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第十一王子と、その守護者

お金がありません!

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 ない、ない、ないないない、足りないッ!!


 これじゃあ全然、足りない!!


『オ、オレの口座にはいくら入ってますか?!』


『タタラ様の個人口座ですか? 少々お待ちくださいね~』


 朝っぱらからギルドの報酬窓口横にある、口座案内所へと並ぶ。ここでは預けられたお金の額だけが確認できる。お金を預けたり引き出したり出来るのは別の施設だ。


『はい。こちらがタタラ様の現在の額ですよ。珍しいですね、お金にあまり関心がないタタラ様が口座額を知りたがるだなんて』


『ちょ、ちょっとね……。

 あぁ……マジか。何も知らない頃だったら夢みたいな額だけど全然足りない! どうもありがとう!』


『はいはーい。今日も行ってらっしゃいませ~』


 お金が……足りません……。


 こんなことになったのは、今から更に遡ること一時間ほど前のこと。いつものようにギルドへ行くために支度を整えて、少し早めに城を出ようと城内を歩いていた時。辺りはちらほらと仕事を始める人間が現れ始めた頃だった。そんな時、我らがメイド長がバタバタと普段の姿からは考えられない様子で走り、とある一室に入って行った……きちんと閉められていない扉。少し中を覗けばそこには彼女と執事長、そして第一王子居住区のメイド長がいた。


 ちなみに、メイド長とは各エリアごとに配置されメイド長の更に上にはメイド長統括がいるらしい。


 挨拶をしてから出掛けようと扉の取手に手をかけた瞬間、響いた我らがメイド長の声に思わずその手を止めてしまった。


『そんなっ……折角の結婚式だというのに、結婚衣装も用意出来ないと言うのですか?! おまけに式の規模を縮小して、料理の数や催し物の数まで減らしてしまうだなんて……あんまりですよ!』


 ……え?


 結婚式……、結婚式といえば予定されているものは一つだけのはず……まさか、王子の?


『仕方のないことなのです。バビリアダンジョン崩壊の影響は民にも出ています。そのような国の状態で盛大な結婚式など……王も苦渋の決断だったかと』


『王国式典は予定通り盛大に行われるというのに、何故ハルジオン殿下の結婚式だけがそのように冷遇されるのですか!!』


 衝突する二人のメイド長の話で、原因となる結婚式はハルジオン王子とクロポルド団長殿のものだという確信を得た。


 震える右手を取手から離し、息を殺すようにして話に耳を傾ける。


『王国式典は民にも必要不可欠なもの……そして、これは外の国々に対し決して弱みなど見せてはならないための、虚栄……。無理をしてでも王国式典は行わなければならないのです、国外の誰もが興味を持たない十一番目の王子の結婚は……二の次にすべき、と』


『っそんな……』


『王国式典の三日後に行われる結婚式です。その頃には、もう誰もバーリカリーナを注視しません。

 何も結婚式を取り止めると言っているわけではないのですよ。……予算の都合で、結婚衣装は今までの正装から上等なものを。お料理や催し物も、城から出せる必要最低限まで……国が大変な時なのです。どうか、ご配慮下さい』


 それを最後に、もう誰も何も言わなくなった。残されたメイド長と執事長が沈痛な面持ちで話し合いを始めたのを見て、オレも鞄を背負い直して走り出す。


 そして、メイドたちが控えるメイド控室に特別に通してもらい長年城に仕える熟年メイドさんの元へと駆け込んだ。いつもオレを自分の子どものように扱ってくれる彼女たちは温かくオレを迎えてくれた。


『教えて下さい、お願いっ……オレが来たってことはどうか誰にも言わないで?』


『はい、タタラ様。いつも我らを助けてくれる可愛い守護者様。どうぞなんでもお聞きくださいな』


 白髪を蓄え、腰が曲がっても城に仕えてくれる頼れるメイドさんたち。皺々だけど凄く温かい手。いつも働いてばかりで荒れてしまった手だけど、その手に撫でてもらえるのが大好きだった。


『結婚衣装、今から作るってなったらいくら掛かるのか教えてほしいんです……材料とか、装飾品とかはどういうのがいりますか? 持ち込んだら少しは早く出来るのでしょうか?』


 たくさんのメイドさんたちに囲まれ、彼女たちはその言葉を聞いただけで全てを察したようですぐに口に手を当てる。驚きの声を上げる者、怒りの声を上げる者……しかしそれを止めたのは、いつの間にか零れていたオレの涙だった。


『オレっ、オレ結婚式とかよくわからないけど……結婚衣装って大切なんでしょう? 楽しみにしてる殿下にとって、一生に一度の大切なっ……大切にしなきゃいけないものなんだって……』


 なんだってどいつもこいつも、あの人の幸せを邪魔するんだ畜生ーッ!!


