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第11章 モンスター

望郷

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「後、一撃よ!」

『はい!』

聖女に言われて、兵士達は鼓舞した。

「全軍、突撃ー!」

『ぬおおー!』

「ぬわー!我が倒れると・・わ・・・」

朝日が昇ると同時に、大将軍が塵の様に消えた。

『やったー!』

と、その場に居た誰もが喜んでいた。
エメリアさえ、聖女としてでは無く一人の兵士として喜んでいた。

「つ、疲れたー!」

朝日を見た、兵士達はその場に座ったり倒れたりしたが、そのまま死んだ様に眠った。

一夜の攻防は、体力の限界を迎えていた。
気が抜ければ、寝てしまうもの。

どのみち、幕舎などは建てて無いのだ。

「私も。ごめん。」

エメリアは、そう言うとイビキをかきながら寝た。
多少のイビキに、文句など出ない。

云う前に、寝ているのだから。









ーーーーーーーーーー







朝日が、篤郎の顔にかかる。

「ううん、朝か。」

そう言い、一人で起きる。
城に、異様な雰囲気は無いが、うるさい鼾は聞こえた。

「終わったか。起きるまで時間はあるな。」

後ろを見て、

「先ずは、この子達にご飯だな。はぁー、レオンに会いたいなー。」

シラクラの子問題が出てから、急にレオンに会いたいのだ。我が子として、短い間でも愛情を持ってレオンに接してきたのだ。

ま、どのみちルナ達が俺の後を引き継いでいるだろう。

召還されてから、魔国からの接触が無いのも疑問だ。

此処は、何処の世界なのか。

同じ世界なら、俺の現状に何が起きているのか?

実に知りたい事が多い。

だが、魔国との関係もアルテウルとの関係も考えると、同じである。

ただ、違うのはエメリアだけであり、勇者の居た世界との関係性も確認しなくてはならない。
ここで焦っての行動は、何も良くはならない。焦らず、事情が分かるまではとの思いだった。

今は違う。

状況よりも、元の所に帰りたい。

「くぅ・・・・」

涙を流すが、シラクラを見て落ち着くように深呼吸をした。

「焦るな、焦るなよ。落ち着け、落ち着け。」

そして、

「朝飯の準備をしようか。」

と、落ち着いた振りをした。
ここから、反撃の開始なのだから。
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