上 下
183 / 191
幸せの等分

※※結婚式 カグヤ後編

しおりを挟む
 気付けばもう我々の記念すべき結婚式の日付は過ぎ、薄っすらと澄んだ光が雪原を照らし窓の向こうはキラキラと宝石のように一面輝いていた。

 ベッドに縫い付けた愛しい人は、まだ辛うじて意識はあるものの余りにもその姿は美しくてこのまま絵に描いて飾りたい程に。

 投げ出された白く細い手足に光が差し、その黒髪には天使の輪が出来て息をすることすら忘れてしまう。そしてその体の至る所に白い精液が飛び散り…一晩中その体を貪ったというのに、この光景を見るだけで何度でも滾ってしまう。

『ぁ…っ、やだ…!』

 しかしこれ以上は、と愛しい体に別れを告げるべく引き抜いているともう力も入らないタタラが切なげな声を上げてきゅう、とナカを締める。

『タタラ…、無理をしてはいけません。今のあなたにこれ以上は…赤ん坊であれば、来るべき日に必ず二人で…』

『ちがう…、だって…』

 覆い被さる私に抱き着いたタタラは、悩ましげな声を上げながらも首に両腕の伸ばしてピッタリとくっ付いた。

『だってカグヤっ、まだ満足してないだろ? オレに気遣って…んっ! もっと激しくしてくれて良いしっ。そんなに…優しい目でばっかり…少しは、お前の欲望をぶつけてくれて大丈夫だから…、ね?』

 そのままキスをしてくれた伴侶に、私はハッとしてしまう。

 赤ん坊が欲しいから頑張って付き合っているのだと勝手に勘違いして…その腹を私で満たすことだけを考えていた。

 二人でドロドロに溶け合うような甘いセックスに溺れたいと願うタタラ。いつもはそんな雰囲気は少しも晒さない人が、セックスの時は本当にすぐ蕩けてしまうのにしっかり相手を見ている。

『赤ちゃんも欲しいけど…、今は二人が一緒になって初めての夜だもん。…す、好きにして…いいから、まだ夜は明けてないだろ?』

 日輪の光を受けながら笑うタタラに、私はもう…白旗を上げる他ない。

『…敵いません。あなたは、本当に…私を喜びで満たしてどうするおつもりで?

 お言葉に甘えて。本当はまだ足りないんです。あなたの声も快楽も、何もかもっ…!!』

 どちゅっ…!

『ふぁああっ?!』

 引き抜いていたそれを再びアナルにぶち込むと、小さな体がビクンと大きく揺れる。浅く突いていたもどかしい時間など嘘のように、深く深くナカの最奥まで犯す。

 時間を掛ける優しいものではなく、欲望のまま…二人だけで浸る行為は…心なしか彼も喜んでいるようで腰が揺れてもっともっと、と甘えている。律儀に自身の足を抱えて真っ赤になりながらも必死に足を広げる姿は健気で…はしたない。

『さぁ、誓いのキスを。あなたはキスハメが一番好きですもんね?』

『んっ! しゅ、きっ…だいしゅき!!』

 あむあむと私の下唇を刺激し、少し離してから間もなく互いの唇が重なって卑猥な音を漏らしながら舌を入れればビクビクと彼の可愛いおチンポが固くなっていたので右手で包んで優しく刺激してあげれば更に腰を振りたくって快楽を探る。

 まだまだ、たどたどしい舌の動きが愛おしくて仕方ない。

『っ、もぉ出ないよおっ!! ちんちん、もうミルク出ないぃ!!』

『では。こちらでイって下さい』

 張り出したカリでタタラのナカでも一番弱い場所を刺激してやれば、ピンと胸を差し出しビクビクッと体が震えた。蕩けきった顔で激しく胸を上下させるタタラの耳元に口を寄せて、囁く。

『ほら。イけたでしょう? 偉いですね、私の可愛いタタラ?』

 でも、まだ。

『次は私の番です。付き合って…くれますね?』

 絶望に濡れた瞳を舐めようと舌を伸ばせば怯えて閉じてしまった瞼と流れ落ちた涙を舐めた。そして激しく主張してくれた胸元へと移動すると、そっと目を開けたタタラが慌てて止めようと口を開くも遅かった。ぷっくりとした乳首を含んで味わうように舐め、もう片方も指と指で擦り合わせる。

『ひゃぁあんっ!! イヤ、やっ…んあ、アアアっ!! おっぱいっ、そんな激しくっ』

 イヤイヤと泣きながら快楽に溺れるタタラに胸が高鳴る。更に反応する怒張を押し込めば、ぴゅっぴゅと可愛いおチンチンから僅かな精液がぐちゃぐちゃになったベッドを汚す。

『あああッ、あんっ、だめ、だめぇっー!! ふぁ、あっ…んむっ!』

 キスをして舌を絡めながら互いに手を重ねて足を支えるのを代わると、タタラの手は再び私の首にきて更に深いキスをした。

 ぱんぱんぱんッ、ぬぷぷっずぷぅッ!!!

