。
アルフォンス
ランク ナイト・エリザベータの直属の騎士。以下同文。
容姿:黒髪、黒目。
レインハルト
ランク ナイト・エリザベータの直属の騎士。以下同文。
容姿:白髪、赤目。前髪が長い。
エリック・ボア・アルカナ
ランク ボア王国第二王子
リーシャ・ロメリア
ランク ボア王国ロメリア男爵令嬢
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