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否 忘れてください

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ルナリーは、笑みを浮かべるライルを訝しく思っていると、ドアがノックされ、開かれた。

部屋の中に入って来たのは、祖母の前裏ギルド長と、義兄のアーバン商会長、娘のラミアだった。

ルナリーは、唖然とする。

今日は、娘のラミアをこの部屋に絶対に近づかせないように念入りに祖母に依頼していたのだ。

ルナリーは言った。
「お婆様。どうしてラミアをつれて、、、、」

ルナリーが言い切る前に、ラミアがライル・オーガンジス侯爵へ駆け寄り抱き着いた。
「パパ。会いたかった。」

ルナリーはワナワナと震え、祖母と義兄を睨みつける。
「どういう事ですか?」


祖母は言った。
「ルナリーこそどういうつもりだね。

私が裏ギルド長だった時にライルが依頼してきた事は伝えただろう。あの女狐達を追い出す情報の対価は、お前とライルが一度離婚する事だ。

2重契約になるからお前とライルの契約は無効だと言っただろう。

お前の依頼料は契約には含まれないから、この子には父親に会う権利があるはずさ。

まさか裏ギルド長が契約をたがえる訳にはいかないだろう。」



ルナリーは言う。

「それは、私の方が先に契約したから。」



祖母は言った。

「クククク。その時は、まだ一介のギルド員だっただろ。裏ギルド長とギルド員どちらの契約が優先か明らかだよ。」


義兄もルナリーに言う。
「そうだ。ルナリー。なにを拗らせているか知らないが、いい加減仲直りをしろ。ライルと子供を合わせてやれ。」


ラミアが言った。
「ママが、いつも夜ニヤニヤみている絵とそっくりだから、すぐにパパだってわかったよ。ラミア凄いでしょ。」


ルナリーは顔を真っ赤にさせて、言った。
「ラミア!黙って!」


ラミアは、母親を見て言う。
「どうして。ママ、絵に大好きだっていつも言っているでしょ。分かった。ラミアが先にギューしたからでしょ。いいよ。ママに変わってあげる。」


ルナリーは両手で顔を隠して言った。
「どうして、ラミアを連れてきたのよ!あんまりだわ。」


ライル・オーガンジス侯爵も頬を染めて言った。
「ルナリー。一緒に暮らそう。絵なんかじゃなくて、俺に直接好きって言って欲しい。俺も毎晩伝えるから。あの時、言っていただろ。きみに気付いたなら、もっと会えるようになるって。」


ルナリーはライルへ言った。
「その時、約束したわ。私の事を捨てたら、貴方の事を忘れるって、だからもう、、、」











ラミアが言った。
「ママ、ぜんぜん忘れてないでしょ。だっていつもパパの絵を見ているじゃない。」




ルナリーはラミアを叱った。
「だから、ラミアは黙っていて!そういう事は忘れてください。お願いだから。」


ルナリーは、恥ずかしさで、プルプルと震えた。
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