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木の壁の章
次は何をしよう?
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――ピコーンッ
【村民満足度が上がりました。現在の村民満足度は5/10です】
めっちゃ上がったな!?
リディアと二人で久しぶりの肉を食べていたのだが。
満足度が上がったということはよほどお肉が食べたかったということかもしれん。
「うふふ、すごく美味しいです」
こうして一緒に住む人が幸せそうな顔を見るだけでも嬉しくなるな。
拠点には簡易的ではあるが天風がしのげる小屋がある。
火はあるし、肉もそこそこストックがある。
他にも敷地内にはミンゴの木が生えており、定期的に果物を採取出来るし、茶葉だって生えている。
衣食住の食、住はそれなりに満たされたということだ。
そろそろ次の段階に進んでもいいかもしれん。
だが服を作るのはまだ早いだろうな。
その前に住宅環境を整える方が先かもしれない。
食事を終えまったりしていると、今夜も異形の襲撃があった。
リディアは小屋の上に登り弓を構えるが。
「昨日より多いです! 四体です! 囲まれています!」
「分かった! リディアは矢を撃ちながら状況を報告してくれ!」
四方を囲まれているので壁を修復しつつ攻撃を続ける。
「ていっ!」
――ザクッ!
壁の穴から槍を突き立てる。
力が上がったせいか、槍はあっさりと異形の頭を貫いた。
『ウルオォォォイ……』
異形は一声叫び去っていく。
数は多かったが、昨日より早く撃退出来たな。
「やりましたね!」
とリディアは喜ぶが、異形の数が今まで以上に増えていったらどうなるのか?
このまま現状維持ってわけにはいかんだろう。
戦いを終え、俺はリディアに今後の方針について話すことにした。
「なぁ、ちょっと聞いて欲しいんだ」
「はい、何でしょうか?」
落ち着くためにも、まずはお茶を飲む。
「ふー、あのさ。このまま二人で拠点を守るのは限界だと思う。仲間を見つけよう」
「仲間って……。でもどうやって?」
「森さ。異形ってのは人を殺すんじゃなくて拐うんだろ? 理由は分からんが異形に襲われたらリディアのように自我を失う。ここまでは合ってるよな?」
「は、はい」
「そして自我を失ったリディアは生きていた。栄えていた王都が砂に変わるまでね。だったらそれは他の人にも言えるんじゃないか?」
「なるほど……。確かに生きている人がいるかもしれませんね!」
そう、次にするのは仲間探しだ。
一緒に身を守ってくれる大切な仲間をな。
「まぁ、そう簡単に見つかるとは思ってないよ。だから生活を充実させながら森に入ることを続けようと思う」
簡単に今後の予定を決める。
朝日が昇ったら森に向かう。
成果があろうと無かろうと、2時になったら森を出る。
拠点に戻ったら生活を整えるための時間だ。
これは何をするか後で決めるとしよう。
そして夜は恐らく異形の襲撃がある。
夜は戦いの時間だ。
しばらくはこのスケジュールで動くことになるだろう。
で、問題は森から戻ってきた時間に何をするかだ。
「リディアは何かしたいことはあるか?」
「んー、難しいですね。本当はお風呂に入りたいんですが……。さすがにそれは無理ですよね」
「え? 出来るんじゃない?」
「出来るんですか!?」
リディアはめっちゃ興奮してる!?
めっちゃ近いよ! 顔が近いって!
こんなにグイグイ来るとは思わなかったぞ。
「で、でもどうやってお風呂を?」
多分簡単に出来ると思うぞ。それなりに時間はかかると思うけど。
拠点の近くには川がある。歩いて五分程の距離だ。
川から拠点まで水路を作ればいい。
「水路って。でも王都にも水路がありましたが、工事には何百人も必要でした。私達だけで水路を作るなんて……」
「普通の土木工事だったら数年かかるかもね。でもさ、壁を加工して水路を作ればいいさ。こんな感じでね」
俺は壁を発動する。
そこまで大きくなくていい。
幅二十センチ程度の壁だ。
底面に横に壁を伸ばす。
凹型の水路はあっという間に出来上がる。
中は土で埋もれてるけど。
後はこれを川まで水路を伸ばせばいい。
風呂桶も同様に壁を利用して作る。
だが風呂については水が流れやすいようにある程度地面を掘っておく必要がある。
これだけが面倒だな。
「そ、それくらいならやります! 任せて下さい!」
「お、おう。それじゃお願いしようなか……」
「でもどうやってお湯を……。いえ、やっぱり分かりました」
「ははは、さすがはリディアだ」
何も言わなくても分かったか。
暖めた石をたまった風呂桶に入れればいい。
これまた時間はかかるだろうが、風呂くらいなら大した労力を使わなくても完成するはずだ。
「まぁ、一日二日で出来るわけじゃないから、気長になっててくれ」
「はい! 楽しみにしてます!」
――ピコーンッ
【村民満足度が上がりました。現在の村民満足度は7/10です】
また上がった。
ははは、リディアって意外とチョロいな。
彼女みたいな人が村民で良かったよ。
でもさ、彼女が村民ってことはもしかして俺が村長になるのかな?
「それじゃ明日から頑張ろうか」
「はい!」
明日に備え今夜は早めに休むことにした……のだが。
「なんでリディアは俺の小屋に?」
「え? やっぱり枕が無いと眠れなくて。ご迷惑ですか……?」
「えぇ……?」
今日も一緒に寝ることになった。
彼女は相変わらず俺の腕枕でグーグー寝てた。
やることのリストにリディアの枕を作ることを追加しておこうと思った。
【村民満足度が上がりました。現在の村民満足度は5/10です】
めっちゃ上がったな!?
