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プロローグ②
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「ここが弱点なんだろ?」
司がにやけながら言う。
「うっ…卑怯…」
歩結(あゆむ)は喘ぎ混じりに呟きながらコントローラーの左スティックを動かす。
2人の前にある大型テレビには家庭用ゲーム機が繋がれており、対戦ゲームで遊んでいた。
「逃げるな逃げるな!ってもう場外だけどな」
コントローラーを巧みに動かし、司が動かすキャラクターが歩夢の動かすキャラクターを撃墜する。
「あっ…うぅ…負けた」
モニターに勝者の操作キャラが映し出され、1位!と大きく表示される。同時に勝利の盛り上がるBGMが再生される。
「ってかダメージ受ける度に喘ぐの辞めてくれないか?気が散る」
「だって自然と出ちゃうし…」
反射的に出ちゃうものだからどうしようもない。
「他のやつとやる時もそんな風なのか?」
司は心配そうな顔をする。
「僕をなんだとおもってるの?司の前以外こんな情けない声、出せるわけないでしょ?かっこわるいし…」
何故か司は顔を赤くして身悶えていた。
そうだ!と思いついたことを試す。
「ふっ…」と司の耳に熱い息を掛けてみた。
「ひっ…何やってんだ!」
不意にされたせいか体をビクッとさせて僕から距離をとった。
「えっへへ…イタズラ?してみた」
してやったり!心の中でガッツポーズをしながらイタズラに笑う。
ゲームで勝てなくてもリアルで勝てば良いのだ!
「この…」
小さくそう呟きながら司は歩結を押し倒した。司お得意の力勝負に持ち込むつもりらしい。
「んん…!!!」
押し退けようとしても、司の体はビクともしない。この体格差じゃ不利なのは分かるが、それでもこんなに太刀打ちできないのは何故だろうか。
「元陸上部舐めんな~?これでも筋トレは毎日はしてるんだぞ」
司が得意げに言う。
それを聞いて無理だと悟り、力を抜く。そうすると、司もそれを察して力を抜いて離れてくれた。
「もう1戦するか?」
「いやぁ…ちょっと眠たいなぁ」
いつものことなので何事も無かったかのように流す。
どうも司といると安心して、眠くなって自然とあくびが出てしまう。
「お膝貸して~」
僕が言うと、しょうがないな。と言いたげな顔をして膝を貸してくれた。
司の膝に頭を置く。程よく硬い…けど司の安心する匂いがする。
学校の疲れもあってか、すぐに眠気が来てあっという間に眠ってしまった。
司は寝てしまった歩結を撫でて、何気ない幸せに浸っていた。
「おやすみ。歩結」
司もあくびを漏らし、眠たくなってきてしまう。
手の届くところにあった歩結が好きな毛布を歩結に掛けて、もう1枚あった薄い布団を自分にかけた。
ポカポカと暖かくて、意識が今にも飛びそうで、幸せで。
スヤスヤと眠る2人の前にあるモニターが白へと代わる。
『この2人…いいかも』
男性とも女性とも小さい子供とも取れるような独特な声がモニターのスピーカーから響く。
『ボクの世界にどんな影響を及ぼすのか。試してみたかったんだ』
モニターに白い小さな光の集合体が集まり、人の姿を形成する。
『日本人。君たちはボクの世界で何をするのか。絶望かい?それとも、平和かい?』
人の姿をした光の集合体はモニターを突き破り、眠る2人に触れようと手を伸ばす。
『君たちは生まれ変わるんだ。そして、世界を変えてくれ』
その手が2人に触れた瞬間。
2人の体が光の粒子となって消えていく。
司がにやけながら言う。
「うっ…卑怯…」
歩結(あゆむ)は喘ぎ混じりに呟きながらコントローラーの左スティックを動かす。
2人の前にある大型テレビには家庭用ゲーム機が繋がれており、対戦ゲームで遊んでいた。
「逃げるな逃げるな!ってもう場外だけどな」
コントローラーを巧みに動かし、司が動かすキャラクターが歩夢の動かすキャラクターを撃墜する。
「あっ…うぅ…負けた」
モニターに勝者の操作キャラが映し出され、1位!と大きく表示される。同時に勝利の盛り上がるBGMが再生される。
「ってかダメージ受ける度に喘ぐの辞めてくれないか?気が散る」
「だって自然と出ちゃうし…」
反射的に出ちゃうものだからどうしようもない。
「他のやつとやる時もそんな風なのか?」
司は心配そうな顔をする。
「僕をなんだとおもってるの?司の前以外こんな情けない声、出せるわけないでしょ?かっこわるいし…」
何故か司は顔を赤くして身悶えていた。
そうだ!と思いついたことを試す。
「ふっ…」と司の耳に熱い息を掛けてみた。
「ひっ…何やってんだ!」
不意にされたせいか体をビクッとさせて僕から距離をとった。
「えっへへ…イタズラ?してみた」
してやったり!心の中でガッツポーズをしながらイタズラに笑う。
ゲームで勝てなくてもリアルで勝てば良いのだ!
「この…」
小さくそう呟きながら司は歩結を押し倒した。司お得意の力勝負に持ち込むつもりらしい。
「んん…!!!」
押し退けようとしても、司の体はビクともしない。この体格差じゃ不利なのは分かるが、それでもこんなに太刀打ちできないのは何故だろうか。
「元陸上部舐めんな~?これでも筋トレは毎日はしてるんだぞ」
司が得意げに言う。
それを聞いて無理だと悟り、力を抜く。そうすると、司もそれを察して力を抜いて離れてくれた。
「もう1戦するか?」
「いやぁ…ちょっと眠たいなぁ」
いつものことなので何事も無かったかのように流す。
どうも司といると安心して、眠くなって自然とあくびが出てしまう。
「お膝貸して~」
僕が言うと、しょうがないな。と言いたげな顔をして膝を貸してくれた。
司の膝に頭を置く。程よく硬い…けど司の安心する匂いがする。
学校の疲れもあってか、すぐに眠気が来てあっという間に眠ってしまった。
司は寝てしまった歩結を撫でて、何気ない幸せに浸っていた。
「おやすみ。歩結」
司もあくびを漏らし、眠たくなってきてしまう。
手の届くところにあった歩結が好きな毛布を歩結に掛けて、もう1枚あった薄い布団を自分にかけた。
ポカポカと暖かくて、意識が今にも飛びそうで、幸せで。
スヤスヤと眠る2人の前にあるモニターが白へと代わる。
『この2人…いいかも』
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『ボクの世界にどんな影響を及ぼすのか。試してみたかったんだ』
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『日本人。君たちはボクの世界で何をするのか。絶望かい?それとも、平和かい?』
人の姿をした光の集合体はモニターを突き破り、眠る2人に触れようと手を伸ばす。
『君たちは生まれ変わるんだ。そして、世界を変えてくれ』
その手が2人に触れた瞬間。
2人の体が光の粒子となって消えていく。
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