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それぞれの絆
【雪】雪緒も参る
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ふわああああ。
緊張します。
どきどきします。
心臓が破裂しそうです。
脚が震え過ぎて、膝のお皿が割れそうです。
僕は今、紫様の職場へと来ています。
出来たてに近いお弁当を風呂敷に包みまして。
何故、こうなりましたかと申しますと、昨日のだ、紫様の土下座から始まるのですが。
はい。
まさか、お酒に飲まれて丸一日分の記憶を失くすとは、夢にも思いませんでした。
何故、もっと早くに、お屋敷に着く前に教えて下さらなかったのですか、と言いましたら、紫様は土下座したまま『衝撃が強過ぎて、お前が首を吊ったり、腹を捌くんじゃないかと不安だった』と、仰ったのです。
待って下さい、僕を何だと思っているのですか!? 常々『予想の斜め上を行く』と、言われていますが、僕はそんなつもりは毛頭ございませんから! 誤解ですから!
ともかくも、教えて下されば、食材を仕入れましたのに。今日もお休みだと思っていましたので、夜と朝はある物で適当に、朝餉の後に昼以降の食材を買いに行こうと思っていたのです。ですから、お弁当のおかずになる物が何一つ無いのです。
そんな僕に紫様は顔を上げて、申し訳無さそうな顔で『いや、明日の昼は食堂で済ます』と言ったのです。酷いです、あんまりです、紫様のお弁当を作るのは僕の楽しみなのです。僕の楽しみを奪わないで下さい。それに、このお休み中、僕の作った物を食べて戴けていないのです。我慢の限界です。作らせて下さい。それとも、このお休み中の贅沢で、僕の作った物等、口にしたくなくなったのですか。思わず漏れてしまいました言葉に、紫様は慌てましたが、僕も内心慌てていました。本当に、ぽろりと出てしまった言葉でしたから。こんな情けなく、みっともない我儘を言うつもりはありませんでしたのに。
思わず俯いてしまった僕の鼻を紫様が摘まみました。
『…ふが…』
顔を上げましたら、紫様が何故か嬉しそうに笑っていまして、そして、言って下さったのです。
『なら、こうしよう。明日、買い物を終えた後に弁当を作って、俺に届けてくれ。お前の分も忘れるな。二人で弁当を食べよう。門番には俺から話を通して置く』
と。
僕は舞い上がりました。
紫様の職場訪問なんて初めてですから。
紫様が普段どの様に職場で過ごされているのか、実際にこの目で見る事が出来るのです。
それに、それに、僕のお弁当を食べて下さる姿が見られるのです。
もう、僥倖としか言えません。
そんな僕を見て、紫様は苦笑しながら首の後ろを掻いていました。
そして今、門番の方とお話をしていた僕の手を紫様が強く掴み取りまして、引き摺る様にされて建物の中へと連れて来られたのです。うぅん、やはり朝が物足りなくて、空腹だった様ですね。大丈夫です。そう思いましたから、二段のお重にしてご用意して来ましたから。上の段には俵おにぎりとお新香を。下の段には、沢山のおかずを詰めてありますから、安心して下さい。
それよりも、僕はこのまま食堂まで引き摺られて行くのでしょうか? 草履が磨り減ってしまいます。
◇
「メンチカツ定食大盛り二つと、親子丼大盛りと、肉焼きそば大盛りと、んと、後はまた頼むな!」
「エビピラフ大盛りと、ナポリタンは普通盛りでいいかな。足りなかったら、また後で頼みます」
引き摺られながら食堂へと着きましたら、星様と瑠璃子様が居ました。お二人共、とても元気なお声で注文をされています。
「おわ、ゆきお!」
「はっ!? え!? あ、今の聞いてた!?」
お二人が仲良く同じテーブルに向かいます処で、僕達に気が付いた様です。
星様は相変わらずのお日様の笑顔で、瑠璃子様は何故かお顔を赤くされています。何処か具合が宜しくないのでしょうか? ですが食欲はありそうですね? ああ、そうです。きっと訓練等で外気に触れていて、急に暖かな室内に入りましたのでしょうから、そのせいとかでしょうか?
