16 / 141
攻略されていたのは、俺?
【16】※
しおりを挟む
「…っ…」
くそ、何だ、これは?
『疲れもあるでしょうけど、軽い熱中症も疑った方が良いわね。身体を少し冷やしましょう。上、脱いでベッドに横になって頂戴』
そう、ウーゴ教諭に言われて、俺は着ていたブレザーとシャツを脱いで、ベッドへと上がり横になった。脇の下に保冷剤でも入れるんだろうか。確かに、汗掻いていたから、それはひんやりして気持ち良いかも。なんて思った俺が馬鹿だった。
「…ふふ…綺麗な肌ね…」
「…っ…」
俺が横になった途端、ウーゴ教諭もベッドに上がって来て、突然の事に驚き、即座に反応出来なかった俺の腰を跨いで、柔らかい尻を俺の股間の上へと置いたのだ。
咄嗟に声を上げようとした俺の唇に、ウーゴ教諭は人差し指をあてて、目を細め、唇を笑みの形にして、こう言った。
『女に襲われたなんて広まったら、お家に傷がつくんじゃないかしら?』
と。
『ここで、私がブラウスを開けて叫べば、襲われたのは私の方になるのかしら?』
とも言ってくれた。
何だ、この女は!?
こんな女が、隠しヒロインだなんて有り得ない。
こんなのがメゴロウの相手だなんて、絶対に俺は認めない。
女神様が、メゴロウが、これを良いと言っても、俺は絶対に認めない。
メゴロウに嫌われても良い、絞首台送りになっても良い。
そんなシナリオ、俺がぶっ壊してやる。
気分は、もう『かかって来いや、おらぁ!』だ。
「…ねえ? 私のも触ってくれるかしら?」
そう言いながら、ウーゴ(誰が、こんなのに"教諭"なんて敬称付けてやるか)は俺の胸を撫で回していた手を離して、ブラウスへと持って行く。白く細く長い指が一つ一つボタンを外して行く様子は、それが惚れた相手だったり、憧れていた相手だったなりしたなら、酷く妖艶に映るのだろう。だが、俺には、それは、ただただ醜悪な物にしか見えなかった。白衣を脱いで、ゆっくりとブラウスの袖から腕を抜いて、両腕を後ろに回して、ブラジャーのホックを外したのだろう、肌にぴったりと付いていたそれが浮き上がるのと同時に、肩紐が滑り落ち、その中にあったボリュームのある胸が、ボロンと踊り出た。
「…これまでにも、こうして生徒達を?」
随分と汚い乳首だな。AV女優の方が余程綺麗だぞ、おい。
まあ、そのどれよりも綺麗なのは、メゴロウの乳首だけどな。って、違う、落ち着け、俺。鎮まれ、俺の俺。こんなのにメゴロウを重ねるな。
「…ふふ…どうかしら…?」
どうかしら? じゃないだろう。どう考えても初犯じゃないだろうが。ベッド周りのカーテンは閉められているし。誰かが来ても、声さえ出さなければ、そうそうバレないだろうし。
これがゲームなら『よっしゃ来たコレ。筆おろしあざます!』とか言いながら、マウスから手を離してスタンバる処だが、これは現実だ。今の俺の現実だ。こんなのに童貞をくれてやるのは癪に障るが、仕方が無い。今は、この屈辱を受け入れるしかないだろう。
…だって、ちんこが反応してるんだっ!!
今、こうして俺の上に居るのがメゴロウだったらって思ったら、元気になってしまったんだっ!!
女神様の馬鹿、ボケッ!! あんな夢を見せるからっ!! これは不可抗力っ!! 女神様の強制力っ!! いや、それ以前にあんなに俺に接近したメゴロウが…っ…!!
「…ねえ? ほら…触って…?」
おい、止めろ。その汚い胸を俺の胸に押し当てるな。何で乳首硬くしてるんだ? この淫乱が。ちんこはくれてやるが、俺からは絶対に動かないからな、畜生っ!!
