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勇者の証
魔王と勇者の幸せの始まり
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あれから拘束を外された天界族は翼をのびのびと伸ばして、四枚の翼をより近くで見せてくれた。でもすぐにデンデニアによってアガーネスへと飛ばされて行く彼の姿は、まるでいつかの自分を見ているようでなんだか面白い。
仕方ないか。だってここは敵地のど真ん中、どうやったって天界族には分が悪いだろう。
父さんが風魔法で少し荒れた部屋を元通りにしてくれると、その間にランツァーが洋服箪笥から新しい服を出してくれてどれが良いかと聞いてきた。
『これが良いな。わ、懐かしー…まだ入るかな?』
『少し背が伸びたからな。問題ない、同じ種類のが向こう数年分はあるんだから』
兄のようなランツァーはいつだって面倒見が良くて優しい。服に傷みがないか確認してからそれに似合う靴下や靴も出す為、一番下の引き出しをしゃがんで確認するランツァーの背中に寄り掛かる。
ファッションについては一番オシャレなランツァーに付いててもらわないと!
『でぇもよぉ~。一番大事な衣装がここにはねぇよなぁー?』
『ひょっ?! ちょ、デンデニアー…変な声出しながら現れるなよ』
『全くだ気持ち悪い』
オレをサンドイッチの具のように挟みつつランツァーの肩に肘を置くデンデニア。さりげなくランツァーがオレを助けようとするが続くデンデニアの言葉に動きを止めた。
『あるだろ? 一番大事な衣装がよぉ』
『…ああ。なるほどお前の言いたいことはわかったが…、確かに必要だな。
よし。すぐに話を回しておこう。関係者各所にも連絡しておけ』
え。なに、全然わかんないんだが!?
なになに、とデンデニアとランツァーを見比べるがランツァーは既に独り言を漏らしながら部屋を出て行ってしまった。
すげぇモヤモヤする!!
『はぁい、じゃあ置いてかれたお前はお着替えお着替え』
『デンデニアってばオレもう子どもじゃな、…わぷっ』
手際良く服を脱がされて部屋着に着替えさせられる。自分の指が三本くらいしか入らない靴下をゲラゲラ笑いながら履かせてくれるデンデニア。何もかもが小さくて面白いらしい。
まぁ、キングオーク最大級の肉体を持つ巨大なデンデニアにはオレなんて何年経とうが小さな小さな子どもみたいなものだ。
『おーい我らが魔王様よー。着替えさしたぞ。そろそろ腹減らしてるから飯にしよぉぜぇ』
タイミングよくキュルキュルと切なく鳴き始めたお腹を押さえると笑い上戸がまたスイッチを入れた。
デンデニアの片腕に抱かれたオレは笑うデンデニアのせいで小刻みに揺れて大変居心地が悪いがどうせ文句を言ったところで無駄だろう。
サネと父さんを交えて何か話していたらしいランはすぐにこちらを向くと着替えたオレを見てパッと表情を明るくする。すぐに近付いて来たランにデンデニアがあっさりとオレを渡すとランは物凄く幸せそうな顔をして服を撫でる。
『…ナラが好きだった赤い服だ。俺様が似合うって言ったら喜んで大きいサイズもこのデザインにしたな』
赤い色をベースに少しオーバーサイズで同じく赤いショートパンツのそれはランの瞳と同じで当時から凄く気に入っていた。胸元には金色のオークの紋章が小さく刻まれ、金の刺繍が所々にある。服の素材も気持ち良くてお気に入りの服。靴は履きやすいシューズでシンプルな黒に服と同じ金色を差し色にした飾りがあってオシャレだ。
『今も凄く似合ってる。ナラは何を着ても可愛い』
『か、かわっ…?! ランまでオレを子ども扱いするのかよ…! んな可愛いなんて、もう言われる歳でもないってば…』
魔族なんて十歳を超えたら見た目と年齢が合致しないのが普通だ。むしろ見た目通り子どもなままゆっくり成長するオレが珍しいくらいだし、進化をしたらもう一人前だ。
『なんでだ? 俺様のナラは凄く可愛い。子どもの頃だって可愛かったが、今は更に可愛くって仕方ない』
こ、の…恥ずかし気もなくよくもそんなっ、そんなことを…!
