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運命の糸を宿した君へ

※求婚 リューシー 後編

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 まぁ。

 男の性欲ってのは強いもんだし、刺激を与えればどうにかなり始めることもある…仕方ない。

『…ふぁっ…ん、リュ、シー』

 …オレ性欲強くないし、これまだ乳首しか触られてないんだけどなぁ!!

 おっかしぃなぁ!!?

『あんっ! んあ、…こ、わいリューシー…こわいよぉっ』

 感じすぎて怖い!

 あの発言からすぐにリューシーはその場にオレを押し倒して丘の上にあるこの花畑で…大変いかがわしい行為をおっ始めている。

『っ…いきなり、そのようなことを言って我をどうしたいのだ、全く! 最後に良い思いでもさせてくれると?』

『ちがぅ、のっ…! だって、だってリューシーがぁ、あっ!』

 薄いキャミソールの上からリューシーが乳首をパクリと咥える。唾液に濡れた、透けた衣服からいやらしく彼を誘う乳首にリューシーは更にそれに歯を当てて刺激した。甲高い悲鳴を上げながらリューシーの頭を抱きしめ、思わず足が内股になる。

 やだ…怖い、恥ずかしいのにっ…!

『こんな風に我に染まったような服を着て、淫らに喘いで…犯されても文句など受け付けられない…そんな、可愛くっ…名を呼ばれては!』

 グッと右足を折り曲げて窮屈に形を浮き上がらせるショートパンツの上からそっと指でなぞられる。ゾワリと体が震えて情けない声を出さないように口に手を当てるのに、それを許さないとばかりに肩の紐をずらされてツンと存在を主張する乳首に更に強い刺激が与えられる。

『ひぅっ、ぅう』

『声を聞かせてほしい。今、貴殿に触れている人間の名を呼んで…でないと』

 でないと…?

『嫌がられていると勘違いしてしまう。もしも、勘違いでなければ我は泣かせてしまった罪を償う為にも…離れなくては。遠く、貴殿を思い出さない場所に』

『…! やっ、やぁ! 行かないで、リューシー! だって…っだってこれからも一緒にギルドに行ったり、またお散歩だって!』

『風魔導師はたくさんいる。それこそ、父君に頼めば素晴らしい外出にしてくれるのである。だから、我がいる必要などない…ギルドも一人で入り浸ることもあったのでは?』

 違う、

 だって…こんな風に優しい色をした若草色の髪をした人はいない。そんなに何度も真っ直ぐオレを見つめてくる金の瞳だって、力強く抱きしめる…惚れ惚れするような筋肉がのった腕に…魔法を唱える低く耳に馴染む声だって。

『~っ、リューシーがいいっ!!』

 怒りをぶつけられ、和解し…互いを理解して背中を預け合った大切な人。

 ずっと…友人だと思ってたのに。君はそれが嫌で、恋愛の感情を持つと言う。オレは違うと思っていたのに、友人に…こんな風に触られて…嫌じゃないと思うのはそういうことなんだろうか?

 友愛と、快楽を与えてくれた人。

『オレがって言うまで、オレを見ててくれなきゃ嫌だ! ちゃんと側で…何処にも行かないで真っ直ぐ見て!!

 …っ、わがまま…で、ごめんな、さいっ』

 だけど、一番最初は彼だと決めている。

 だからもし…もしも、その後でも…気が、変わらないのであれば。そんなことを言う我儘なオレの願いを聞いてくれるなら。

『…本当、に?』

 泣きながら頷くとリューシーは、寝ていたオレの体を起こしてから花畑に腰を下ろして組んだ足の上にオレを座らせると…殆ど脱げかけのキャミソールに申し訳程度に肩だけを覆うパーカー。つまり上半身裸のオレを抱きしめた。

『嘘でなければ、証拠を見せてほしいのであるが…』

『う、嘘じゃない。…何すれば良いの?』

『…下を、脱いでほしい』

 衝撃的な発言に思わず固まり、正気なのかとリューシーを見上げる。

『我が好きな気持ちが少しでもあるのなら、貴殿も…感じているはず。だから、見せて?』

 ピチピチなズボンのボタンを外し…震える手でそれを膝まで下ろす。リューシーの膝の上でもぞもぞと動き、最後に黒のパンツに手をかけて…そこを暴く。

『は、…なんてことか』

 あまりの恥ずかしさにリューシーの首になんとか手を回して顔を隠すようグッと近づき、しがみつく。

『…可愛いな』

『っ…だって! だって、リューシーが! リューシーが…いつもと違って…その、…あぁん!!』

 性器は勿論勃っていた。今にも泣きそうなオレに追い打ちをかけるような言葉を投げかけられると、もうどうしようもない。

 どうせ小さくて可愛いサイズだよ!!