リディアと二人で久しぶりの肉を食べていたのだが。
満足度が上がったということはよほどお肉が食べたかったということかもしれん。
「うふふ、すごく美味しいです」
こうして一緒に住む人が幸せそうな顔を見るだけでも嬉しくなるな。
拠点には簡易的ではあるが天風がしのげる小屋がある。
火はあるし、肉もそこそこストックがある。
他にも敷地内にはミンゴの木が生えており、定期的に果物を採取出来るし、茶葉だって生えている。
衣食住の食、住はそれなりに満たされたということだ。
そろそろ次の段階に進んでもいいかもしれん。
だが服を作るのはまだ早いだろうな。
その前に住宅環境を整える方が先かもしれない。
食事を終えまったりしていると、今夜も異形の襲撃があった。
リディアは小屋の上に登り弓を構えるが。
「昨日より多いです! 四体です! 囲まれています!」
「分かった! リディアは矢を撃ちながら状況を報告してくれ!」
四方を囲まれているので壁を修復しつつ攻撃を続ける。
「ていっ!」
――ザクッ!
壁の穴から槍を突き立てる。
力が上がったせいか、槍はあっさりと異形の頭を貫いた。
『ウルオォォォイ……』
異形は一声叫び去っていく。
数は多かったが、昨日より早く撃退出来たな。
「やりましたね!」
とリディアは喜ぶが、異形の数が今まで以上に増えていったらどうなるのか?
このまま現状維持ってわけにはいかんだろう。
戦いを終え、俺はリディアに今後の方針について話すことにした。
「なぁ、ちょっと聞いて欲しいんだ」
「はい、何でしょうか?」
落ち着くためにも、まずはお茶を飲む。
「ふー、あのさ。このまま二人で拠点を守るのは限界だと思う。仲間を見つけよう」
「仲間って……。でもどうやって?」
「森さ。異形ってのは人を殺すんじゃなくて拐うんだろ? 理由は分からんが異形に襲われたらリディアのように自我を失う。ここまでは合ってるよな?」
「は、はい」
「そして自我を失ったリディアは生きていた。栄えていた王都が砂に変わるまでね。だったらそれは他の人にも言えるんじゃないか?」
「なるほど……。確かに生きている人がいるかもしれませんね!」
そう、次にするのは仲間探しだ。
一緒に身を守ってくれる大切な仲間をな。
「まぁ、そう簡単に見つかるとは思ってないよ。だから生活を充実させながら森に入ることを続けようと思う」
簡単に今後の予定を決める。
朝日が昇ったら森に向かう。
成果があろうと無かろうと、2時になったら森を出る。
拠点に戻ったら生活を整えるための時間だ。
これは何をするか後で決めるとしよう。
そして夜は恐らく異形の襲撃がある。
夜は戦いの時間だ。
しばらくはこのスケジュールで動くことになるだろう。
で、問題は森から戻ってきた時間に何をするかだ。
「リディアは何かしたいことはあるか?」
「んー、難しいですね。本当はお風呂に入りたいんですが……。さすがにそれは無理ですよね」
「え? 出来るんじゃない?」
「出来るんですか!?」
リディアはめっちゃ興奮してる!?
めっちゃ近いよ! 顔が近いって!
こんなにグイグイ来るとは思わなかったぞ。
「で、でもどうやってお風呂を?」
多分簡単に出来ると思うぞ。それなりに時間はかかると思うけど。
拠点の近くには川がある。歩いて五分程の距離だ。
川から拠点まで水路を作ればいい。
「水路って。でも王都にも水路がありましたが、工事には何百人も必要でした。私達だけで水路を作るなんて……」
「普通の土木工事だったら数年かかるかもね。でもさ、壁を加工して水路を作ればいいさ。こんな感じでね」
俺は壁を発動する。
そこまで大きくなくていい。
幅二十センチ程度の壁だ。
底面に横に壁を伸ばす。
凹型の水路はあっという間に出来上がる。
中は土で埋もれてるけど。
後はこれを川まで水路を伸ばせばいい。
風呂桶も同様に壁を利用して作る。
だが風呂については水が流れやすいようにある程度地面を掘っておく必要がある。
これだけが面倒だな。
「そ、それくらいならやります! 任せて下さい!」
「お、おう。それじゃお願いしようなか……」
「でもどうやってお湯を……。いえ、やっぱり分かりました」
「ははは、さすがはリディアだ」
何も言わなくても分かったか。
暖めた石をたまった風呂桶に入れればいい。
これまた時間はかかるだろうが、風呂くらいなら大した労力を使わなくても完成するはずだ。
「まぁ、一日二日で出来るわけじゃないから、気長になっててくれ」
「はい! 楽しみにしてます!」
――ピコーンッ
【村民満足度が上がりました。現在の村民満足度は7/10です】
また上がった。
ははは、リディアって意外とチョロいな。
彼女みたいな人が村民で良かったよ。
でもさ、彼女が村民ってことはもしかして俺が村長になるのかな?
「それじゃ明日から頑張ろうか」
「はい!」
明日に備え今夜は早めに休むことにした……のだが。
「なんでリディアは俺の小屋に?」
「え? やっぱり枕が無いと眠れなくて。ご迷惑ですか……?」
「えぇ……?」
今日も一緒に寝ることになった。
彼女は相変わらず俺の腕枕でグーグー寝てた。
やることのリストにリディアの枕を作ることを追加しておこうと思った。
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