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明けに火を灯す人

※※パクっと一口

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『さぁ。目を開いて?』

 微睡の中から引き上げられるように目を開けば、そこに広がる光景に暫し呆然とする。

『私には特に好きなものはありません』

 そこはまるで、夢のような空間だった。

『ですが。一番好きなものがあります』

 適当な服を着ていたはずが、身に纏っていたのは持っていた中で一番着やすくて好きな服だ。襟元や袖に刺繍された雲を模した赤い模様が好きで、少しダボっとした大きさも全体の黒も好きで休日の部屋着として着ていた服だけど…部屋に置いて来たもの。

 しかも、多少太ももまでいくその半袖一枚しか着ていないではないか。

『いいえ。唯一の…と言って良い』

 部屋に漂うのは花の匂い。ふと見渡せばベッドの至る所に丘に咲いていた花…中でも赤いものばかりが散りばめられている。

『貴方です。タタラ…愛しさが止まない人』

 そして何より。ベッドにあるのは花だけではない。オレを囲むように配置された服の数々に鞄や帽子。好きな絵本まで。

 そこはまるで、オレの好きなもので固められた巣のようだった。

『ノル…? これどうして…あれ? さっきまで、こんな…ん?』

『困惑した顔も可愛らしいっ! すみませんっ貴方が寝ている間に用意したものです。私には好きなものなどタタラ様しかないので、貴方ので固めてみました。どうでしょう?』

 手を伸ばす度に自分の好きなものに触れる。ノルエフリンと自分の匂いに包まれてくらくらしつつ、目の前に微笑むノルエフリンに両手を伸ばす。

『お前っ、本ん当に…オレのこと好き過ぎ!』

『はい! 大好きなので!!』

 ベッドに座るオレの胸に飛び込むノルエフリン。ふと香る匂いに胸にしがみ付く頭を軽く叩く。

『寝てる間に風呂にも入れたな?! お、同じ匂いがするぞ…!』

『あ。バレてしまいましたか? すみません…少し確認したいことがあって脱がせたら、丁度良いかなと一緒に…』

 へんたーいっ!!

 服を伸ばして悪びれた様子のない婚約者を睨むが、全く堪えていない上にまたオレの表情があーだこーだと騒ぎ始める。

 ここまでされて彼が何を望んでいるかなど、わからないはずがない。場を整えつつ許しをただ待つノルエフリンに、言うべき言葉は決まっている。

『…ノルには優しく、なんて言う必要ないか。

 で、でもっ…あんまり激しくしちゃ、やだ。すぐにへばっちゃうからさ…』

 
 まぁ、あれだ。

 ノルエフリンとのセックスに臨むのに激しくするなという方が無理な話だった。

 ベッドに上がったノルエフリンは、たった一枚しかないオレのシャツを脱がせるともう何度も見たであろう裸体に頬を染めながら触り、舐め、弄る。

『流石に今日は本番までは行けないでしょうから、先ずは…』

『やっ。オレは平気…、ね? わざわざ全部脱がせて計測したんだろ? ノルに気持ち良くなってほしい…!』

 そのデカブツが受け入れられるか見て、大丈夫だろうと判断したから事に及んでいるはず。その場の空気に充てられたオレはすっかり機嫌良く受け入れようとする。

『そ、れにっ…』

 だって彼が待っていたように…、オレだって自分の成長を心待ちにしていた。

『わざわざっい、言わせんなっ! …早く。早く、欲しいからキて…』

 下腹部を撫でれば理性の崩壊など容易い。すっかり発情したノルエフリンはベッドにオレを押し倒して真っ先にそこに薬を塗り込む。

 受け入れ易くするために塗り込む軟膏と、指の動きに最初はビクビクしていたがすぐに快感が拾われるようになり喘ぎ声を上げてしまう。晒された乳首に舌が這い、そこが弱いオレは更なる声を上げる。

『んっ…だめっ、だめ…あっ、ああ…! やぁん、乳首噛んじゃイヤぁ!』

 ちゅくちゅく、ちゅぱっ…。

『舌がっ、大きくて、ざりざりぃ…! こんなのダメっ、だめなの!』

『タタラ様っ…なんて卑猥な乳首なんでしょう。たくさん育ててあげなくては!』

『もう大きく、しちゃぁダメなのぉ! ひゃぁあんっ!!』

 どいつもこいつもっ! なんでそう…、おっぱいが好きかね?!