『これからは何度でもナラにその言葉を言える。もっともっと言い足りなくて後悔してたんだ。
だから言われ慣れるぐらいにしてくれ。毎日伝える自信があるからな』
毎日?!
無理だ耐えられない、と言おうと口を開いたのにオレは今にも泣きそうなのに必死で笑顔を取り繕おうとするランの顔に何も言えなくなった。
その後悔がどれほど深くて…オレが死んでいた数年間の間にどんな苦しみをランが抱いていたか、理解するなんて出来やしない。
ランでも…、泣いたりしたんだろうか?
『泣いてたねぇ…。お前の墓の前で声も漏らさず男泣きだったなぁ』
えっ?!
『ナラを失うなんて二度と考えられないからね…、まぁその点に関しては同感だよ』
父さんまで?!
そっとオレを抱きしめるランは、デンデニアや父さんの言葉を否定せず静かにその場で沈黙を貫く。何度もランの名前を呼び、背中を摩っていれば小さな声を耳が拾う。
『…だから許してくれ。今はお前が可愛くて仕方ないんだ…』
『わ、わかった! わかったからもう泣かないでくれよ…。ナラはちゃんとここにいるからさ…!』
よしよしとランを慰めていたのに、突然視界が拓けて扉から部屋を出るところだ。
え?! なに何ナニ!!
いつの間にかランに肩車をされて部屋を出て、廊下を進む。階下ではオークたちが平伏して道を譲りランを先頭にキングオークたちが優雅に歩く。
『聞いたかお前ら。俺様は今日からナラに可愛いを言いたい放題だ。羨ましいだろう?』
『いや別に。お前は言い方が変態っぽいから怒られてただけだし』
『父親が息子を可愛いと言うのは世界共通の認識であり義務ですらある。よってボクちゃんはナラに可愛いと言っても良い』
デンデニアと父さんに否定されても上機嫌なランはまるで気にしていないようで鼻歌まで歌い始めた。そんな男の頭を掴みながらポカンとしていたオレは静かに怒りのボルテージを上げる。
だ、騙された!!
『ラン!!』
『おい聞いたか、怒ってる声ですら可愛いぞ。俺様のナラは何をしても本当に可愛い』
コイツめ…! しおらしい態度で同情させたな、なんて卑怯! しかもここぞとばかりに権限を行使するじゃないか!
『ははっ! …許してくれ、ナラ。俺様だって少しくらい我儘がしたい。お前に関する我儘ならいくらでもあるんだ。
頼む。許してくれ』
怒る権利なんて最初からない。それを一番先に始めたのはオレだし、結局オレもランには弱いのだと痛感した。さっきはこちらの我儘を聞いてくれたんだから順番だと思えば妥当だ。
抜け目のない魔王様だことで。
『…夕飯のデザート、ランのくれたら許してあげる』
『ほら可愛い!! 可愛いナラっ…ちょっといじけた顔をしながらデザートのことを思い出してるのか口元が緩んでるところが最高に可愛いな!』
てめ、この野郎…!!
ガシガシと黄色い頭を揺らしてやれば相変わらず満足そうに笑ってまるでダメージになっていない。でも、その笑顔は晴れやかであり心からランが楽しんでいることがわかって内心ではホッとしている。
…良かった、泣いてなくて。
だが、しかし…!
『それはそれっ、これはこれだ! 全くランはすぐにそうやって!』
『ナ、ナラ…! 心配しないでもボクちゃんの分あげるからね!』
ありがとう父さん、でも遠慮する! だって父さんまで顔に可愛い! って書いてあるし父さん甘党だし!