「はい、お二人共お元気そうで何よりです。新年のご挨拶の便りはお送りしましたが、年が明けてからお会いするのは今日が初めてですね。今年も宜しくお願い致しますね」
「ん! お? それ弁当か?」
「こちらこそ、って、それお弁当?」
僕が風呂敷包みを胸に抱え、頭を下げましたらお二人共同じ事を聞いて来ました。
「はい、今日は紫様と…あ、そうです。お二人共ご一緒に如何ですか?」
「食(う! ゆきおの弁当美味いからな!)」
「う(ん! 雪緒君のお弁当美味しいし!)」
「駄目だ! こいつらと食ったら米の一粒も残らんぞ! お前達は大人しく食堂の飯を食ってろ!」
ですが、お二人のお返事を聞く前に、隣に立っていました紫様が再び僕の手を取り、ずんずんと歩いて行きます。
「ふぇえええええ?」
「ゆかりんたいちょの鬼!」
「酷いです! 言いがかりです! 私は星君程食べません!」
もつれそうになりそうな足を何とか動かします僕の耳に、お二人の不満そうな声が届きます。
「おーい! 腹ペコ達~! 出来たぞ、持ってけー!」
「おわ!? またな、ゆきお!」
「わわ!? またね、雪緒君!」
しかし、厨房から響いて来ました声に、お二人は慌てて踵を返したのでした。
「あいつらの傍だと、落ち着いて物も食えん。奥へ行くぞ」
「あ、はい」
むすりとした紫様の言葉に、僕は素直に頷きました。
確かに星様の食の速さは圧巻ですからね。ですが『ら』とは? 瑠璃子様はそこまででは無かったと記憶しているのですが…うぅん?
食堂の奥の窓際の席へと連れて行かれまして『ここに座れ』と、紫様がイスを引きまして、そちらに腰掛けまして、テーブルの上に風呂敷包みを置きまして、それを解いていましたら。
「えぇい、散れ! 寄るな、鬱陶しい!」
僕の向かいに腰を下ろそうとしました紫様が、不機嫌を露わに声を荒げました。
「ふえ!?」
解いた風呂敷の中から現れましたお重から顔を上げましたら、何時の間にやら周りには沢山の隊員の方たちが居たのです。
「これが高梨の子供か~」
「俺の事覚えてる? あの時はありがとうな!」
「重箱かよ!」
「夏は食えてるのか?」
「あんなに、ちっこかったのに!」
「高梨が椅子を引いてやるなんて初めて見た」
「星と同じ歳なんだよな? 細っそいなあ!」
「高梨に虐められてないか?」
「ふえ? ふえ? ふえ?」
いっぺんに話し掛けられて、僕の目はぐるぐると回ってしまいました。
皆様笑顔で話し掛けて下さるのですが、こう固まって来られてしまいますと、黒い隊服の圧が凄いです。
「飯が食えんだろうがっ!! 雪緒が怖がってるっ! さっさと飯を食って出て行けっ!!」
先程よりも強い声が食堂内に響きますが、隊員の方達は軽く肩を竦めただけで、軽く笑いながら『おお、こわ』と、離れて行きました。が。
「紫様、そう声を荒げては周りの皆様にも、こちらで働く方々にもご迷惑が掛かります。空腹で気が立っているのでしょうが、自重して下さい」
はい。その様な気持ちでお食事をされては、美味しい物も美味しく戴けませんから。
「…すまん…」
少しだけ目を細めて言いました僕に、紫様はがくりと肩を落としたのでした。
その瞬間に、食堂内にざわめきが走りましたが、今度は紫様は眉を寄せるだけで何も言いませんでした。
ですから、僕は持参したお箸を並べ、小皿を並べ、重箱の蓋に手を掛けたのです。
職場での紫様はどの様な感じなのでしょうかと気になっていましたが、余り普段とは変わりが無い様です。それに皆様ととても仲が宜しい様ですね。
それがとても微笑ましく、僕は頬を緩ませます。
「…あいつら…後で覚えていろよ…」
そんな不穏な紫様の小さな呟きは、浮かれ気分の僕の耳には届きませんでした。
緊張します。
どきどきします。
心臓が破裂しそうです。
脚が震え過ぎて、膝のお皿が割れそうです。
僕は今、紫様の職場へと来ています。
出来たてに近いお弁当を風呂敷に包みまして。
何故、こうなりましたかと申しますと、昨日のだ、紫様の土下座から始まるのですが。
はい。
まさか、お酒に飲まれて丸一日分の記憶を失くすとは、夢にも思いませんでした。
何故、もっと早くに、お屋敷に着く前に教えて下さらなかったのですか、と言いましたら、紫様は土下座したまま『衝撃が強過ぎて、お前が首を吊ったり、腹を捌くんじゃないかと不安だった』と、仰ったのです。
待って下さい、僕を何だと思っているのですか!? 常々『予想の斜め上を行く』と、言われていますが、僕はそんなつもりは毛頭ございませんから! 誤解ですから!
