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2話【邂逅②】
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茂みで狼が3匹、少女を見つめている。
「何を言っているんだ。人間の童女ほど美味い肉はない!ごちそうだぞ?」
「そうだそうだ。しかも武器も構えていない。後ろから襲えばいっぱつだ。」
やる気のない狼を左右から応援する2匹の狼。
「とにかく、お前にとって初の人間狩り。こんなに簡単な獲物はない!頑張れよ」
「俺たちは村の方を狙ってくる。今晩は豪勢に行こうじゃないか」
気弱な狼に渇を入れると、勇ましく二匹の狼は赤ずきんちゃんのいた村の方へ向かっていった。
「はぁ…とりあえず追うか」
気弱な狼も、深いため息を一つ吐くと
トボトボと重い足取りで、赤ずきんちゃんの後を追った。
赤ずきんちゃんの靴の後、臭いを辿っていくと
2人が出会うのに時間は、そうかからなかった。
森の奥には、リンゴの木が連なる果樹園がある。
赤ずきんちゃんは、嬉しそうにリンゴを持ってきた気のバスケットに詰めていく。
そんな姿を数メートル離れた位置から眺める狼。
「もう人間じゃなくて、リンゴ狩って帰ったら…ダメだよなぁ」
ポリポリと器用に前足で頭をかきながら、現実逃避をすること数秒。
気づけばリンゴを積み終えていた赤ずきんちゃんが、こちらへニコニコと向かってきている。
現実逃避に浸り過ぎたか、赤ずきんちゃんとはもう目と鼻の先まで接近していた。
この少しの茂みを払って進まれると、出会ってしまう。
まずい!
狼の頬に冷や汗がつたう。
このままでは出会ってしまう。
流石に出会ってしまえば、何食わぬ顔でやり過ごしても
赤ずきんちゃんがパニックになり村に戻る。
そうなってしまえば仲間の二匹の狼にも迷惑が掛かってしまう。
それだけは避けねばならない。でも、別に襲う気もない。
どうしようとパニックに陥る狼。
しかし、考える時間ももう残されてなく、二人を隔てる茂みがガサガサっと鳴る。
赤ずきんちゃんの透き通った手が視界に入る。
狼は『もうだめだ』と察し、意を決し、飛び掛かろうと立ち上がる。
赤ずきんちゃんより、一回り大きな体を見せつけ、両前足を突き出し
見下ろすように赤ずきんちゃんを睨みつける。
その瞬間、狼は全身に電流が走る感覚を覚える。
ダメだ…赤ずきんちゃんを襲う事は出来ない。
そう悟った。
何故なら、狼を見上げた赤ずきんちゃんは
何よりも可愛かったのだ。
「何を言っているんだ。人間の童女ほど美味い肉はない!ごちそうだぞ?」
「そうだそうだ。しかも武器も構えていない。後ろから襲えばいっぱつだ。」
やる気のない狼を左右から応援する2匹の狼。
「とにかく、お前にとって初の人間狩り。こんなに簡単な獲物はない!頑張れよ」
「俺たちは村の方を狙ってくる。今晩は豪勢に行こうじゃないか」
気弱な狼に渇を入れると、勇ましく二匹の狼は赤ずきんちゃんのいた村の方へ向かっていった。
「はぁ…とりあえず追うか」
気弱な狼も、深いため息を一つ吐くと
トボトボと重い足取りで、赤ずきんちゃんの後を追った。
赤ずきんちゃんの靴の後、臭いを辿っていくと
2人が出会うのに時間は、そうかからなかった。
森の奥には、リンゴの木が連なる果樹園がある。
赤ずきんちゃんは、嬉しそうにリンゴを持ってきた気のバスケットに詰めていく。
そんな姿を数メートル離れた位置から眺める狼。
「もう人間じゃなくて、リンゴ狩って帰ったら…ダメだよなぁ」
ポリポリと器用に前足で頭をかきながら、現実逃避をすること数秒。
気づけばリンゴを積み終えていた赤ずきんちゃんが、こちらへニコニコと向かってきている。
現実逃避に浸り過ぎたか、赤ずきんちゃんとはもう目と鼻の先まで接近していた。
この少しの茂みを払って進まれると、出会ってしまう。
まずい!
狼の頬に冷や汗がつたう。
このままでは出会ってしまう。
流石に出会ってしまえば、何食わぬ顔でやり過ごしても
赤ずきんちゃんがパニックになり村に戻る。
そうなってしまえば仲間の二匹の狼にも迷惑が掛かってしまう。
それだけは避けねばならない。でも、別に襲う気もない。
どうしようとパニックに陥る狼。
しかし、考える時間ももう残されてなく、二人を隔てる茂みがガサガサっと鳴る。
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見下ろすように赤ずきんちゃんを睨みつける。
その瞬間、狼は全身に電流が走る感覚を覚える。
ダメだ…赤ずきんちゃんを襲う事は出来ない。
そう悟った。
何故なら、狼を見上げた赤ずきんちゃんは
何よりも可愛かったのだ。
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