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プロローグ
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「マリー」が死んだ。
「マリー」として死んだのは、ガーランド侯爵家の跡取りリアム・ガーランドだった。
リアムは金髪で童顔の整った顔立ちをしていた。ガーランド侯爵家の唯一の男子で両親に溺愛されて育てられた。
姉のマリーはリアムが産まれる一年前に生を受けた。
だが、待望の子が女児だった為に祖母に親族の前で酷く罵られた両親はマリーをいないものとして扱うようになった。
使用人に助けられながら大きくなったマリーは、物心つく頃には、使用人の真似事をするようになっていた。仕事をすれば食事が貰える為、マリーも必死だった。
リアムは時に体調を崩す事があった。中等学院の入学試験を受ける日もリアムは体調を崩した。試験を欠席させるわけにもいかず、両親は使用人部屋にいたマリーを連れてきてリアムの姿をさせて入学試験を受けさせた。
マリーとリアムは双子と言ってもいいほどによく似ている。中等学院の入学試験に合格してからマリーは髪を短く切られ、定期的にリアムとの入れ替わりを命じられるようになった。両親やリアムに逆らうと、酷く叱られ、時には折檻される事もあり、マリーは従うしか無かった。
いつものように、弟のリアム・ガーランドに身代わりを命じられた私は、学術院の実習先へ行き、レポートを作成していた。そんな時、家族に不幸があったと連絡があった。
急いで支度をして帰り、葬儀の教会へ辿り着き、見たものは私「マリー」の遺影だった。
「マリー」として学術院へ行くときは、リアムの姉とバレないように茶髪のカツラをつけて、黒縁の大きな伊達メガネをかけて、平民として学術院一般科に通っていた。
その茶髪で黒縁眼鏡の私「マリー」の写真が遺影として使われている。
確かに今、私はリアムの格好をしている。だけど、私がリアムと入れ替わっているのは両親も知っているはずだ。
教会の中にいるはずの両親を探すが見当たらず、ガーランド家の執事だけが遺影の前に佇んでいた。
「おかえりなさいませ。リアム様。」
執事は私が実家で冷遇されている時に何かと助けてくれた人だ。私が学術院へ入学する際も、両親から家名を名乗る事を許されず、入学を諦めかけていた。そんな時、執事が保証人になってくれ、なんとか平民のマリーとして入学する事ができたのだ。
「どういう事?なぜマリーの遺影があるの?」
執事も困った表情で答えた。
「詳しくは、旦那様が説明されます。屋敷へ帰りましょう。」
ガーランド侯爵家の屋敷にたどり着くと、両親が応接室で待っていた。
「よく帰ってきた。リアム。」
その言葉に、私は顔を顰める。
「お父様、なんの冗談ですか?なぜ私の葬儀をしたんです?」
「リアムは、ガーランド侯爵家の大事な跡取りです。死なすわけにはいけません。」
「お母様!いくら私の格好をしていたからと言って、実際に死んだのはリアムでしょ。」
「いいえ、あれはマリーです。マリーで無ければいけないのです。」
両親は険しい顔をしていた。
「どういう事ですか?」
「マリーは屋上から落ちたらしい。自殺で間違いないだろうとの事だ。それがリアムならどうなるか、お前でも分かるだろう!」
私は黙った。
ここ帝国では、アリスト教が信仰されている。ガーランド侯爵家だけでなく帝国の貴族は全てアリスト教だ。アリスト教では自殺が最大の禁忌とされ、自殺者を出した家門は貴族席から追われる事もある。
ガーランド侯爵家も一枚岩ではない。父親の弟達は、侯爵の座を狙っている。跡取りのリアムが自殺したと分かれば、両親を含めマリーも侯爵家から追放されるだろう。それどころか、皇帝へ侯爵位
を変換し、家門がお取り潰しになる可能性もある。
「それで、平民のマリーの葬儀をしたのですか?」
「ああ、そうだ。お前が平民として学術院へ通っていて助かった。