『…多分その譲渡会要らねぇと思うぞ?』
ポツリと告げたデンデニアの予言は、見事に現実のものとなる。
訪れた晩餐会の会場にはこれでもかというくらいの料理が所狭しと置かれ、もはや人に渡すどころか全員で掛かっても終わらないレベルの量となりオレたちを圧倒するのだった。
数年ぶりにキングオークが集結した食事は誰一人欠けることなく、終始笑い声が絶えない幸せな時間となる。
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仕方ないか。だってここは敵地のど真ん中、どうやったって天界族には分が悪いだろう。
父さんが風魔法で少し荒れた部屋を元通りにしてくれると、その間にランツァーが洋服箪笥から新しい服を出してくれてどれが良いかと聞いてきた。
『これが良いな。わ、懐かしー…まだ入るかな?』
『少し背が伸びたからな。問題ない、同じ種類のが向こう数年分はあるんだから』
兄のようなランツァーはいつだって面倒見が良くて優しい。服に傷みがないか確認してからそれに似合う靴下や靴も出す為、一番下の引き出しをしゃがんで確認するランツァーの背中に寄り掛かる。
ファッションについては一番オシャレなランツァーに付いててもらわないと!
『でぇもよぉ~。一番大事な衣装がここにはねぇよなぁー?』
『ひょっ?! ちょ、デンデニアー…変な声出しながら現れるなよ』
『全くだ気持ち悪い』
オレをサンドイッチの具のように挟みつつランツァーの肩に肘を置くデンデニア。さりげなくランツァーがオレを助けようとするが続くデンデニアの言葉に動きを止めた。
『あるだろ? 一番大事な衣装がよぉ』
『…ああ。なるほどお前の言いたいことはわかったが…、確かに必要だな。
よし。すぐに話を回しておこう。関係者各所にも連絡しておけ』
え。なに、全然わかんないんだが!?
なになに、とデンデニアとランツァーを見比べるがランツァーは既に独り言を漏らしながら部屋を出て行ってしまった。
すげぇモヤモヤする!!
『はぁい、じゃあ置いてかれたお前はお着替えお着替え』
『デンデニアってばオレもう子どもじゃな、…わぷっ』
手際良く服を脱がされて部屋着に着替えさせられる。自分の指が三本くらいしか入らない靴下をゲラゲラ笑いながら履かせてくれるデンデニア。何もかもが小さくて面白いらしい。
まぁ、キングオーク最大級の肉体を持つ巨大なデンデニアにはオレなんて何年経とうが小さな小さな子どもみたいなものだ。
『おーい我らが魔王様よー。着替えさしたぞ。そろそろ腹減らしてるから飯にしよぉぜぇ』
タイミングよくキュルキュルと切なく鳴き始めたお腹を押さえると笑い上戸がまたスイッチを入れた。
デンデニアの片腕に抱かれたオレは笑うデンデニアのせいで小刻みに揺れて大変居心地が悪いがどうせ文句を言ったところで無駄だろう。
サネと父さんを交えて何か話していたらしいランはすぐにこちらを向くと着替えたオレを見てパッと表情を明るくする。すぐに近付いて来たランにデンデニアがあっさりとオレを渡すとランは物凄く幸せそうな顔をして服を撫でる。
『…ナラが好きだった赤い服だ。俺様が似合うって言ったら喜んで大きいサイズもこのデザインにしたな』
赤い色をベースに少しオーバーサイズで同じく赤いショートパンツのそれはランの瞳と同じで当時から凄く気に入っていた。胸元には金色のオークの紋章が小さく刻まれ、金の刺繍が所々にある。服の素材も気持ち良くてお気に入りの服。靴は履きやすいシューズでシンプルな黒に服と同じ金色を差し色にした飾りがあってオシャレだ。
『今も凄く似合ってる。ナラは何を着ても可愛い』
『か、かわっ…?! ランまでオレを子ども扱いするのかよ…! んな可愛いなんて、もう言われる歳でもないってば…』
魔族なんて十歳を超えたら見た目と年齢が合致しないのが普通だ。むしろ見た目通り子どもなままゆっくり成長するオレが珍しいくらいだし、進化をしたらもう一人前だ。
『なんでだ? 俺様のナラは凄く可愛い。子どもの頃だって可愛かったが、今は更に可愛くって仕方ない』
こ、の…恥ずかし気もなくよくもそんなっ、そんなことを…!
