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第十一王子と、その守護者

日輪を背負った男

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 夢を見た。


 起きた時、部屋を見渡してそこが王宮ではないことに気が付いて酷く気落ちする。窓を完全に閉め切られた部屋は暗いがそろそろ日が昇る時間。すぐ側の椅子に畳まれた自分の服に袖を通して、やっと一息つく。体も魔力も問題ない。


『くっそー……なんだってあんな夢なんかっ』


 夢には王子とオレが、仲良く何事か話し合っては笑っていた。会話の内容など全く覚えていないがこれが願望から来る夢だというなら、なんてお手軽な願いだろうか。


 しかし、考えてみれば最近王子と二人で過ごした時間などあっただろうか?


『……いや? 確かにないな、ないぞ?』


 リベラベンジに魔人に他の守護魔導師たちとの出会いなど、最近忙しかったし何よりノルエフリンが守護騎士として一緒になるようになってからは二人だけ、というのはなかった気がする。


 以前は嫌でも一人しかいなかったのに、不思議なものだ。


『会いたい……』


 ん?


 ベッドに座りながら小首を傾げる。もう一度自分が言った言葉を振り返り、それがどういうことなのか理解して頬に手を当てた。


『な、ななな何を言ってんだオレは!? 一日しか会ってないくらいで何寂しがってんだ!!』


 再度ベッドにて悶絶する。随分と絆されたものだ、最初のころなんか逃げる気満々だったのに。今ではたった一日離れただけでこの様である。


 だけど……今日、帰れるのは素直に嬉しい。会えるのは……凄く嬉しい。


『寂しい、か……。オレ、寂しかったのか』 

 
 そうだ。ウサギは寂しくても死なないらしいが、人は寂しいと死ぬのだ。


 受け入れてみれば随分と体が軽くなった気がする。自然と視界も開けて明るい。魔力が活性化しているのがわかる。たまには心の内と対話するのも悪くないものだ、開き直ったとも言うが。


『失礼します。タタラ様、お目覚めですか?』


『はーい。起きてまーす』


 扉が開かれ、光りと共にトワイシー殿が入って来た。朝早いのに既に制服をキチンと着て身嗜みも完璧なのだから文句の付けようもない。ベッドから立ち上がり再び挨拶を交わすと、トワイシー殿はオレを上から下まで見下ろして意表を突かれたように目を丸くしていた。


『たった一夜で、ここまで心身共に回復されるとは。顔持ちも立派になられて』


 そんなに変わったのだろうか?


 特に何もと言いたいところだが、昨夜は大変貴重な体験をした。あの時間がなければオレは未だにどこか心に重いものを背負ったままだったに違いない。


『そうであれば、それはトワイシー殿たちが与えてくれたものの賜物でしょう。皆さんの優しさと思いやりで元気になれたのです……ありがとうございました、本当に』


 特にトワイシー殿は騎士団での仕事もあるのにオレなんかの面倒まで見てくれるなんて、本当に良い人過ぎる。


 その後もトワイシー殿は城での始業まで時間があるからと一緒に朝食を摂り、魔法談議にも花が咲いてたくさん話をした。気付けば神殿の門が開くまで後僅か。なんと王子がわざわざ迎えに来てくれるそうで、オレは中庭にてトワイシー殿と約束の時間を待っていた。


『え! 昨日、ハルジオン殿下たちが来てたんですか!?』


『ええ。日輪の騎士も共に。一悶着ありましてね、その時に言い逃れが出来ず殿下に私の記憶を開示したのです。

 ……申し訳ありません。見ないことにするとお約束したにも関わらず』


 トワイシー殿の記憶を見たということは、あの場にいなかった王子にまで……まんまあの姿を見られたということだろう。これには項垂れる他ない。格好悪い姿を見られてしまってショボくれるオレにトワイシー殿は何度も謝ってくれた。


 良いんだ……あれをしでかしたオレがそもそもの原因だもの。誰も悪くない、オレ以外は。


『クロポルド団長まで? 日の輪騎士団団長と月の宴騎士団団長の対決なんて、豪華ですね。……神殿が崩れたりしなくて本当に良かった』


『おやおや。あんな若造にはまだ負けるつもりはありませんよ。公式の場で決闘などしたことはありませんが、敗北する気はないので』


 ニコニコと素敵な笑顔でそう言ったトワイシー殿の言葉に引っ掛かるものがある。


 ……わか、ぞう?