 そんな可愛い息子をむにむにと触られては堪らない。あんあん喘ぐオレにリューシーは辛抱ならないとばかりに息子を触りながらオレの乳首を口に含む。

『あっ、あっ! だめぇっ一緒にいじめちゃ、だめっだめなの!』

『っまたそんな風に煽って…悪い子だ』

 だけどリューシーはいつまで経ってもそれ以上のことはしてくれなくて、よしよしと情けなく泣くオレを膝に置いて抱きながら体を摩ってくる。

『…ハルジオン王子より先に手を出すわけにはいかない。すまない、我も我慢する故に治めてくれ』

『んっ。わかっ、た…リューシー…好きだよ、何処にも行かないで…お願い…』

 その瞬間、目の前が真っ暗になった。

 寝落ちしてしまったオレは暫くしてすぐに目覚めたが、目を覚ましてすぐに異常に気がつく。オレを幼い子どもみたいに抱っこしたリューシーが、オレを抱えたまま…自分の息子をシコっていたのだ。耳のすぐ横で荒い息遣いがして…中々イけないらしいリューシーに一押しくれてやろうと首を動かしてそっと囁く。

『…リューシーのイクところ、早く見せて…?』

『…!? ぁ、ぐっ…!』

『わ、ちょっ!』

 痛いくらいキツく抱きしめられてから、お尻に何か違和感を感じる。近くに脱ぎ捨てられたショートパンツに、肌に感じるジットリと濡れた感触。

 パンツ越しにリューシーの精液を浴びたオレは、そのまま腕の力を緩めてしまったリューシーにしがみつくも為す術なく落ちて…

 ぐりぃっ。

『ふぁんっ!?』

 未だ硬さを維持したまま勃っていたリューシーのそれに、パンツ越しだが…丁度お尻にヒット。驚きのままリューシーの首に両手をかけてそこから逃れるべくギュウギュウとしがみ付く。

『ばかぁっ! もうっ…お前本当にラッキースケベ過ぎなんだから!!』

『っ…、待て…あ、あまり刺激を与えないでくれないか…理性を抑えるので精一杯だ…!』

 散々な目に遭いながら近くに水場を見付けてリューシーがオレの下着を乾かしてくれている。パーカーでなんとか下を隠して花畑に座っているとパンツを握りしめたリューシーが戻って来た。

 …中々マヌケだな、おい。

『むっ。見ないでリューシー! エッチな奴め…回れ右だほれほれ!』

『今更照れているのであるか? もうしっかり見ているのだが…』

 お黙り!!

 いそいそとパンツを穿いてからショートパンツも着て、…熱いからパーカーは腰に括り付けておいた。もういいよ、と呼ぶのに背中を向けたリューシーは微動だにしない。

 …怒っちゃった…?

 手を伸ばして腕を掴もうとしたら、その腕を逆に掴まれてしまいリューシーは…片膝をつけてオレを見上げる。タイミングを見計らったように強い風が吹いて目を閉じると…次の瞬間にはリューシーがオレを掴んでいない方の手に少し大きな紫色の箱が。

『我との婚姻を認められ、その時が来たら…これをして我が元に来てほしい』

『これ、は…? わぁ…すご、キラキラしてるね』

 紫と若草色の輪が重なり合う装飾品。美しく光を放つそれは腕輪かと思ったが少しサイズが大きいような気もして首を傾げる。

『これは足飾りである。タクトクト家では代々伴侶に古来から魔除けとしての護りを込めた足飾りを贈る習わしがあるので…タタラに、是非これを』

 つ、つまりこれはっ…?!

『結婚してください。…こんな不器用な男を、好きだと言ってくれて…とても嬉しい。他に相手がいても構わないのである。ただ貴殿が我を好いて、我も貴殿を愛している…好きだ、好き…

 早くこれをして、我が前に現れてほしい』

 チュ、と手の甲にキスが落とされ…熱くて堪らない顔を晒してしまう。足飾り…つまりアンクレットか。それを貰ってゆっくりと頷くオレの姿にリューシーは思わずガッツポーズをしてから手を引いて呼び寄せ、オレのお腹に顔を埋めた。

『…押してダメなら、引く…か。ベルガアッシュ殿下には感謝しなくては』

 ……

 ………

 …………ちょ、っと…?

…か。記録したかった。惜しかったのである』

『…ぉ、おまっ!? ま、まさか!』

『とても幸せである…ああ、ようやく手に入る。我が愛しい伴侶よ』

 まだとは言ってはいないぞ!!

 ばかリューシーッ!!


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