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ミラージュの目の前には、甲冑を着た逞しい金髪の男性がいた。

ミラージュに声をかけてきたのは、グランだった。

グランは、馬から降り、ミラージュへ近づいてきた。

「心配したよ。ミラージュ。」

「グラン。どうしてここが、、、、」

「ギガリア公爵は以前から不穏な動きがある。ミラージュがいなくなって、ギガリア公爵領へ数台の馬車が向かったと聞き、騎士達と駆け付けた。無事でよかった。ミラージュ。」

グランは、涙目でミラージュを抱きしめてきた。

ミラージュは、ホッとして体の力が抜け、グランへ凭れかかった。

(よかった。グランに会えて。)

「グラン。迎えに来てくれてありがとう。愛しているわ。」

「俺も、愛しているよ。ミラージュ。何があった?」

「ギガリア公爵に捕まっていたの。地下に閉じ込められていたわ。ギガリア公爵は他にも沢山の人達を捕まえていたわ。あの男は、皆に酷い事を」

ミラージュは、体を震わせながらグランへ伝えた。母の夢を見た事。脱出した事。捕らえられている人達の事。グランは、ミラージュを抱きしめながら、話を聞いていた。


「ギガリア公爵は違法取引をしている容疑がある。だが、証拠が出てこない。ミラージュ。君はギガリア公爵の娘なのだろう。ギガリア公爵に不利な証言を法廷で話せるか?」

「分からないわ。ギガリア公爵は一度も私の事を娘だと認めていないわ。いつも無理やり裏から公爵邸へ連れて行かれたの。公式に会った事もないわ。公爵は、私の事を認めないかもしれない。」

「そうか。俺は、君が無事で安心したよ。一緒に帰ろう。ミラージュ。」








グランは、少し離れた場所で待機していた騎士達へ告げた。


「ギガリア公爵邸には行かない。王城へ戻るぞ。」


「「はっ、殿下」」









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