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4章 のんびり探索

9話 孤児院でのお風呂と女の子

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皆でおにぎりと豚汁をたらふく食べたあと私はマオに声をかける。


「お風呂はいろー」

「ん?そうじゃの。今日は少し湯船に浸かるとするか」

「なら私も入るとしよう」
ずいっとスノウも参加する。

「じゃあ、3人でお風呂だ」

3人で仮設のお風呂へと向かう。

スノウが真ん中にいると親子みたいな身長差である。

脱衣所でばばっと服を脱いだ後洗い場へと行く。

するとスノウがそのまま浴槽へ入るところを発見。

「ちょいまてーい!」
慌ててスノウを止める。

「ん?なんだ」
無表情でこちらを見るスノウ。

「髪と体を洗いなさい」

「そういうことか。昨日洗ったんだ、だから大丈夫だ」
全然大丈夫ではない。毎日洗え。

「毎日洗ってくださーい」
スノウを洗い場へと連行する。

スノウをイスへと座らせると背後へと陣取る。

「ほら、こんなに砂ついてるじゃん!!」
マオと戦ったときの砂だろう。髪の毛もパサパサである。

「女の子なんだから髪の毛は綺麗にしなさい!」
プリプリとスノウを怒る私。

「そうか…。ふふ、小さい頃を思い出したよ」
そういいながらスノウは少し笑ったような声を出した。

「では、よろしく頼む」
そう呟いたスノウは両手で耳を塞いだあとギュッと目をつぶった。

「ふふ、大きい子供だね」
私は微笑ましくスノウを見た。

「父様に洗ってもらう時はいつもこうしていたんだ」
スノウは答える。

「そっか、いい思い出だね」

そう私が答えるとスノウはうむと返事をした。


…………


「疲れた。戦闘より疲れたかもしれない」

そうぐったりしているのはスノウだ、

シャンプートリートメントコンディショナーをした後洗顔までしたら疲れたようだ。
風呂上がったら化粧水と乳液とパックもあるからな覚悟しろよ。


浴槽につかった私は声にならない声を出す。

「おっさんみたいじゃぞ。やめとけ」
マオに注意される。

「お風呂はおっさんみたいな声を出すものなの!」

「んなわけあるかい」

マオと談笑しながらお風呂を楽しんだ。




風呂上がりにスノウの髪の毛を乾かし、化粧水と乳液とパックのコンボをスノウに叩き込んだ。


「これを毎日やっているのか?お前たちは…」
更にぐったりするスノウ。

「まぁ、ここまでしっかりはやらないかなぁ…スノウはやらなすぎたから今日はしっかりやりました」

「そうか…」

ジーとこちらを見るスノウ。今度から一緒に入ってくれなさそうである。

3人で孤児院へと戻っているところにサーシャ達がきた。

サーシャはじろっとスノウを見つめている。

「どうしt……」


「おい、エル。スノウの髪の毛やら肌がすごいのだが?」

「荒れてたからフルコースしたんだ」
えっへんと私は胸を張る。

すると私の視界が真っ暗になりコメカミが痛む。
多分、アイアンクローをもらっている。

「痛い痛い痛い」

「なんで、お前は女と風呂に入っているんだ」
怒ったサーシャの声が聞こえる。

そうだった、私は男だったんだ。

「えへ」

「えへじゃない。それに髪も肌も見違えてるじゃないか?なにを使ったんだろうなぁ…?」

「あれ?サーシャに上げてないっけ?化粧品」

「もらっていないが?私は王都の品を節約してやりくりして頑張っていたのだがなぁ…一日…いや一晩でなにもしていない暴食に負けるとは思わなかったなぁ…?なぁエル」

とんでもない圧をサーシャからもらう。

やめてよ!そんな圧ださないでよ!あげるから!


すっと視界が戻ったあと化粧品セットをマジックボックスから出す。

「こちらが当社おすすめの品です」

私は騎士に化粧品セットを献上した。

「うむ、いいだろう」

サーシャはホクホク顔で帰っていく。

ふぅ…なんとかなった。

すると背後からツンツンされる。


「ん?」


「私のは?」

ユッテがこちらを見ている。

「ユッテも欲しいの?」

「うん」

「はい、どうぞ」

化粧品セットを受け取ったユッテは私の胸に顔をグリグリしたあと帰っていった。

こうなるとゾフィも欲しいのだろうか、チラッとゾフィを見る。

サッと視線を外すがチラチラこっちを見ているゾフィ。

「いる?」
私はゾフィに声をかける。

「あんまりいらねーけどどうしてもっていうならー」
そう言いながらゾフィは手を出してくる。

「じゃあ、いいや」
サッとマジックボックスに化粧品セットしまう。

「うそ!ごめん!いる!ほしい!ごめーん!」

そう答えたゾフィに化粧品セットを渡して寝床へと向かっていく。

みんな女の子なんだなぁ…。

そう思いながら4人で帰っていった。

ちなみにマオはと言うと、いつも儂は美しいのでいらないとのことである。


へー…こっそりシャンプーとか化粧水使ってるの見てるからな。
今度から隠してやるからな。覚えとけよ。
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