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二部1章 ラビニット

ラビニート

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「リビニート!」

「はい!母上!」

僕の名前はリビニート。

神よりこの世界に強制連行された、哀れな人になる。
この世界は、龍人達が王になって龍を倒す事を使命にしてるらしい。
何処でどう伝わったのか、龍の魔石によって龍人が龍になるとか。嘘の話が伝わっでいる。

嘘を信じた龍人が、この世界を騒がしている。だから、人は迷惑をかけられる。

そんな世界に関わっている。

「また、イノシシから逃げたのですね。」

「うん。」

「貴方は弱いのですから仕方がないのですが、本気の力を出しなさい。」

「母上・・・・」

「ご飯は抜きですよ。」

「頑張って狩って来ます!」

この人が、私の義母の赤龍だ。

龍には名が無く、力が強い者が長である。
もちろん、義母は長だ。私でも勝てないのだが、後6年経てば勝てるらしい。

これは、サリハレリ様の御告げだ。

頑張って修行を真面目にこなせば、世界の頂点に立てるらしい。

この言葉を信じたいのだが、らしいのワードに疑問がある。

今は、信じて頑張ってはいる。

そう、義母にして最強の一角たる赤龍の長に師事してもらっているのだから。

その場から、強化魔法をかけ走り出した。
探知魔法で、逃がしたイノシシを追う。
探知の距離は約1キロ四方、速度は約20キロになる。

獣の足なら追いつけるが、お母様には追いつけ無い。

この壁を越える事が、今の目標だ。

さて、イノシシを発見したので魔法で狩りをする。光の魔法で、弓矢を作り構えながら走る。

狙いを定めて、矢を放つ。

イノシシの足が止まり、息絶えたのか倒れた。

「食糧をゲット!」

この世界は厳しい。

今は弱くても、いずれは最強になれる。だから、辛抱しなくてはならない。

これを村に持って行って、食事にありつけるのだから。

「血抜きだ。」

村の猟師に教えを受けて、血抜きから解体までは習っている。
ただ、練習量が足らないのか少し不恰好になる。

スキルが無いから補正がつかないのだ。戦闘に特化されたスキルだが、今は有益なスキルでは無い。



終われば、葉を敷き詰めた場所にイノシシを乗せる。

葉を引けば、子供でも簡単に獲物を移動させる事が出来る。

この知識は、お母様に教えてもらった。

僕の知識では、精々出来ても事務仕事なのだから。

龍から、この世界の常識を学ぶなんて事は考えられなかったから。

そして、母上の元に戻る。

「帰りました!」

と声を掛けたのだが、母上の顔は青ざめていた。

「どうしました、母上!」

駆け寄ったリビニートに、母上は言った。

「墓が、墓から遺品を奪われてしまった!」
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