ともかくも、教えて下されば、食材を仕入れましたのに。今日もお休みだと思っていましたので、夜と朝はある物で適当に、朝餉の後に昼以降の食材を買いに行こうと思っていたのです。ですから、お弁当のおかずになる物が何一つ無いのです。
そんな僕に紫様は顔を上げて、申し訳無さそうな顔で『いや、明日の昼は食堂で済ます』と言ったのです。酷いです、あんまりです、紫様のお弁当を作るのは僕の楽しみなのです。僕の楽しみを奪わないで下さい。それに、このお休み中、僕の作った物を食べて戴けていないのです。我慢の限界です。作らせて下さい。それとも、このお休み中の贅沢で、僕の作った物等、口にしたくなくなったのですか。思わず漏れてしまいました言葉に、紫様は慌てましたが、僕も内心慌てていました。本当に、ぽろりと出てしまった言葉でしたから。こんな情けなく、みっともない我儘を言うつもりはありませんでしたのに。
思わず俯いてしまった僕の鼻を紫様が摘まみました。
『…ふが…』
顔を上げましたら、紫様が何故か嬉しそうに笑っていまして、そして、言って下さったのです。
『なら、こうしよう。明日、買い物を終えた後に弁当を作って、俺に届けてくれ。お前の分も忘れるな。二人で弁当を食べよう。門番には俺から話を通して置く』
と。
僕は舞い上がりました。
紫様の職場訪問なんて初めてですから。
紫様が普段どの様に職場で過ごされているのか、実際にこの目で見る事が出来るのです。
それに、それに、僕のお弁当を食べて下さる姿が見られるのです。
もう、僥倖としか言えません。
そんな僕を見て、紫様は苦笑しながら首の後ろを掻いていました。
そして今、門番の方とお話をしていた僕の手を紫様が強く掴み取りまして、引き摺る様にされて建物の中へと連れて来られたのです。うぅん、やはり朝が物足りなくて、空腹だった様ですね。大丈夫です。そう思いましたから、二段のお重にしてご用意して来ましたから。上の段には俵おにぎりとお新香を。下の段には、沢山のおかずを詰めてありますから、安心して下さい。
それよりも、僕はこのまま食堂まで引き摺られて行くのでしょうか? 草履が磨り減ってしまいます。
◇
「メンチカツ定食大盛り二つと、親子丼大盛りと、肉焼きそば大盛りと、んと、後はまた頼むな!」
「エビピラフ大盛りと、ナポリタンは普通盛りでいいかな。足りなかったら、また後で頼みます」
引き摺られながら食堂へと着きましたら、星様と瑠璃子様が居ました。お二人共、とても元気なお声で注文をされています。
「おわ、ゆきお!」
「はっ!? え!? あ、今の聞いてた!?」
お二人が仲良く同じテーブルに向かいます処で、僕達に気が付いた様です。
星様は相変わらずのお日様の笑顔で、瑠璃子様は何故かお顔を赤くされています。何処か具合が宜しくないのでしょうか? ですが食欲はありそうですね? ああ、そうです。きっと訓練等で外気に触れていて、急に暖かな室内に入りましたのでしょうから、そのせいとかでしょうか?