『あの……失礼を承知でお聞きしますが、トワイシー殿って何歳なんですか?』


『ふふっ、私にとってこの瞬間は至福の時なんです。準備はいいですか?

 トワイシー・ペンタ・ロロクロウム、今年で五十六歳になります。因みに日の輪の坊やは確か三十六歳ですよ』


 そりゃー……若造、だわ……。


『人類の神秘か……』


『おや。世界でも一二を争えるほどの神秘的な存在であるタタラ様にそう言っていただけるのは大変光栄です』


 二十代で通用するよ、むしろそれ以上だなんて誰も思わないよ……。


 艶々のお肌に痛みなんて微塵もないサラサラの銀髪、ふっくらした唇にキリッとした佇まい。まさかと思ってトワイシー殿の手を拝借すれば、古い傷跡や剣や盾を持ったせいで皮膚は硬いが全体的に白く若々しい。


 魔力によって魔導師は老化すらも後退させるのか、末恐ろしや……。


『詐欺です、これは正真正銘の詐欺です!!』


 だって貴方それはもうオレのお父さんくらいの年齢ってことじゃないですか!!


『何を仰いますか。私でコレなのですから、タタラ様はもっと凄いですよ。私がヨボヨボのお爺さんになっても貴方はまだその姿に近いままでしょう。余程無茶な魔法を使い続けなければね』


『やだ! トワイシー殿がそんな弱気なこと言うのは困ります、アストロイヤ様みたいに元気でいてください!』


 爺とお呼び下さい、なんて言っていた昨夜のお爺ちゃんはなんとここの神殿長だった。知ってからはちゃんと名前でお呼びしてるのに、何故かお爺ちゃんと呼ぶ方が喜ぶのだ。全く意味がわからない。


 木のベンチに座っていたところを、彼の膝にしがみ付いて必死に説得を試みる。変わらず優しい笑い声を上げながらオレの背中を撫でる彼は……やはり年齢を重ねているだけあって年下の世話に慣れてるらしい。そんな彼であればなんとなく、大丈夫だと思って気が緩む。


『……私には、昔……結婚を約束していた方がいました』


 背中を撫でる手が、頭に移る。


『とても強い方でした。同じ騎士として、尊敬して止まないほどに。魔法の腕も立つ方で向かうところ敵なしと皆に言われるほどです。

 タタラ様と同じくらい魔法にも恵まれた方で、私は彼が誇りだった』


『……トワイシー殿』


 騎士団に、そんな凄い人がいることは……聞いたことがない。なんとなくその人がもう、いないことを察して彼の膝に突っ伏したままになる。


『魔人との戦闘で、亡くなったのです。当時の日の輪騎士団の団長で……生き残った彼が引き継いで団長になりました。魔人相手でも負けるとは思いませんでした、それほど強かったので。

 ……思うのです、貴方を見るたびに。生きていれば、丁度このくらいの子どもを授かっていたかもしれない。貴方は本当に察しが良くて我慢強い……彼にそっくりだ』


 そっと膝から離れ、俯く彼の胸に収まった。すぐにすっぽりと体を包まれて近くに鼓動を感じる。悲しみに溢れた声。


 そうだ、この世界じゃ男同士だって……。


『……勝手な妄想を押し付けてしまい、申し訳ありません。ですが……貴方までもが魔人に関わったと聞き、内心は穏やかではなかった。

 貴方と関われば関わるほど、想いは溢れて必要以上に構ってしまいます。貴方は彼と違い……ちゃんと生き残って帰れたのに、違うと……わかっているのですが』


 強く回された腕が、失いたくないと物語る。オレも……記憶の整わないまま転生してここに至るのだ。別れもなく前世で出会った人々と離れてここにいる……生き別れたようなもの。