 平たくて申し訳程度にある乳首。成長したってそこは大して変わっていないのだが、この変態には違いがわかるようで乳首を弄られる度に反応するオレを愛おしげに見つめている。

 ノルエフリンも着崩していたシャツを脱ぐと、そこにはオレなんかよりよっぽど卑猥な体があって知らずと体を震わせてしまう。

 っ…エッロ!! 

 デカいし、なんか…詰まってるって感じ!

『ノルっ、ノル! ギュッてしてくれ!』

『タ、タタラ様が甘えてっ…! いくらでも!!』

 鎧を着込み、隙を見せないノルエフリンの裸体をまじまじと見て胸のときめきが止まない。柔らかさは無さそうだが大きくも引き締まった体が包み込んでくれるのは最高に気持ち良い。小さな体の時よりも抱き甲斐があるのか、いつもよりしっかりした抱擁に反応する下半身。

『はぅっ』

 そこに気付いたノルエフリンがすぐに身を屈めて咥えると、大きな口に全てが収まってしまい…あまりの刺激にわけがわからなくなってしまう。

 こ、れはヤバいっ!!

『ぁあんっ!!』

 熱くて気持ち良い口内により、呆気なく果てたオレにノルエフリンはまたもや大興奮のまま下半身を弄る。だけどそこにオレが手を伸ばすと触れただけでズル剥けの赤黒い凶器が完全に勃起してしまった。

『っタタラ様が寝ている間に、かなりヌいたのですが…。お恥ずかしい限りです』

 …え?

 そ、そんなにオナって…この元気なの?

 ちゅぶ。ちゅぷぅ…!!

『あっ!! やっ、キスしてる! タタラのおマンコにキスしちゃってる…!』

 入り口を犯すおチンポに、顔に手を当てながら恥ずかしさを露わにする。そうしている間にも焦らすようにチュッチュとおチンポが挨拶をし、両手でオレの脇を掴むとバックの形にされる。

『あまりエッチに誘ってはいけませんよ? 一突きにされたらトびますよ。ゆっくり、丁寧に解して進まなければ』

 勃起したおチンポは、多分…王国でも一、二位を争うのではないかと疑うほど。風呂屋でこの世界のおチンポの平均を見てみたが、こんなに立派なのは見たことがない。

 しかもそれが今から、自分に挿れられる。

『ちゅうしたい…ノルぅ』

 流石に不安になってキスを求めれば、ノルエフリンはすぐに後ろからでもキスをしてくれる。舌が絡まり、腰が揺れるその瞬間。緊張が一瞬だけ解けて、もっと…とノルエフリンの舌を追った時。

 ずぶっ…!!

『へっ…? あ、あっ、あぁああーっ!?!』

 トロトロになったおマンコに容赦なく食い込むおチンポは、遠慮なく侵入すると今まで以上の圧迫感に呼吸すら忘れてしまう。ナカを埋め尽くすそれにビクビクと震えていると、両手が乳首に回って気を逸らそうと悪戯を開始した。

 くりくり、くり…くちゅ。

『あっ、あっ!! あぁあ、いやぁん!!』

 おっぱいを包むように揉まれ、かと思えば次は更におマンコの奥へと進む熱い男根。あまりの大きさにへたる腰を、ノルエフリンが鷲掴んでグリ、とまた奥にキた。

『イくっ! あ、んんっ、ふぁ…ぁっ!』

『イって下さい。まだまだ、離したくありません。いくらでも射精するところを見せて下さいね?』

『ダメっ、ふかっ、い…! もうっ』

 無理、と言おうとしたところで覆いかぶさる体が再び動いて顎を掴まれると深いキスが。

『んっ、ふぅ、あっ…ぁあっ?!』

 ビクビクと体が跳ねて、彼と比べるとまるで子どもみたいなチンチンから精液が放たれてベッドを汚す。だけどすぐにまたおマンコに刺激が与えられると、声を上げながらまたチンチンが固くなる。

『まだ序盤です。もっともっと、貴方を愛したいっ…!』

 あ、愛が…重いぃ…!!


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