「はい、お二人共お元気そうで何よりです。新年のご挨拶の便りはお送りしましたが、年が明けてからお会いするのは今日が初めてですね。今年も宜しくお願い致しますね」
「ん! お? それ弁当か?」
「こちらこそ、って、それお弁当?」
僕が風呂敷包みを胸に抱え、頭を下げましたらお二人共同じ事を聞いて来ました。
「はい、今日は紫様と…あ、そうです。お二人共ご一緒に如何ですか?」
「食(う! ゆきおの弁当美味いからな!)」
「う(ん! 雪緒君のお弁当美味しいし!)」
「駄目だ! こいつらと食ったら米の一粒も残らんぞ! お前達は大人しく食堂の飯を食ってろ!」
ですが、お二人のお返事を聞く前に、隣に立っていました紫様が再び僕の手を取り、ずんずんと歩いて行きます。
「ふぇえええええ?」
「ゆかりんたいちょの鬼!」
「酷いです! 言いがかりです! 私は星君程食べません!」
もつれそうになりそうな足を何とか動かします僕の耳に、お二人の不満そうな声が届きます。
「おーい! 腹ペコ達~! 出来たぞ、持ってけー!」
「おわ!? またな、ゆきお!」
「わわ!? またね、雪緒君!」
しかし、厨房から響いて来ました声に、お二人は慌てて踵を返したのでした。
「あいつらの傍だと、落ち着いて物も食えん。奥へ行くぞ」
「あ、はい」
むすりとした紫様の言葉に、僕は素直に頷きました。
確かに星様の食の速さは圧巻ですからね。ですが『ら』とは? 瑠璃子様はそこまででは無かったと記憶しているのですが…うぅん?
食堂の奥の窓際の席へと連れて行かれまして『ここに座れ』と、紫様がイスを引きまして、そちらに腰掛けまして、テーブルの上に風呂敷包みを置きまして、それを解いていましたら。
「えぇい、散れ! 寄るな、鬱陶しい!」
僕の向かいに腰を下ろそうとしました紫様が、不機嫌を露わに声を荒げました。
「ふえ!?」
解いた風呂敷の中から現れましたお重から顔を上げましたら、何時の間にやら周りには沢山の隊員の方たちが居たのです。
「これが高梨の子供か~」
「俺の事覚えてる? あの時はありがとうな!」
「重箱かよ!」
「夏は食えてるのか?」
「あんなに、ちっこかったのに!」
「高梨が椅子を引いてやるなんて初めて見た」
「星と同じ歳なんだよな? 細っそいなあ!」
「高梨に虐められてないか?」
「ふえ? ふえ? ふえ?」
いっぺんに話し掛けられて、僕の目はぐるぐると回ってしまいました。
皆様笑顔で話し掛けて下さるのですが、こう固まって来られてしまいますと、黒い隊服の圧が凄いです。
「飯が食えんだろうがっ!! 雪緒が怖がってるっ! さっさと飯を食って出て行けっ!!」
先程よりも強い声が食堂内に響きますが、隊員の方達は軽く肩を竦めただけで、軽く笑いながら『おお、こわ』と、離れて行きました。が。
「紫様、そう声を荒げては周りの皆様にも、こちらで働く方々にもご迷惑が掛かります。空腹で気が立っているのでしょうが、自重して下さい」
はい。その様な気持ちでお食事をされては、美味しい物も美味しく戴けませんから。
「…すまん…」
少しだけ目を細めて言いました僕に、紫様はがくりと肩を落としたのでした。
その瞬間に、食堂内にざわめきが走りましたが、今度は紫様は眉を寄せるだけで何も言いませんでした。
ですから、僕は持参したお箸を並べ、小皿を並べ、重箱の蓋に手を掛けたのです。
職場での紫様はどの様な感じなのでしょうかと気になっていましたが、余り普段とは変わりが無い様です。それに皆様ととても仲が宜しい様ですね。
それがとても微笑ましく、僕は頬を緩ませます。
「…あいつら…後で覚えていろよ…」
そんな不穏な紫様の小さな呟きは、浮かれ気分の僕の耳には届きませんでした。
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