 折角時間によって気持ちを整理していたのに、思い出させてしまって……申し訳ない。


『オレは、絶対に負けませんよ』


 好きな人と結ばれたのに、愛し合っていたのに。


『二度目はないと宣言しました。次に会う時には必ず一矢報いると決めたのです』


 もぞもぞと彼の腕の中から抜け出すと、彼の膝から降りて立ち上がる。名残惜しそうに伸ばされた彼の手を取り、しっかり両手で握り締めてから額に向かって背伸びしてキスをした。


 へっへっへ。この世界での額へのキスというのは主にで行われるものなのだ。……まぁ恋人同士でもやる人はやるけども。


『オレは第十一王子ハルジオン殿下に忠誠を誓う唯一無二の糸魔法を扱う守護魔導師。

 トワイシー・ペンタ・ロロクロウム騎士。二度と貴方に失う悲しみを与えないと誓います。オレは、魔人に負けない男になります』


 晴れやかにそう言ってから、彼の手を離して背を向け走り出す。振り返ればベンチから立ち上がる彼に、手を振って別れを告げた。


 そして……。


『えいや!』


『……オイ』


 鳴り響く鐘の音。


 開かれた門から優然と現れた彼に飛び付いた。あんなに醜態を見られたことで落ち込み、恥じていたにも関わらず姿を見れば何も考えずに体が動く。王子の胸でケタケタと笑って反応を楽しんでいれば、暫くしてようやく彼の手が頭に乗る。


 それだけで、空だって飛べそうなくらい浮かれてしまうのだ。


『……お前は単純なくせに、抱えたものを隠すのが上手いらしい』


『失礼ですよ! いつだって頭の中はフル回転してますとも。あ。本も読めたんです、文系です!』


 バカなことを言うなと言われ、手を引かれて神殿に背を向ける。


『守護者が世話になった。礼を言う』


『トワイシー殿ー!! 神殿長アストロイヤ様と、信徒の皆さんにも宜しく伝えてくださーい!』


 しっかりと握られた手を目にしては、踊る胸を鎮めて緩む頬を叱咤しつつ……まだ小さい背中を見てまた頬がだらしなくなる。


 負けないとも。この人の背中をこんなに近くで見れる今を、守るためにも……オレは戦うんだ。





『……どうか、あの子に大いなる加護がありますように』




 階段の下に控えていた人物を見て、思わず足を止めてしまう。同じように足を止めた殿下が目を向けて、彼に声を掛けた。周りの人が遠巻きに見つめる中でピンと背を伸ばして辺りを警戒していた彼がこちらを向く。


 その目が、合った時……本当に安心したように微笑みながら歩み出す。


 しかし、


『待て待て待て!? ステイぃっ!!』


『タタラ様ーっ!!』


 猪か、お前は!!


 心の赴くまま、全力全身でこちらに突っ込んでくる姿を見ては堪らず叫んでしまう。それでも止まらず突進してくる様にもう覚悟を決めるしかないのかと膝に力を入れた時。


『バカか貴様。病み上がりの子どもに何をするのだ、愚か者』


『あーっ……タタラ様ぁ……』


 横から王子に抱えられ、見事にノルエフリンからの猛攻を避けた。ちゃんと止まった彼に改めてオレが渡されると、プレゼントを貰った子どものように嬉しそうに破顔する。


 クソぉ……イケメンめ……。


『よし。タタラも帰ったことだ。一時城に戻ることにする』


 ノルエフリンに抱えられながら、引っ掛かる言葉を聞いた気がして首を傾げる。そんなオレに気付いた王子が腕を組んで言う。


『午前中はしっかり休め。……神殿の連中から、お前への息抜きが足りないと猛抗議を受けた。

 体に問題がないようなら、午後からは出掛けるぞ。身体に障らぬよう近場だがな』


『……お出掛け?』


 なんと!


『殿下も、一緒に?』


『当たり前だろう。僕もノルエフリンもいないのに、お前が楽しめるはずがない』


 三人で、お出掛け。


 考えたこともなかった……二人で王子に伴われるのは、用事がある時。守護が必要な時。


『だから、体をしっかり休めるようにな』


『はい!!』





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