 結婚衣装とは即ち、花嫁衣装に花婿衣装!! 今回は男性同士だが、解釈的にはつまり……王子のウエディングドレスがないってことだー!!


『オレがいなくなっても、王子はきっと団長殿に護ってもらえる……けどっ、オレの姉貴分が言ってました!!

 結婚衣装は、結婚を迎える者の大切な戦闘服なのよって……オレが、オレがいなくなっても……衣装が王子を護ってくれるわけじゃないけどっ



 結婚式のっ……結婚式の王子のを誰よりも堅く護れるのは、きっと結婚衣装だけなんですっ!!』


 別に王子が必要と言ったわけじゃない。だけどわかる、わかるよ。結婚衣装で綺麗に着飾った自分を見てもらって、好きな人に綺麗だねって……言ってほしいに決まってる。


 あの浮かれた王子が、それを望まないはずがないんだ!!


 最近どうにも涙腺が脆くなっている節がある。必死に止めようと躍起になるも次から次に出てくる涙を、メイドたちが止めようとわざわざ新しくて良い匂いのするタオルを濡らしたのを押し当ててくれる。


 その顔は、どれも覚悟を決めたような凛々しいものばかりでオレはどうしたのかと辺りを見渡す。


『天使を泣かせるなんて……全くお城も落ちたものね、腹が立つわ』


『タタラくんっ!! 結婚式の頃にはいなくなっちゃうのに、それでも殿下をお護りしたいなんてっ……可愛いっ、可愛い~!!』


『結婚衣装をなくすなんて、あんまりよ! どうせ代わりに正装で良いとか言ったんでしょ! そういう話じゃないのよ、そこには予算使えっつーの!』


『そしてそれを聞いて私たちのところに来てくれるなんて、なんて嬉しいのかしらぁ』


 キャイキャイと賑わうメイド控室。それを止めた熟年のメイドさんは、いつものニッコリした顔ではなく珍しく翡翠の瞳を覗かせてオレの頭を撫でてくれる。そのタダならぬ様子に、涙が止まってしまう。


『本当に……行ってしまうので? あなたのような方に、ハルジオン殿下のお側にいてほしいと……心からあの方に寄り添えるあなたにこそ、我々はいてほしい。本当に、行くのですか?』


『……ぐすんっ、うん……オレならきっと、いつか誰かの一番になれるって王子が言ってました……。だから、その時のために……えーっと、


 お、男を磨いて……来ます?』


 ブッ、と誰かが吹き出す声が聞こえた。責めるように隣のメイドが犯人を小突くも、その者すら下を向いたまま震えているものだからもはや同罪。


 ジーっと無表情で彼女らを見つめるオレに、頭上のメイドさんも柔らかに……しかしどこか悲しげに視線を落としながらもオレを抱きしめた。


『そうですね……。私たちの前でポロポロと可愛い黒い瞳から涙を流してしまうんですもの。強い男の子にならなくてはね』


『うっ……、頑張ります』


 おかしいな、あまり泣かない強い男の子のはずだったんだオレは。最近になって魔法の腕は上がったのに内面がすっかり弱くなってしまったんだ。


『結婚衣装は……職人でなければ作れません。我々も長い月日さえあればご用意出来たかもしれませんが、結婚式に間に合わせるには時間が足りません。

 職人であればなんとか間に合う時期でしょう。そのために職人を結婚衣装だけを制作するために雇うのです。我々も衣装以外の裁縫を手の空いたメイドたちで制作を進めましょう。

