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第11章 モンスター

面倒な逃避行 10

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「街が見えた!」

「おめでとうございます、魔王様!」

篤郎とぬらりひょんは、涙を流して抱き合った。
そんな事など知らないで、中では切実な問題が議題に上がっていた。

「そ、そんな・・・・」

「本当ニャ。エメリアはワンブーヘ軍に引き渡しすニャ。」

「主様は、エメリアと別れたら魔国に戻るつもりどす。」

篤郎の機密を張らす程に、エメリアと猫又、九尾の狐は仲良くなっていた。
仲良くよりも、同志に近いモノどろうか。
その名も『篤郎の飯を食べる』同盟となる。

もちろん、その後にはルナ達が加わり、その同盟は拡大されて魔国に一大同盟となる。

「困ったわ、猫又同士。」

「何がニャ?」

「ワンブーヘ国には、私の別の同志が居るの。それを見捨てる事に、心が引き裂かれそう。」

「同志って、同衆の?」

エメリアは頷く。
これは、篤郎に張れては今後の飯に影響がある。
同盟では、隠れ顧問ぬらりひょんにより助言を受けて、隠しているのだ。

だが、あれをワンブーヘ国に張れると、同志達が捕まる。守る為に国に行けば、飯と離れる。

この天秤に、揺れていたのだ。

仲間を取るか、飯を取るか。エメリアには、究極な選択になっていた。

「同盟を抜けるか、同志を捨てるか。難しい選択ニャ。」

「ほんに。でも、うちは主様の手料理が食べれるなら捨てますなー。」

「うっ!それはそうなんけど・・・・」

エメリアの危惧してるのは、文化が根付く事よりも作品の続きが読みたいだけになのだ。
だからといって、作者に思い入れも無いし、作品に対してもそんなに望んでいる訳でもない。

それでも、仲間になってくれた人を見殺しに出来る程の覚悟何てのは無い。が、自分の命を掛ける程でも無いのだ。

「本を作る人は、また集めたら良いけど、それを知ってるのはエメリアじゃ無いの?」

「う、うん。」

「同志を増やしたいのなら、主様に着いていくことね。」

「頭で解っているけど、心がついて来ないのよ!」

「そうね。でも、知られたら、どのみち死刑になるのでしょ?」

「うぅ!」

エメリアも後に知った事だが、男同士の恋愛は存在するのだが、公には秘密である。
もちろん、知っていても無視するのが、人社会のルールなのだ。
教会も存在やしてる事については無視してるのだが、それを叫んだ者には容赦はしない。

それだけに、女が男同士の秘め事を張らすのは、死刑となる。

本当の事であっても、嘘であっても話さないのが通常の世界。

地球の今の考えとずれる考えが、この世界なのである。

なので、腐女子同好会は非常にヤバい同好会になる。

もちろん、エメリアは心残りがある。

それは、旧アルテウル城に残したニフラクだ。退治後にエメリアの元を離れ、部隊と関わってから音信不通である。

もし、同志を裏切ったとしたら?考えたくは無いのだが、恐ろしい考えは尽きない。
もちろん、篤郎の事も同じなのだが、飯に釣られたので警戒は薄い。

仲間を同志を捨てる訳にはいかないが、死にたくは無い。
死ぬ位なら、生き残れる方を選択する。
だが、、の繰り返しである。

「うー。」

「悩みやす。」

「勝手に悩むニャ。」

いつまでも、とはいってもいかないが踏ん切りはつかない。
多分、最後の最後と言われても結果は言わないだろう。

だが、エメリアの考えは徒労となる。
まさか、ルナ達により同志達は魔国に亡命するのだから。
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