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幸福の場所
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今日は節分です。
大きな海苔巻を恵方…吉方位の方を向きながら、無言で食べるのです。
ですから、僕は旦那様が座る方を向きまして食べようとしました。
「…おい、恵方はこっちじゃない。あっちだ、あっち」
旦那様が眉を顰めて、そんな僕を注意して来ますが。
「僕がこうして恵方巻きを食べられるのは、旦那様のお蔭です。良い事のある方角が恵方なら、僕に取って恵方は旦那様が居られる処です」
そうなのです。
僕にとって良い事とは、幸せとは、旦那様がお傍に居る事なのです。
旦那様のお傍に居られると云う事なのです。
ただそれだけで、胸の奥がぽかぽかとして来るのです。
それを旦那様は解って戴けているのでしょうか?
「…そ、そうか…」
僕がそう言いましたら、旦那様は身体の向きを変えて、僕の方を見ながら恵方巻きを食べ始めました。
「旦那様? 恵方はこちらではありませんよ?」
しかし、旦那様は無言です。
食べ終わるまでは無言の仕来りです。
ですので、僕は急いで恵方巻きを食べ始めました。
ですが、僕が食べ終わるよりも早く、旦那様は食べ終えてしまいました。
そして。
「風呂」
そう一言残して茶の間を出て行かれてしまいました。
うぅん、酷いです。
大きな海苔巻を恵方…吉方位の方を向きながら、無言で食べるのです。
ですから、僕は旦那様が座る方を向きまして食べようとしました。
「…おい、恵方はこっちじゃない。あっちだ、あっち」
旦那様が眉を顰めて、そんな僕を注意して来ますが。
「僕がこうして恵方巻きを食べられるのは、旦那様のお蔭です。良い事のある方角が恵方なら、僕に取って恵方は旦那様が居られる処です」
そうなのです。
僕にとって良い事とは、幸せとは、旦那様がお傍に居る事なのです。
旦那様のお傍に居られると云う事なのです。
ただそれだけで、胸の奥がぽかぽかとして来るのです。
それを旦那様は解って戴けているのでしょうか?
「…そ、そうか…」
僕がそう言いましたら、旦那様は身体の向きを変えて、僕の方を見ながら恵方巻きを食べ始めました。
「旦那様? 恵方はこちらではありませんよ?」
しかし、旦那様は無言です。
食べ終わるまでは無言の仕来りです。
ですので、僕は急いで恵方巻きを食べ始めました。
ですが、僕が食べ終わるよりも早く、旦那様は食べ終えてしまいました。
そして。
「風呂」
そう一言残して茶の間を出て行かれてしまいました。
うぅん、酷いです。
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