お前はこれからリアムとして生きるのだ。平民のマリーはもういない。リアムとして学術院へ通い続けても問題はないだろう。飛び降りたのがリアムだとわかれば、我々は終わりだ。」
「でも、私はマリー・ガーランドです。試験中だけで無く、ずっと学術院へリアムとして通うなんて無理に決まってます。」
父は私を怒鳴りつけた。
「無理でもやるのだ!甥達は優秀だ。リアムが学術院を中退したなどとなれば、ガーランド侯爵家は甥へ渡る事になる。お前は、この年になって両親に苦労させたいのか!」
母も私に告げる。
「いいですか?学術院へ通い平民のマリーを突き落とした犯人を探しなさい!もし、自殺で無く殺されたのであればリアムを弔ってあげれるわ。犯人を見つけたのであれば、お前がリアムを演じる事を辞め、マリー・ガーランドとして生きる事を許してあげます。」
「お母様。そんな。」
「だいたい、お前は何度もリアムの身代わりをしてきたでは無いですか。今までバレなかったのなら、これからも大丈夫に決まっています。ガーランド侯爵家と我々の命運はお前にかかっているのですよ。」
私は項垂れた。今までだって、侯爵家の為と言われ自分自身を殺し、両親とリアムに尽くしてきたのだ。
もし、リアムが本当に自殺なら、確かに発表はできない。
とにかく両親の言う通りにリアムになって学術院へ通うようにしよう。
犯人が見つかるかなんて分からないが、見つからなければガーランド侯爵を引き継いだ後、両親と共に隠居して従兄弟に侯爵位を渡せばいい。
「分かりました。私は、リアムとして学術院へ行きます。」
絶対に女だとバレないようにしなければならない。バレたら何もかも終わってしまう。
リアムが自殺するなんて私は信じていなかった。リアムは自分勝手で傲慢な所があった。リアムが誰かに危害を加えるなら想像できるが、自殺するなんて考えられない。
リアムとして平民のマリーの死の真相を探す。リアムとマリーは学年も違えば専攻科も違う。リアムに成り代わる前から前途多難だった。
だけど、やるしかない。
リアムの死の真相が分かれば、今度こそマリー・ガーランドとして自分らしく生きよう。
私は真相が分かるまでリアムとして生きる覚悟を決めた。
「マリー」として死んだのは、ガーランド侯爵家の跡取りリアム・ガーランドだった。
リアムは金髪で童顔の整った顔立ちをしていた。ガーランド侯爵家の唯一の男子で両親に溺愛されて育てられた。
姉のマリーはリアムが産まれる一年前に生を受けた。
だが、待望の子が女児だった為に祖母に親族の前で酷く罵られた両親はマリーをいないものとして扱うようになった。
使用人に助けられながら大きくなったマリーは、物心つく頃には、使用人の真似事をするようになっていた。仕事をすれば食事が貰える為、マリーも必死だった。
リアムは時に体調を崩す事があった。中等学院の入学試験を受ける日もリアムは体調を崩した。試験を欠席させるわけにもいかず、両親は使用人部屋にいたマリーを連れてきてリアムの姿をさせて入学試験を受けさせた。
マリーとリアムは双子と言ってもいいほどによく似ている。中等学院の入学試験に合格してからマリーは髪を短く切られ、定期的にリアムとの入れ替わりを命じられるようになった。両親やリアムに逆らうと、酷く叱られ、時には折檻される事もあり、マリーは従うしか無かった。
いつものように、弟のリアム・ガーランドに身代わりを命じられた私は、学術院の実習先へ行き、レポートを作成していた。そんな時、家族に不幸があったと連絡があった。
急いで支度をして帰り、葬儀の教会へ辿り着き、見たものは私「マリー」の遺影だった。
「マリー」として学術院へ行くときは、リアムの姉とバレないように茶髪のカツラをつけて、黒縁の大きな伊達メガネをかけて、平民として学術院一般科に通っていた。
その茶髪で黒縁眼鏡の私「マリー」の写真が遺影として使われている。
確かに今、私はリアムの格好をしている。だけど、私がリアムと入れ替わっているのは両親も知っているはずだ。
教会の中にいるはずの両親を探すが見当たらず、ガーランド家の執事だけが遺影の前に佇んでいた。
「おかえりなさいませ。リアム様。」