「…ふふ…。あの子が来てから、表情が柔らかくなったと思っていたけれど…」
おい。何、片手で自分の胸弄ってるんだよ? 止めろ、気持ち悪い。そんなオナニーなんか見たくないわ。メゴロウなら別だが。って、おい、反応するな、俺の俺。
俺が手を出さないからか、ウーゴは押し付けていた胸を浮かせて、左手で自分の胸を弄り出し、右手は俺のズボンのファスナーへと手を掛けて、ジー…と音を立てながら、それを下ろして行く。
うっ、うっ、ゲーム画面で見たかった。傍観者でいたかった。
「睨んでいる割に…ここは硬いのね…」
止めて、言わないで。これ、全部女神様のせいだから。女神様が見せるメゴロウのせいだから。
「…本当…綺麗ね、あなた…」
止めて、本当、止めて。チン毛撫で回しながら言わないで。メゴロウならバチ来いだけど、あんたには言われたくないから。
うっ、うっ、やっぱり嫌だな。けど、家に迷惑掛ける訳にはいかないし。こんな俺だけど、育ててくれたし。でも、でも、俺、死ぬし。こいつとメゴロウの邪魔したら、間違いなく死ぬし。でも、俺、邪魔する。こんなのがメゴロウの相手だなんて、絶対に祝福出来ない。呪う。自信持って呪う。呪わずに居られるか。メゴロウには、もっと相応しい相手が居る筈なんだ。だから、嘘だって言ってくれよ、女神様。
祈る様な、そんな気持ちで目を閉じた時、ぬちゃぬちゃと、にちゃにちゃと、俺の鼓膜を抉っていた音が不意に止んだ。
「…ねえ? 犯されるってどんな感じなのかしら…?」
ウーゴが気持ち悪い息を吐きながら言って、汚い穴に俺の俺を宛がった時。
「…何してるの…?」
暗い。
…とても暗い声が聞こえて来た。
くそ、何だ、これは?
『疲れもあるでしょうけど、軽い熱中症も疑った方が良いわね。身体を少し冷やしましょう。上、脱いでベッドに横になって頂戴』
そう、ウーゴ教諭に言われて、俺は着ていたブレザーとシャツを脱いで、ベッドへと上がり横になった。脇の下に保冷剤でも入れるんだろうか。確かに、汗掻いていたから、それはひんやりして気持ち良いかも。なんて思った俺が馬鹿だった。
「…ふふ…綺麗な肌ね…」
「…っ…」
俺が横になった途端、ウーゴ教諭もベッドに上がって来て、突然の事に驚き、即座に反応出来なかった俺の腰を跨いで、柔らかい尻を俺の股間の上へと置いたのだ。
咄嗟に声を上げようとした俺の唇に、ウーゴ教諭は人差し指をあてて、目を細め、唇を笑みの形にして、こう言った。
『女に襲われたなんて広まったら、お家に傷がつくんじゃないかしら?』
と。
『ここで、私がブラウスを開けて叫べば、襲われたのは私の方になるのかしら?』
とも言ってくれた。
何だ、この女は!?