『これからは何度でもナラにその言葉を言える。もっともっと言い足りなくて後悔してたんだ。
だから言われ慣れるぐらいにしてくれ。毎日伝える自信があるからな』
毎日?!
無理だ耐えられない、と言おうと口を開いたのにオレは今にも泣きそうなのに必死で笑顔を取り繕おうとするランの顔に何も言えなくなった。
その後悔がどれほど深くて…オレが死んでいた数年間の間にどんな苦しみをランが抱いていたか、理解するなんて出来やしない。
ランでも…、泣いたりしたんだろうか?
『泣いてたねぇ…。お前の墓の前で声も漏らさず男泣きだったなぁ』
えっ?!
『ナラを失うなんて二度と考えられないからね…、まぁその点に関しては同感だよ』
父さんまで?!
そっとオレを抱きしめるランは、デンデニアや父さんの言葉を否定せず静かにその場で沈黙を貫く。何度もランの名前を呼び、背中を摩っていれば小さな声を耳が拾う。
『…だから許してくれ。今はお前が可愛くて仕方ないんだ…』
『わ、わかった! わかったからもう泣かないでくれよ…。ナラはちゃんとここにいるからさ…!』
よしよしとランを慰めていたのに、突然視界が拓けて扉から部屋を出るところだ。
え?! なに何ナニ!!
いつの間にかランに肩車をされて部屋を出て、廊下を進む。階下ではオークたちが平伏して道を譲りランを先頭にキングオークたちが優雅に歩く。
『聞いたかお前ら。俺様は今日からナラに可愛いを言いたい放題だ。羨ましいだろう?』
『いや別に。お前は言い方が変態っぽいから怒られてただけだし』
『父親が息子を可愛いと言うのは世界共通の認識であり義務ですらある。よってボクちゃんはナラに可愛いと言っても良い』
デンデニアと父さんに否定されても上機嫌なランはまるで気にしていないようで鼻歌まで歌い始めた。そんな男の頭を掴みながらポカンとしていたオレは静かに怒りのボルテージを上げる。
だ、騙された!!
『ラン!!』
『おい聞いたか、怒ってる声ですら可愛いぞ。俺様のナラは何をしても本当に可愛い』
コイツめ…! しおらしい態度で同情させたな、なんて卑怯! しかもここぞとばかりに権限を行使するじゃないか!
『ははっ! …許してくれ、ナラ。俺様だって少しくらい我儘がしたい。お前に関する我儘ならいくらでもあるんだ。
頼む。許してくれ』
怒る権利なんて最初からない。それを一番先に始めたのはオレだし、結局オレもランには弱いのだと痛感した。さっきはこちらの我儘を聞いてくれたんだから順番だと思えば妥当だ。
抜け目のない魔王様だことで。
『…夕飯のデザート、ランのくれたら許してあげる』
『ほら可愛い!! 可愛いナラっ…ちょっといじけた顔をしながらデザートのことを思い出してるのか口元が緩んでるところが最高に可愛いな!』
てめ、この野郎…!!
ガシガシと黄色い頭を揺らしてやれば相変わらず満足そうに笑ってまるでダメージになっていない。でも、その笑顔は晴れやかであり心からランが楽しんでいることがわかって内心ではホッとしている。
…良かった、泣いてなくて。
だが、しかし…!
『それはそれっ、これはこれだ! 全くランはすぐにそうやって!』
『ナ、ナラ…! 心配しないでもボクちゃんの分あげるからね!』
ありがとう父さん、でも遠慮する! だって父さんまで顔に可愛い! って書いてあるし父さん甘党だし!
『…多分その譲渡会要らねぇと思うぞ?』
ポツリと告げたデンデニアの予言は、見事に現実のものとなる。
訪れた晩餐会の会場にはこれでもかというくらいの料理が所狭しと置かれ、もはや人に渡すどころか全員で掛かっても終わらないレベルの量となりオレたちを圧倒するのだった。
数年ぶりにキングオークが集結した食事は誰一人欠けることなく、終始笑い声が絶えない幸せな時間となる。
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