【完結】限界離婚

限界離婚

残された物

良は、麗奈の事を、父の広一から聞いた事があった。

初対面だが、緊急事態だからと麗奈を自宅へ招き入れる。

麗奈は、自宅の中の光景に驚きながら、祖母の文へ駆け寄った。

麗奈は、手際よく文の状態を確認して、行動する。
「体が、熱い。冷やさないと、、、、」


麗奈は、冷蔵庫の中の冷えたペットボトルを出してきて文の脇や太ももへ当てていく。

その間に良は、救急車を呼んだ。


麗奈は言った。
「どうされたんですか？強盗でも入ったのでしょうか？」

良は答えた。
「それが、私も今出張から帰ったばかりで分からないんです。麗奈さんすみませんが、2階を確認してくるので、祖母をお願いしてもいいでしょうか？」

麗奈は言った。
「もちろんです。」




良は2階へ移動した。


階段を緊張して昇っていく。


もし強盗なら、妻や子供達が危険にさらされたかもしれない。


最悪の事態を想像し、良は身震いをした。



2階は、綺麗に整頓されていた。すっきりとした廊下。整えられた寝室。片付けられた子供部屋。


どの部屋も荒らされた形跡がない。


出張前と変わらない風景が広がっていた。



ただ、テーブルに置かれている妻の署名が入った離婚届を除いては、、、、