鴉喰の華 ～日本に転生したのに、異世界に転移させられた！～

二部１章 ラビニット

２、３日奴隷？

「遅いぞ！」

『済みません、サー！』

死の森を走らせる。
荷物はストレージに入れたので、身軽にしたのだが早くもないのだ。
子供なら、背中などにしがみつかせるのだが、大人の男にしがみつかれるのは嫌だ。

そうなると、走らすのが妥当になる。

問題は女になる。

馬は三頭で、女は五人だ。
何とか乗らしたが鞍が無いから、安定が出来ないのだ。

作れば有るのだが、その間抜けな姿に笑いたいのを抑えていた。女よりも馬が、である。

この馬モドキも、奴隷紋章でペットならぬ奴隷馬と成り命令に従っているのだ。
乗り手を落とさない様に走るの命令にだ。

早く走らないといけないのに、乗っている女の事を考えながら走るのだから、動きが変になる。

中には、たてがみを引っ張られても我慢をしないといけない。
癒しではなく、お笑い担当だな。でも？段々と飽きたな。

「良し、壁まで前進な！そこで待っていろ！」

『はい！』

篤郎は、牛を家畜にするべく動いた。
奴隷紋章は馬モドキにも効いたのを見て、実行を始めたのだ。

草食ならば楽なのだが、食べる物も知りたい。
現地民も確保が出来たので、飼う事も出来るだろう。
牛達が居た場所に来たのだが、

「おぅっ。」

牛が、虎を食べている光景を目にする。
生態系の謎が多いのか知らないが、牛を飼うのは保留だ。

こんな狂暴性の有る牛を、家に持って帰るのはなー。
ただ、乳は旨いと眼鏡さんが教えてくれた。
それに、番犬を放し飼いする方が得だな。
そう結論つけると、篤郎は魔法を使った。

「奴隷紋章ペットバージョン！」

こうして、牛を従えたのだ。
乳牛から大量の牛乳を手に入れ、色々な品物に加工をしたのだ。

そして、蜂も従え蜂蜜も手に入れた。

此で、加工品の数も増える。
品が増えれば、リンスや蝋燭、薬等になるし、弾丸を作る為の素材にもなる。

「帰るか。」

今回は簡単だが、重要なものが手に入ったのだ。

どんな世界かを知れれば良いのだから。
そこからは、俺のしたい様にする。
爺の考えには従わないし逆の事もやらない。

今夜から、情報を引き出すだけだからな。

篤郎がそんな事を考えながら戻ったのだが、誰も居なかった。

「まだ、着いてないの！」

一直線に走っていた奴よりも、寄り道をした篤郎が早い事に叫んでしまった。

「ああ、もう。迎えに行くか。」

篤郎は、行ってしまった。