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第11章 モンスター

ダクネト国に行く

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異世界に馴染んでいる篤郎を、怨みの目で見ているエメリア。

助けられてこの態度を行うのだから、猫又と九尾の狐の顔色は悪い。
変に庇った手前なので、助けないといけない立場になったからだ。お陰で、今の立場はまさに、死刑場に立っている。

まだ、篤郎はフェイトと言う魔馬に再開したのでご機嫌なのだが、それが変わるのが恐い。
何も考えないお子様と言う生き物に、深く後悔をする事となった。

「篤郎~。」

「恨まないニャ、うちらの立場も考えるニャ!」

「そやえ。まず、落ち着きなさい。」

「フー、フー。」

鼻息が荒いエメリアに取って、今は怒りが勝っていた。
全ては篤郎の責任だと、思いもしたのだ。

「体が大きいな。少し小さくならないのか?」

「あー、多分出来ると思います。」

「してみ。」

「はいな。」

フェイトの体が縮まり、適度の体へと変わると、

「こんなもんでどうですか?」

「お、良いじゃん。んじゃ、取り付けるか。」

「あっ!もう少し優しく!あん!痛いー!」

「変な声を出すな!」

「だってー。」

「それに、お前は男だろ!」

「えー、男でも痛いのは痛いですし、感じる時は感じますよ?」

「馬鹿馬か!」

「良いじゃないですか、そんな馬が居ても。」

何だろう、フェイトが眩しく見えるんだけど。
と、思いながらも、

「急いで帰るんだよ!」

「何かありますのん?」

「息子が待って居るんだよ!」

「何や旦那も結婚してたのでっか!」

「・・・・シテナイ。」

「えっ?」

「してねーけど!」

「・・・・えっ?ええっ!」

「聞くな!聞いたら・・・・」

篤郎の殺気が、フェイトを貫き糞を垂らした。

「あい!聞きません!」

フェイトとて、バトルホースの最上位種であり王となっているのだが、篤郎の馬でもある。
その主に少しでも近付いたと思ったのだが、実力の一端でも近付いて無いのを知ってしまった。

「次はセキに勝ってから言えよ。」

「無理です!サー!」

「なら、定期的に勝負するか。」

「嫌です!サー!」

「エンペラーになったから、勝負してきたし。」

「スイマセンでした!サー!」

「近く、やるからな?」

「死にたくありません!サー!」

フェイトは、必死に謝っている。謝るしか無いのだ。

此処まで変わるには、理由がある。

勝てぬ相手に対しての本能は、動物よりも魔物なので生存本能は高い。

高いからこそ、篤郎に逆らう意味を本能で知ってしまったのだろう。いや、元から知っていたが、格が上がったのでもしかしたら勝てるかもと思っただけである。

負けたので、全てが元に戻っただけである。
と言うか、此方が篤郎対応の姿勢である。

「とりあえず、ダクネトに向かってくれ。」

「イエス!サー!」

話せるだけに、要らぬ誤解が無いように軍隊言葉で話す。
会話が出来なかった頃が、まだ優しく接しられたのだが時は既に過ぎた。

で、

「お前達も、早く馬車に乗れ。」

『は、ひゃい!』

エメリア達は、急いで馬車に乗り込んだ。
そして、馬車が動き出す事になる。

「行け!」

「サー!イエス!サー!」

この後の事は、悲惨な事になる。

なにせ、高速馬車になったからなのだから。
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