 職人を雇うためには、恐らく……』
 

 そして掲示された値段に、オレは目ん玉が飛び出た。周りのメイドたちも思わず悲鳴を上げて震え上がるほどの額。流石……王族の結婚衣装、恐るべき価値がある。


 それでもオレは、集めると啖呵を切った。


『ありがとう、教えてくれて……みんなも力を貸してくれて本当にありがとうございます!!』


『お気を付けて……。このことは他言無用、決して口外致しません。さぁ、早くいってらっしゃい。厳しい目標ですが、少しでも近付ければ……』


『はい!! いってきます!!』


 そして出発した。そして口座に入っていた額、全財産の金色大貨幣三枚という文字に絶望した。


 因みに、目標額は金額は……金色大貨幣七十枚。わかりやすくそれぞれの貨幣の価値を纏めるならこうだろう。


 金色大貨幣 十万円
 金色貨幣 一万円
 銀色大貨幣 五千円
 銀色貨幣 千円
 鈍色大貨幣 五百円
 鈍色貨幣 百円
 屑魔石 端数

 
 屑魔石は纏めて換金してもらえば多少はお金になるものだ。小銭みたいなもの。


 そして、この金色大貨幣が七十枚というのは単純に計算すればつまり……。


『ななひゃくまんえんっ……!! アホーっ!!』


 あと六十七枚も金色大貨幣を集めるなんて、もう二回くらい国を救わなければ貰えないくらいの額ではないだろうか? 日本とは物価なども違うので同じように考えてはいけない、むしろオレの口座に金色大貨幣が三枚も入ってたのが驚きだろう。多少引いてこれなんだから、本当によく稼いだものだ。


『一攫千金……ここ掘れワンワン……トクガワ埋蔵金んん』


 相変わらず騒がしいクエストボードを見つめながら高額なものを探すが、とても一気に七百万円も出してくれるようなものなどない。


 一番高くて金色貨幣三枚が今日一番の高額なクエストである。


 ……ピーンチ。


『集め終わる頃には何ヶ月経ってることか。ダメだ、現実的じゃなさすぎる。どうしたら良い?』


 ギルドの二階にて、イスに座ってテーブルに突っ伏す。そしてお金を稼ぐために必死になって色んなことを考えた。今日はリューシーがいないようで頼りの相棒がいない。それに更に気を落とせば、ツンツンと誰かに控えめに肩を突っつかれる。


 気怠く思いながらも顔を上げれば、そこにはいつか見た少年がいた。


『えと……こんにちはっス』


『……あ!! こ、こんにちは』


 そこにいたのは、いつかリューシーと共にいた腰巾着くんだった。確か王子の堪忍袋の緒を最後の最後にぶっ千切った……。


『第一王子守護魔導師の、ペッツ・タミミリーターっス。先日は大変お世話になって……命の恩人さんっス、感謝しかなくて』


 成人しているはずだが、どこか弱々しく物腰の低い人。全体的に丸く切り揃えられた灰色の髪はサラサラで瞳は温かなオレンジ色。服もちゃんと第一王子の守護者の制服だし、間違いない。


『いえ……こちらこそ、怖い思いをさせてしまって申し訳ないです。あ、良ければどうぞ?』


 空いている向かい側の席に彼を案内すれば、彼もペコペコ謝罪しながらそこに座る。姿勢を正して座り直せばピンと背筋を伸ばして緊張しながら視線を彷徨わせる彼がいた。


『もしかして、ギルドにはあまり来たことがないのですか?』


『は、はい……実は殆ど。恥ずかしながら自分はあまり魔法を上手く操作出来なくて。でも、パイセン……タクトクト先輩が最近楽しそうにギルドに向かうから、珍しいなぁって。

 だから自分も……色々挑戦したいと思って来たんスけど、ちょっとぉ心細くて。知ってる背中を見つけて嬉しくて烏滸がましくも声を掛けたって言うかぁ』


 本当に恥ずかしそうに、グルグルと目を回しながら語る彼は失礼だが大変面白かった。それならリューシーと共に来れば良かったのに、気恥ずかしくて黙って来たのだろう。


『大丈夫ですよ。オレもまだ新人のままですけど、ギルドには結構慣れて来ました。みんな親切ですし……あまり話したりするのが苦手なら、クエストだけ持って早々に出発しちゃうのもアリです!

 オレも最初の頃は張り切ってばかりで、二階なんて気にも留めてませんでしたし』


 入って、スローボードからクエストを取り、からの受付に行って出発……帰って報酬窓口からまたスローボードへの繰り返し。


 我ながらなんてストイック……。


『ふふーっ、仕方ないですね。ギルド員として先輩たるオレが後輩と一緒に初クエストに行ってあげましょう!』


『ほ、本当っスか?! ややややっ、たぁーっ!! どこまでもついて行くっス大先輩!!』


 浮かれて喜ぶ後輩を微笑ましく思いながらも、内心は穏やかではない。


 ……お金、どうしよう。



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