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キース王子の子供時代

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わたしには生まれた時から婚約者がいた。
公爵家の愛娘ルキアだ。
わたしの母、つまり王妃とルキアの母は大親友同士で仲が良かった為、ルキアを伴ってよく王城に遊びにきていた。

ルキアは真っ直ぐに伸びた漆黒の闇を思わせるような髪に、大海原のような深い青色のくりっとした人形のような目を持つ涼しげな美少女で、かわいい婚約者さんで羨ましいとよくからかわれた。

しかし当時わたしも幼少期というものが存在していて、自分以外のものを褒められるのが面白くなかった。周りがルキアを褒めるたびヘソを曲げた。

良かれと思って周りがルキアを褒め称える。
わたしが機嫌悪くなる。
ルキアに優しく接することができなくなる。

そんな負のスパイラルに5歳あたりから落ち入った。


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