こんな女が、隠しヒロインだなんて有り得ない。
こんなのがメゴロウの相手だなんて、絶対に俺は認めない。
女神様が、メゴロウが、これを良いと言っても、俺は絶対に認めない。
メゴロウに嫌われても良い、絞首台送りになっても良い。
そんなシナリオ、俺がぶっ壊してやる。
気分は、もう『かかって来いや、おらぁ!』だ。
「…ねえ? 私のも触ってくれるかしら?」
そう言いながら、ウーゴ(誰が、こんなのに"教諭"なんて敬称付けてやるか)は俺の胸を撫で回していた手を離して、ブラウスへと持って行く。白く細く長い指が一つ一つボタンを外して行く様子は、それが惚れた相手だったり、憧れていた相手だったなりしたなら、酷く妖艶に映るのだろう。だが、俺には、それは、ただただ醜悪な物にしか見えなかった。白衣を脱いで、ゆっくりとブラウスの袖から腕を抜いて、両腕を後ろに回して、ブラジャーのホックを外したのだろう、肌にぴったりと付いていたそれが浮き上がるのと同時に、肩紐が滑り落ち、その中にあったボリュームのある胸が、ボロンと踊り出た。
「…これまでにも、こうして生徒達を?」
随分と汚い乳首だな。AV女優の方が余程綺麗だぞ、おい。
まあ、そのどれよりも綺麗なのは、メゴロウの乳首だけどな。って、違う、落ち着け、俺。鎮まれ、俺の俺。こんなのにメゴロウを重ねるな。
「…ふふ…どうかしら…?」
どうかしら? じゃないだろう。どう考えても初犯じゃないだろうが。ベッド周りのカーテンは閉められているし。誰かが来ても、声さえ出さなければ、そうそうバレないだろうし。
これがゲームなら『よっしゃ来たコレ。筆おろしあざます!』とか言いながら、マウスから手を離してスタンバる処だが、これは現実だ。今の俺の現実だ。こんなのに童貞をくれてやるのは癪に障るが、仕方が無い。今は、この屈辱を受け入れるしかないだろう。
…だって、ちんこが反応してるんだっ!!
今、こうして俺の上に居るのがメゴロウだったらって思ったら、元気になってしまったんだっ!!
女神様の馬鹿、ボケッ!! あんな夢を見せるからっ!! これは不可抗力っ!! 女神様の強制力っ!! いや、それ以前にあんなに俺に接近したメゴロウが…っ…!!
「…ねえ? ほら…触って…?」
おい、止めろ。その汚い胸を俺の胸に押し当てるな。何で乳首硬くしてるんだ? この淫乱が。ちんこはくれてやるが、俺からは絶対に動かないからな、畜生っ!!
「…ふふ…。あの子が来てから、表情が柔らかくなったと思っていたけれど…」
おい。何、片手で自分の胸弄ってるんだよ? 止めろ、気持ち悪い。そんなオナニーなんか見たくないわ。メゴロウなら別だが。って、おい、反応するな、俺の俺。
俺が手を出さないからか、ウーゴは押し付けていた胸を浮かせて、左手で自分の胸を弄り出し、右手は俺のズボンのファスナーへと手を掛けて、ジー…と音を立てながら、それを下ろして行く。
うっ、うっ、ゲーム画面で見たかった。傍観者でいたかった。
「睨んでいる割に…ここは硬いのね…」
止めて、言わないで。これ、全部女神様のせいだから。女神様が見せるメゴロウのせいだから。
「…本当…綺麗ね、あなた…」
止めて、本当、止めて。チン毛撫で回しながら言わないで。メゴロウならバチ来いだけど、あんたには言われたくないから。
うっ、うっ、やっぱり嫌だな。けど、家に迷惑掛ける訳にはいかないし。こんな俺だけど、育ててくれたし。でも、でも、俺、死ぬし。こいつとメゴロウの邪魔したら、間違いなく死ぬし。でも、俺、邪魔する。こんなのがメゴロウの相手だなんて、絶対に祝福出来ない。呪う。自信持って呪う。呪わずに居られるか。メゴロウには、もっと相応しい相手が居る筈なんだ。だから、嘘だって言ってくれよ、女神様。
祈る様な、そんな気持ちで目を閉じた時、ぬちゃぬちゃと、にちゃにちゃと、俺の鼓膜を抉っていた音が不意に止んだ。
「…ねえ? 犯されるってどんな感じなのかしら…?」
ウーゴが気持ち悪い息を吐きながら言って、汚い穴に俺の俺を宛がった時。
「…何してるの…?」
暗い。
…とても暗い声が聞こえて来た。
0
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる