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嘘のホント
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Side:刃斬
宋平…?
スマホから聞こえてきたのは先程までこの部屋にいた宋平のもの。あの後、辰見に見つかったようでベッドに縛られたらしい。
【せんせー? あ。そういえば俺、兄ちゃんたちにゲームのお泊まり大会って言って来たんだ。ねぇ先生一緒にゲームしようよー。寝るの疲れた】
随分と慣れた話し方に相当昔から世話になっているのだろうとわかる。聴いている本人もすぐに切らない辺り、そういう会話にも付き合うのだろう。
俺たちの連絡はワン切りだけどな。
『宋平。今は少し忙しいから…』
【えー…。あ! 言っておきますけどね、先生ってばやらないとは思うけどボスに変なことしちゃダメだからね?】
核心をついた忠告に思わず辰見もスマホを耳から離して凝視した。
【ボスとはちゃんと取引に応じた上でこうしてるわけだから。無理強いとかされてないし、…まぁ結構…楽しいし? 怪我はしちゃったけどボスたちも酷い怪我なんだ。俺一人が、じゃないもん。
…だからちゃんとボスの怪我も診てあげてね? 先生は名医なんだもん、余裕でしょ!】
先生トイレー、という場違いなほど明るい声に思わず口の端が吊り上がる。
…やってくれたなアイツ。
『先生はトイレじゃありません』
【漏らしたら俺は先生の顔を見る度にトイレを思い出すんですからね、わかってます?】
『それは困りましたね。ですが、残念ながら定時を過ぎたので帰ります。
…君の要望は弐条会の者に頼みますから、安静にするように。今日はベッドから降りるのはトイレ以外許しません。わかりましたね?』
小さな子どもに言い聞かせるように、しかしどこか優しく言い切るとスマホからは子どもの嘆きが僅かにしていたが構わず切った。
清々しいくらい綺麗に切りやがったな…。
『先程言った通り、定時なので帰ります。あの子の容態の急変以外では呼び出さないで下さい』
『はぁ?! いやテメェ、ボスになんか盛ったんじゃ…?』
『医者がそんなことするわけないでしょう。馬鹿なんですかね』
あ゛ぁ!?
テメェが言い出したことだろうが!!
だが身を乗り出す俺を押し退けて辰見は病院に戻るべく歩き出す。そんな奴を止めようとしたところ、何かを投げられ慌てて掴む。
宋平がいる部屋のルームキー…?
『こちらに構っている余裕などあるのですか。宋平が待っていますよ、割とピンチで』
トイレに行きたいと咽び泣く様子が容易に想像できて思わず足を止める。まるでそれを予測していたように辰見は部屋を出た。
『…認めませんよ。貴様らにあの子は、相応しくない』
吐き捨てるようにそう言葉を残してエレベーターに乗り込んだ辰見。心底腹が立つが今はやるべきことの為にスマホを手に取る。
俺も少し動き回り過ぎたな…。
『刃斬サン。お呼びですか、なんかスゲー仏頂面した専門医とすれ違いましたけど…』
『ああ、そのことだが…悪いが宋平んとこ行って面倒見てくれ。ベッドに縛り付けられて身動き取れんらしい』
『それなら先程、猿石が宋平くんの泣き声がする気がするって走って行きましたよ。丁度部屋の近く通ってまして…』
それ絶対ぇ扉ぶっ壊してんじゃねぇか。
思わず目頭を押さえる俺を見て笑う犬飼。笑い事ではないので即座に脛を蹴れば悲鳴を上げて床に沈む。
『テメェの部屋にでも置いてやれ。どうせもう使い物にならねェだろ』
『構いませんが…、
いえ。やはり宋平はこの部屋に置かせていただきます』
キッパリと断れば寝る姿勢に入っていたボスが目を見開いてこちらを見る。珍しい表情だが、こればかりは譲ることが出来ない。
『俺の部屋まで壊されては困ります。ボスの部屋で暴れるようなことはしないでしょう』
『巫山戯るな。俺は…』
『それに良い護衛にもなるでしょう。後一日は宋平はアジトで過ごすのです。我々にとっても今日明日は派手に動けません。
まぁ、後は宋平の答え次第としましょう』
半ば強引に話を進めて、取り敢えず部屋の状況を部下たちから聞き出す。ボスも何か言いたげだったが傷の影響もありこれ以上は無駄だと諦めたようで大人しくベッドに横になった。
丁度良い。別れが早まったなら、一刻も早く更に情を湧かせれば良いんだ。
身内は一人でも多い方が良いってのが俺の方針だ。
【…刃斬さん、あの…やっぱダメっス。完全に扉がぶっ壊されてます…】
あの猿は今すぐ身内から外したい、心から。
『はぁ…。宋平に話通しとけ。受け入れるならクソ猿に運ばせて、拒否なら新たな部屋の確保だ』
御意、と通話が切られるとまた別の人間に指示を出して念の為に部屋を確保するよう伝える。今からの用意だと時間は掛かるが宋平が拒否する可能性も高い。
…散々イジられた後だからなぁ。
だが、意外なことに宋平はあっさりと提案を受け入れて猿石におぶられながら再びやって来る。どうして自分の部屋ではないのかと文句を連ねるバカをぶん殴って黙らせると仮眠室に新たに用意したベッドに宋平を横にする。
『…あの。さっきも飛び付いたりしてなんですが、刃斬の兄貴の方が重傷だと思うんですが…』
『宋平よ。これが慣れってモンだ。気にすんな、俺も少し休む。お前はボスのこと頼んだぞ。お前自身も、しっかり寝て食って、治せ』
素直に頷く宋平にしっかり布団を被せてやれば眠くなったのか瞼を重そうにする。布団が変わっても寝れそうでこちらも安心した。
少しの間、身体を摩ってやっているとすぐに寝息が聞こえてきてあまりの無防備さに若干心配にもなる。
…上位アルファが二人もいて普通に眠れるとか、ある意味才能だな。
『寝たか』
本当に寝たか顔の前で手を振ってみるがムニャムニャ言いながら枕に顔を擦り付けている。
マジで寝たわ。
『ではボス、自分は向こうのソファで少し仮眠を取るので何かあればすぐにお呼び下さい』
俺が休む間にあの猿、死ぬほど働かせてくれる。
『…とっとと失せろ』
終始壁の方を向いてこちらには背を見せるボスの姿にやれやれと思いつつ、扉を閉める。上着を脱いで少し血の滲む包帯に気が付くとすぐに自分で新しいものに変えるべくソファに座った。
『うっわ、グロ! キモいもん見せんなよ』
『刃斬サン。はいこれ消毒液』
『…なんでいる?』
俺の座ったソファの背もたれに寄り掛かる猿石に、消毒液だけ与えて自分は全く手を貸す気のない犬飼。揃いも揃って何をと叫ぼうとしたところで、止める。
『なぁーなぁー。ボスはソーヘーが好きなんだろ? てことは、宋平はずっと此処にいんのか?』
『あれ。意外だな、君が宋平くんを囲うとばかり。我儘で傍若無人らしく…ね?』
全く無視できる内容でもなかったので口を挟まずにいた。犬飼の疑問は俺の疑問でもある。
『あ? ソーヘーは好きだ。でもそーゆー好きは向けねぇ。俺はそーゆー好きの感情、ねぇから。
昔言われた。そーゆー感情を誰にも向けねぇ身体なんだよ。血が、もう次に受け継がれるのを拒絶してる。だから無理。
ソーヘーとはずっと近くにいたい。ただそれだけ。ボスと番うなら二人一緒だし守りやすくて良い』
ああ。と思わず納得できる内容だった。実家の内情を知るからこそ、すぐにそんな異質さも受け入れられる。それをすんなり受け入れる本人はどうかと思うが。
…いや待て。これは逆に面倒なんじゃねぇか?
『なぁ! そんで、いつ番うんだ? 今??』
『はいセクハラー。レッドカード一発退場お疲れ様でーす。死ね』
容赦ない犬飼の言葉の暴力が降り注ぐが、本人は悪びれた様子もなく不思議そうに首を傾げる。
『馬鹿たれ。…宋平は堅気に戻んだよ。それに、アイツはベータだ。オメガ以外の伴侶を弐条会の世話役どもが許すわけねぇだろ。
最悪の場合、相手は殺されてボスも…傀儡として堕ちる。面倒な老害も多いんだよ』
そもそも宋平がボスに惚れてるかも確定ではない。恋愛経験なんてほぼないだろうし、揶揄われてると本人が叫ぶくらいだ。
話を聞いて暴れるだろうと思っていた猿石は、へー。と気の抜ける返事をした。
『…お前、聞いてたか?』
『あ? 聞いてんだろ。よくわかんねーから、俺はボスに殺せって言われた奴始末する。後はメンドクセーからお前らなんとかしてー』
丸投げじゃねぇかよ。
だが、確かに今は…あの二人がどう進展するかは気になるところだ。やはり傷は浅い内に引き離すべきか、それとも…なるようになるのか。
『で? 犬飼、番って言えばボスが探してるオメガの方はどうなってる』
『何人か絞れましたよ。近々お話に伺う予定です』
本当にボスを救ったオメガがいるなら、こっちの方が手っ取り早いかもしれない。弐条会の花嫁ともなると相手にもそれなりのモンが備わっていなければ。
あの会合に出るほどの出自のオメガなら言うことはないだろう。
『早めに結果を出せ』
『御意』
その二週間後、
無事にボスを救ったというオメガが見つかった。
.
宋平…?
スマホから聞こえてきたのは先程までこの部屋にいた宋平のもの。あの後、辰見に見つかったようでベッドに縛られたらしい。
【せんせー? あ。そういえば俺、兄ちゃんたちにゲームのお泊まり大会って言って来たんだ。ねぇ先生一緒にゲームしようよー。寝るの疲れた】
随分と慣れた話し方に相当昔から世話になっているのだろうとわかる。聴いている本人もすぐに切らない辺り、そういう会話にも付き合うのだろう。
俺たちの連絡はワン切りだけどな。
『宋平。今は少し忙しいから…』
【えー…。あ! 言っておきますけどね、先生ってばやらないとは思うけどボスに変なことしちゃダメだからね?】
核心をついた忠告に思わず辰見もスマホを耳から離して凝視した。
【ボスとはちゃんと取引に応じた上でこうしてるわけだから。無理強いとかされてないし、…まぁ結構…楽しいし? 怪我はしちゃったけどボスたちも酷い怪我なんだ。俺一人が、じゃないもん。
…だからちゃんとボスの怪我も診てあげてね? 先生は名医なんだもん、余裕でしょ!】
先生トイレー、という場違いなほど明るい声に思わず口の端が吊り上がる。
…やってくれたなアイツ。
『先生はトイレじゃありません』
【漏らしたら俺は先生の顔を見る度にトイレを思い出すんですからね、わかってます?】
『それは困りましたね。ですが、残念ながら定時を過ぎたので帰ります。
…君の要望は弐条会の者に頼みますから、安静にするように。今日はベッドから降りるのはトイレ以外許しません。わかりましたね?』
小さな子どもに言い聞かせるように、しかしどこか優しく言い切るとスマホからは子どもの嘆きが僅かにしていたが構わず切った。
清々しいくらい綺麗に切りやがったな…。
『先程言った通り、定時なので帰ります。あの子の容態の急変以外では呼び出さないで下さい』
『はぁ?! いやテメェ、ボスになんか盛ったんじゃ…?』
『医者がそんなことするわけないでしょう。馬鹿なんですかね』
あ゛ぁ!?
テメェが言い出したことだろうが!!
だが身を乗り出す俺を押し退けて辰見は病院に戻るべく歩き出す。そんな奴を止めようとしたところ、何かを投げられ慌てて掴む。
宋平がいる部屋のルームキー…?
『こちらに構っている余裕などあるのですか。宋平が待っていますよ、割とピンチで』
トイレに行きたいと咽び泣く様子が容易に想像できて思わず足を止める。まるでそれを予測していたように辰見は部屋を出た。
『…認めませんよ。貴様らにあの子は、相応しくない』
吐き捨てるようにそう言葉を残してエレベーターに乗り込んだ辰見。心底腹が立つが今はやるべきことの為にスマホを手に取る。
俺も少し動き回り過ぎたな…。
『刃斬サン。お呼びですか、なんかスゲー仏頂面した専門医とすれ違いましたけど…』
『ああ、そのことだが…悪いが宋平んとこ行って面倒見てくれ。ベッドに縛り付けられて身動き取れんらしい』
『それなら先程、猿石が宋平くんの泣き声がする気がするって走って行きましたよ。丁度部屋の近く通ってまして…』
それ絶対ぇ扉ぶっ壊してんじゃねぇか。
思わず目頭を押さえる俺を見て笑う犬飼。笑い事ではないので即座に脛を蹴れば悲鳴を上げて床に沈む。
『テメェの部屋にでも置いてやれ。どうせもう使い物にならねェだろ』
『構いませんが…、
いえ。やはり宋平はこの部屋に置かせていただきます』
キッパリと断れば寝る姿勢に入っていたボスが目を見開いてこちらを見る。珍しい表情だが、こればかりは譲ることが出来ない。
『俺の部屋まで壊されては困ります。ボスの部屋で暴れるようなことはしないでしょう』
『巫山戯るな。俺は…』
『それに良い護衛にもなるでしょう。後一日は宋平はアジトで過ごすのです。我々にとっても今日明日は派手に動けません。
まぁ、後は宋平の答え次第としましょう』
半ば強引に話を進めて、取り敢えず部屋の状況を部下たちから聞き出す。ボスも何か言いたげだったが傷の影響もありこれ以上は無駄だと諦めたようで大人しくベッドに横になった。
丁度良い。別れが早まったなら、一刻も早く更に情を湧かせれば良いんだ。
身内は一人でも多い方が良いってのが俺の方針だ。
【…刃斬さん、あの…やっぱダメっス。完全に扉がぶっ壊されてます…】
あの猿は今すぐ身内から外したい、心から。
『はぁ…。宋平に話通しとけ。受け入れるならクソ猿に運ばせて、拒否なら新たな部屋の確保だ』
御意、と通話が切られるとまた別の人間に指示を出して念の為に部屋を確保するよう伝える。今からの用意だと時間は掛かるが宋平が拒否する可能性も高い。
…散々イジられた後だからなぁ。
だが、意外なことに宋平はあっさりと提案を受け入れて猿石におぶられながら再びやって来る。どうして自分の部屋ではないのかと文句を連ねるバカをぶん殴って黙らせると仮眠室に新たに用意したベッドに宋平を横にする。
『…あの。さっきも飛び付いたりしてなんですが、刃斬の兄貴の方が重傷だと思うんですが…』
『宋平よ。これが慣れってモンだ。気にすんな、俺も少し休む。お前はボスのこと頼んだぞ。お前自身も、しっかり寝て食って、治せ』
素直に頷く宋平にしっかり布団を被せてやれば眠くなったのか瞼を重そうにする。布団が変わっても寝れそうでこちらも安心した。
少しの間、身体を摩ってやっているとすぐに寝息が聞こえてきてあまりの無防備さに若干心配にもなる。
…上位アルファが二人もいて普通に眠れるとか、ある意味才能だな。
『寝たか』
本当に寝たか顔の前で手を振ってみるがムニャムニャ言いながら枕に顔を擦り付けている。
マジで寝たわ。
『ではボス、自分は向こうのソファで少し仮眠を取るので何かあればすぐにお呼び下さい』
俺が休む間にあの猿、死ぬほど働かせてくれる。
『…とっとと失せろ』
終始壁の方を向いてこちらには背を見せるボスの姿にやれやれと思いつつ、扉を閉める。上着を脱いで少し血の滲む包帯に気が付くとすぐに自分で新しいものに変えるべくソファに座った。
『うっわ、グロ! キモいもん見せんなよ』
『刃斬サン。はいこれ消毒液』
『…なんでいる?』
俺の座ったソファの背もたれに寄り掛かる猿石に、消毒液だけ与えて自分は全く手を貸す気のない犬飼。揃いも揃って何をと叫ぼうとしたところで、止める。
『なぁーなぁー。ボスはソーヘーが好きなんだろ? てことは、宋平はずっと此処にいんのか?』
『あれ。意外だな、君が宋平くんを囲うとばかり。我儘で傍若無人らしく…ね?』
全く無視できる内容でもなかったので口を挟まずにいた。犬飼の疑問は俺の疑問でもある。
『あ? ソーヘーは好きだ。でもそーゆー好きは向けねぇ。俺はそーゆー好きの感情、ねぇから。
昔言われた。そーゆー感情を誰にも向けねぇ身体なんだよ。血が、もう次に受け継がれるのを拒絶してる。だから無理。
ソーヘーとはずっと近くにいたい。ただそれだけ。ボスと番うなら二人一緒だし守りやすくて良い』
ああ。と思わず納得できる内容だった。実家の内情を知るからこそ、すぐにそんな異質さも受け入れられる。それをすんなり受け入れる本人はどうかと思うが。
…いや待て。これは逆に面倒なんじゃねぇか?
『なぁ! そんで、いつ番うんだ? 今??』
『はいセクハラー。レッドカード一発退場お疲れ様でーす。死ね』
容赦ない犬飼の言葉の暴力が降り注ぐが、本人は悪びれた様子もなく不思議そうに首を傾げる。
『馬鹿たれ。…宋平は堅気に戻んだよ。それに、アイツはベータだ。オメガ以外の伴侶を弐条会の世話役どもが許すわけねぇだろ。
最悪の場合、相手は殺されてボスも…傀儡として堕ちる。面倒な老害も多いんだよ』
そもそも宋平がボスに惚れてるかも確定ではない。恋愛経験なんてほぼないだろうし、揶揄われてると本人が叫ぶくらいだ。
話を聞いて暴れるだろうと思っていた猿石は、へー。と気の抜ける返事をした。
『…お前、聞いてたか?』
『あ? 聞いてんだろ。よくわかんねーから、俺はボスに殺せって言われた奴始末する。後はメンドクセーからお前らなんとかしてー』
丸投げじゃねぇかよ。
だが、確かに今は…あの二人がどう進展するかは気になるところだ。やはり傷は浅い内に引き離すべきか、それとも…なるようになるのか。
『で? 犬飼、番って言えばボスが探してるオメガの方はどうなってる』
『何人か絞れましたよ。近々お話に伺う予定です』
本当にボスを救ったオメガがいるなら、こっちの方が手っ取り早いかもしれない。弐条会の花嫁ともなると相手にもそれなりのモンが備わっていなければ。
あの会合に出るほどの出自のオメガなら言うことはないだろう。
『早めに結果を出せ』
『御意』
その二週間後、
無事にボスを救ったというオメガが見つかった。
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