 激しく交わり、互いのモノがぶつかり合う卑猥な音が響くと私も我慢できず肉棒を震わせて大量の精液を彼のナカにぶつけた。

『ぁあぁああアッ!! あっ、あっあっふ、アアアン!!』

『っタタラ…! もう少し、緩めて下さっ…!』

『れきなぃっ! らめぇっ、らめらめェーっ!! イく、イっちゃうー!!』

 互いにイくと、暫くそのまま二人で息を整えるも未だタタラのナカで刺激し続けるそれに彼はまた甘い声を出してしまうのでまたズボズボと犯すと時間も忘れて私たちはセックスを続けたのでした。

 気絶するように眠ってしまったタタラの体を清め、ずっと抱きしめながら過ごしていれば…彼が目覚めたのは魔の差し。呆然と山に沈んでいく日輪を見届けた彼は…今日の茜色の空にも負けないくらいの顔で怒って私を責めるのでした。

『まぁた怒った顔も可愛いー、とか巫山戯たこと考えてるだろ?!』

『なんてことでしょう!! 結婚をすると意思疎通まで可能となるなど!!』

『なるか! わかるわ、それくらいぃ!!』

 ぷりぷり怒るタタラを抱きしめると、明日には一時戻るのにと悲しげに俯くタタラ。二日で帰るようハルジオン殿下から厳命された理由は…まぁ、私が暴走して子作りをさせないようにする為ですね。

 よくわかってらっしゃる。

『明日はゆっくりと二人で過ごしましょう。…伴侶となった今、時間などいくらでもあります。だから今日はもう少し休んで明日に備えましょう』

『…うん。あの、カグヤ…えっと、な。昨日の夜も、恥ずかしかったけど…すごくっ気持ち良かったから。だからその…我慢しないで、たまにはあんな風に抱いてほしい…。前にも言っただろ?

 全部全部口にして、我儘もちゃんと聞かせてほしいから…』

 二人で寄り添うながら今日も静かに降り積もる雪を見つめる。

 闇のエルフと異世界の少年。手にした最高の伴侶を抱き上げた私は、喜びを隠し切れずに再度、走り出した。

 寂しさが降り積もった半生も、

 これから徐々に溶かされるなら…悪くない。

『そうですね!! たくさん抱いて、未来に備えなければ!!』

『っ…調子に乗るな、絶倫エルフーっ!!』



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】側妃は愛されるのをやめました

なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」  私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。  なのに……彼は。 「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」  私のため。  そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。    このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?  否。  そのような恥を晒す気は無い。 「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」  側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。  今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。 「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」  これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。  華々しく、私の人生を謳歌しよう。  全ては、廃妃となるために。    ◇◇◇  設定はゆるめです。  読んでくださると嬉しいです!

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

 逃がしませんっ! 〜身体から始まる奇妙な関係〜

一 千之助
BL
☆注意!   幼児愛好の特殊性癖です。  両刀のペドフィリアが主人公の調教モノです。真っ当な性癖の方には不愉快な描写が多々ございます。  上記をお覚悟の上でお読み下さい。 〜あらすじ〜  幼児愛好嗜好のペドフィリアである里中睦月(さとなか むつき)は、己の性癖が暴走するのを恐れ、人里離れた山奥の一軒家で暮らしていた。  しかし、ひょんな事から姉の忘れ形見である、賢(まさる)五歳と、聡子(さとこ)三歳を引き取る事となり、大パニック。  致し方なく、なるべく二人と顔を合わさず穏便に暮らそうとする睦月だが、そんな努力も虚しく、彼は暴走し、賢に手をつけてしまった。  行為に幼い身体が耐えきれず、寝込んでしまった賢。後悔に沼る睦月は、警察に通報される覚悟で、賢を病院に連れて行こうとするが、賢はそれを拒絶。 「こわれてもいいっ! おじさんとくらしたいっ!!」  啖呵を切る賢に睦月は落とされ、奇妙な三人の生活が始まった。  濃い目の調教モノです。愛がありすぎて、斜め上半捻りします。

ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)

三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。 各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。 第?章は前知識不要。 基本的にエロエロ。 本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。 一旦中断!詳細は近況を!

西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~

雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。 元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。 ※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。

義兄に告白されて、承諾したらトロ甘な生活が待ってました。

アタナシア
恋愛
母の再婚をきっかけにできたイケメンで完璧な義兄、海斗。ひょんなことから、そんな海斗に告白をされる真名。 捨てられた子犬みたいな目で告白されたら断れないじゃん・・・!! 承諾してしまった真名に 「ーいいの・・・?ー ほんとに?ありがとう真名。大事にするね、ずっと・・・♡」熱い眼差を向けられて、そのままーーーー・・・♡。

セーラー服と石油王

夏芽玉
BL
男性向けコスプレ風俗で「男の娘S攻めキャラ」として働くオレのところに案内された新規の客は『石油王』だった。オレはてっきり『石油王ごっこを楽しみたいコスプレ客』だと思って、いたのだけど、実はその『石油王』は本物の『石油王』で…… セーラー服くん(鬼畜S)×石油王(天然M) 【石油王がやってきた!】【石油王は抱かれたい!】の2部構成。 第11回BL小説大賞に参加します。よろしくお願いします!

久遠、淫靡

BL
モデルでドマゾな「叶(かなめ)」が恋人でドサドの「慎弥(しんや)」と久しぶりに再会し、容赦のない濃密なSMプレイで濃厚な夜を過ごす話。徹底的に受けが責められる内容です。 コミッションにて執筆させていただいた作品の再掲で、キャラクターの人物像・設定等はご依頼主様に帰属します。ありがとうございました! pixiv/ムーンライトノベルズにも同作品を投稿しています。 なにかありましたら(web拍手)  http://bit.ly/38kXFb0 Twitter垢・拍手返信はこちらから行っています  https://twitter.com/show1write

処理中です...