その瞳には映らない

雨霧れいん

文字の大きさ
上 下
4 / 4

食事と紹介

しおりを挟む
「これ、っ!カレーですか?」

服を着替え、リビングに戻ると1人分料理が増えており奏が目を輝かせて見つめていた。具材が色々な形に切られているカレーは子供心くすぐるような可愛いテイストであった。

「奏だな、俺は七星北斗だ。よろしくな」

主に小さい子には易しい北斗はしゃがんで目線を合わせて自己紹介をした。北斗の手が頭まで伸びて奏の頭を撫でる。奏は気持ちよさそうに目を瞑っていた。

「あ~、2人の世界の入んないでよ、カレー早く食べよ?」

どこまでも自由奔放な優穂が言う。いつもならここから喧嘩が始まるが小さい子の前では遠慮したのか何も言わずに食事の席に向かった。

「めずらし~。ねーぇ朔夜。食べながら詳しい紹介しよ?」
「おう、そうだな!奏でもそれでいいか?」

こくり、とうなづいた奏は走って北斗の元に向かった。

______

「んじゃ、まず自己紹介な!俺は朔夜春さくやはる!18歳」

キリッとした様子で自己紹介する隣に視線を向けるとぼーっとした顔で食事をする優穂がいた。少し呆れながらも次、と声をかけた。
皇優穂すめらぎゆうほ~。18」
「さっきも言ったが俺は七星北斗ななせほくと19」

優穂が次、と言う前に自己紹介を始める北斗。優穂が眠そうな目で睨むが全くもって効果はなかった。

「えっと、奏遊陽かなでゆうひです。男子で、13です、」
「おう!よろしく、まずはここのチームの説明からな。」

大まかに言うと大きなマフィアチーム少人数精鋭チームで上層部の命令通りに任務を完遂するというチームだ。前までは20人以上の団体での活動であったが今では基本的に2~5人のチームで活動している。

「っと、まぁこんなもんだな。奏は明日司令部の人に会ってもらう。それで問題なかったら俺らのチーム来いよ」

にこっと笑いかけると、ふにゃっと笑いうん、とうなづいた。殺伐とした世界で生きているからか子供の笑顔は癒しになった。

_______

《キャラ一覧》

朔夜 春  (さくや・はる)

・暁月と面識がある。 ・チームのリーダー的存在

七星 北斗 (ななせ・ほくと)

・生き残れると確信があったため置いてきた。 ・意外と優しい

皇 優穂  (すめらぎ・ゆうほ)

・祈とコンビを組んでいた。

水葉 祈  (みずは・いのり)

・優穂とコンビを組んでいた。 ・暁月とチームを組んでいる

暁月 紫緒 (あかつき・しお)

・朔夜と面識がある。 ・祈とチームを組んでいる
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

[完結]何か誰か

夏伐
ホラー
私は大学のサークル仲間に会いに行く。 卒業して何年経っても、どんなに大変でも、それは蔵に幽閉された彼女の一瞬見せる何かに魅せられてしまったからだと思う。 それほどにその一瞬が美しい。 カクヨムさまにも投稿しています。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

意味も分からないし怖くもない話

ぽいぽい
ホラー
意味も分からないし怖くもない。

赤い絨毯

nikata
ホラー
怪談好きの主人公は職場の先輩の話がきっかけで、興味本位から赤い絨毯に纏わる怪談話を調べることにした。 調べた結果、『赤い絨毯の話』はどこにでもあるようなツマラナイ内容だったことから、主人公はすぐにそのことを忘れてしまう。 しかし、後日交際相手と出掛けた旅行先で恐ろしい体験をすることに……

霊犬 早太郎伝説

多那可勝名利
ホラー
静岡県の山寺に古くから伝わる伝承を元にしたファンタジーホラー的な 小説です。

冥界行きの列車

倉谷みこと
ホラー
 深夜二時、駅の四番ホームに『冥界行きの列車』が姿を現す。列車の扉が完全に開くまでその場にいると、駅員らしき男に無理やり列車に乗せられてしまう――。  その町の駅には、そんな怪談話があった。  その真偽を確かめようと、田沢彰彦(たざわ あきひこ)、笠井忍(かさい しのぶ)、大貫兼悟(おおぬき けんご)の三人は駅に集合した。  午前二時、四番ホームで待機していると、周囲の空気が一変する……。 *小説家になろうとカクヨムにも掲載してます。

レトロスペクティブ・ガール

柚木崎 史乃
ホラー
昭和レトロをこよなく愛する君嶋朱莉は、大学進学を機に築60年の古い木造アパートに引っ越した。 そのアパートに越してきてからというもの、どういうわけか毎晩のように奇妙な夢を見るようになる。 時は昭和30年代。夢の中で朱莉は弥恵という漫画家志望の少女になっており、彼女の人生を追体験しているのだ。 しかも、不思議なことに弥恵は自分と同じ部屋に住んでいた。朱莉は、いつの間にかその夢を見ることが楽しみになっていた。 だが、それも長くは続かなかった。なぜなら、弥恵がストーカーに殺される夢を見てしまったからだ。 弥恵が実在する人物かもしれないと思った朱莉は、過去の事件を調べ始めた。 ちょうど同じ頃、不気味な老人に後をつけられるようになり、朱莉は身の危険を感じるようになるが……。 夢と現実がリンクする、サスペンスフルなホラーストーリー。

怨霊師

覧都
ホラー
怨霊師とは怨念を纏いて怨霊を使役する者也 一人の少年の両親が目の前で怨霊となり、少年はそれが見えるようになります。 そのせいか、人々の黒い物、怨念まで見えるようになりました。 見えるようになった少年の目には、世の中に黒い怨念があふれているように見えます。 そして、その中でも強い怨念は人に悪影響を及ぼす事を知り、人知れずそれを取り除いていました。 あるとき怨霊に取り憑かれた暴走族が、殺人をするところを目撃します。 少年は怒りに我を忘れます。 我を忘れた少年の体から、取り除いていたはずの大量の怨念が飛び出しました。 飛び出した大量の怨念は怨霊に吸収されると、とりついている暴走族を自由に動かし、殺してしまいました。 その時、少年は自分の出来る事を理解し、自らを怨霊師と名のる事にしました。 怨霊師となった少年は、その力で怨霊に取り憑かれてもなお悪事を働く者達に正義の鉄槌を加えます。

処理中です...