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第11章 モンスター

面倒な逃避行 4

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風呂と来たら、次に寝床になる。

床は石になるので却下。ベッドの方が良いだろう。

少し旅館風にした部屋に女性を入れれば、かしましい女達の恋話とかいびき等を聞かなくても良いだろう。

てか、離れて寝たい。

女子部屋と男子部屋を作り、ベッドをこさえてシーツを取り出す。

トイレも必要になるが、ここは簡略な便器を置こう。妖怪達は理解出来るのだろうか?

ま、後で教えておくか。

明かりも調節式にして準備完了。

「ぬらりひょん。」

「何でしょう、魔王様。」

男部屋にも作ったトイレで検証だ。

「ここがトイレなのだが、使い方は解るか?」

「といれ?とは何でしょうか?」

ぬらりひょんは、分からない顔で答えた。

マジか!便所が分からんのかと思ったが、トイレと言い出したのは20年前だと聞いたな。と言うことは、西洋便器も見たことないよな。うん、なるほど。

篤郎は、そんなぬらりひょんに手招きした。

「此れは、西洋便器と言って、座って用をたすものだ。」

「な、何と!」

「てな訳で、此れから試してくれ。」

「試す?」

「別に用をたすとかで無くて、用をたす様に座って欲しいのだ。」

「座るのですか?」

「そう、扉を閉めて用をする作法を知ってて欲しいからな。」

「なるほど!では、失礼します。」

ぬらりひょんは、言われるままに従った。

「ほう!座る所が温かいですな!」

「楽しんでくれ。」

此処からが、いたずらの開始になる。

この便器には、日本が誇るウォシュレットを完備している。そして、それにはリモコン式のコンソールを完備している。

本来、コンソールは壁に取り付けるのだが、持ち出す事が出来る。

となると、コンソールでいたずらが出来るのだ。

「では、ポチッとな。」

もちろん、お尻洗いのボタンを押した。追加で、ムーブと水圧を強にする。

そして、ウィーンの音が鳴り出すと、

「何の音だ?魔王様、この音は!」

ズボンを履いてしてるのかは知らないが、このウォシュレットは意外に凄い。

ま、履いていたら『何事!』とかで終わる。さて・・・・

「ぬおおぉぉぉぉぉ?お尻が!お尻に!おおおおぉぉぉ!」

この声は、履かずに座った事を証明してる声だ。

「ちょ!魔王様!お尻が、むおおおおぉぉぉお!」

ふむ、ムーブではこんなものか。では直ならばどうなる?
ポチッと押す。

「にぉぉぉぉぉぉおおお!ま、魔王様!魔王様~!おおぉぉぉぉぉぉ!」

やはり、直はきつかったか。
止めるボタンを押して、ウィーンと機械が仕舞う音がする。

しばらくして、カラカラカラと音がしてからぬらりひょんが現れる。

「ま、魔王様。」

「どうだった?」

「エクセレントでした!」

「えっ?」

ぬらりひょんは、顔を赤らめて女座りをしだした。

「こんな快感な物を作られるとは、このぬらりひょんびっくりしました。本当に、素晴らしい物を作られました!」

と、女性の動きをするぬらりひょん。

ああ、ぬらりひょんは開けてはいけないドアを開けたようだ。

篤郎の目には、達観した目が宿っていた。

「もう一度、良いですか?」

「はい。」

篤郎は、コンソールをぬらりひょんに渡した。受け取ったぬらりひょんはトイレへと消えた。

日本の技術は世界一!
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