執事は私が実家で冷遇されている時に何かと助けてくれた人だ。私が学術院へ入学する際も、両親から家名を名乗る事を許されず、入学を諦めかけていた。そんな時、執事が保証人になってくれ、なんとか平民のマリーとして入学する事ができたのだ。
「どういう事?なぜマリーの遺影があるの?」
執事も困った表情で答えた。
「詳しくは、旦那様が説明されます。屋敷へ帰りましょう。」
ガーランド侯爵家の屋敷にたどり着くと、両親が応接室で待っていた。
「よく帰ってきた。リアム。」
その言葉に、私は顔を顰める。
「お父様、なんの冗談ですか?なぜ私の葬儀をしたんです?」
「リアムは、ガーランド侯爵家の大事な跡取りです。死なすわけにはいけません。」
「お母様!いくら私の格好をしていたからと言って、実際に死んだのはリアムでしょ。」
「いいえ、あれはマリーです。マリーで無ければいけないのです。」
両親は険しい顔をしていた。
「どういう事ですか?」
「マリーは屋上から落ちたらしい。自殺で間違いないだろうとの事だ。それがリアムならどうなるか、お前でも分かるだろう!」
私は黙った。
ここ帝国では、アリスト教が信仰されている。ガーランド侯爵家だけでなく帝国の貴族は全てアリスト教だ。アリスト教では自殺が最大の禁忌とされ、自殺者を出した家門は貴族席から追われる事もある。
ガーランド侯爵家も一枚岩ではない。父親の弟達は、侯爵の座を狙っている。跡取りのリアムが自殺したと分かれば、両親を含めマリーも侯爵家から追放されるだろう。それどころか、皇帝へ侯爵位
を変換し、家門がお取り潰しになる可能性もある。
「それで、平民のマリーの葬儀をしたのですか?」
「ああ、そうだ。お前が平民として学術院へ通っていて助かった。
お前はこれからリアムとして生きるのだ。平民のマリーはもういない。リアムとして学術院へ通い続けても問題はないだろう。飛び降りたのがリアムだとわかれば、我々は終わりだ。」
「でも、私はマリー・ガーランドです。試験中だけで無く、ずっと学術院へリアムとして通うなんて無理に決まってます。」
父は私を怒鳴りつけた。
「無理でもやるのだ!甥達は優秀だ。リアムが学術院を中退したなどとなれば、ガーランド侯爵家は甥へ渡る事になる。お前は、この年になって両親に苦労させたいのか!」
母も私に告げる。
「いいですか?学術院へ通い平民のマリーを突き落とした犯人を探しなさい!もし、自殺で無く殺されたのであればリアムを弔ってあげれるわ。犯人を見つけたのであれば、お前がリアムを演じる事を辞め、マリー・ガーランドとして生きる事を許してあげます。」
「お母様。そんな。」
「だいたい、お前は何度もリアムの身代わりをしてきたでは無いですか。今までバレなかったのなら、これからも大丈夫に決まっています。ガーランド侯爵家と我々の命運はお前にかかっているのですよ。」
私は項垂れた。今までだって、侯爵家の為と言われ自分自身を殺し、両親とリアムに尽くしてきたのだ。
もし、リアムが本当に自殺なら、確かに発表はできない。
とにかく両親の言う通りにリアムになって学術院へ通うようにしよう。
犯人が見つかるかなんて分からないが、見つからなければガーランド侯爵を引き継いだ後、両親と共に隠居して従兄弟に侯爵位を渡せばいい。
「分かりました。私は、リアムとして学術院へ行きます。」
絶対に女だとバレないようにしなければならない。バレたら何もかも終わってしまう。
リアムが自殺するなんて私は信じていなかった。リアムは自分勝手で傲慢な所があった。リアムが誰かに危害を加えるなら想像できるが、自殺するなんて考えられない。
リアムとして平民のマリーの死の真相を探す。リアムとマリーは学年も違えば専攻科も違う。リアムに成り代わる前から前途多難だった。
だけど、やるしかない。
リアムの死の真相が分かれば、今度こそマリー・ガーランドとして自分らしく生きよう。
私は真相が分かるまでリアムとして生きる覚悟を決めた。
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