上 下
411 / 505
第11章 モンスター

やっと繋がる

しおりを挟む
こうして、問題を解決した一行なのだが、今は城に侵入していた。

「かなり、聖女側が弱まってるか。」

「それは、主様が私達をあんなに汚すさかい。」

「時間、かかりましたニャ。」

「僕は平気です!」

「シラクラ様はお優しい。だけど魔王様は、我等をもふるのにこの事を忘れたのでしょう。」

「蚤はもふってないからな!」

聖女側の怪我人多数に対して、骨鎧は能力の低下はあるのの、有利に戦っている。

「あの外人では、此処までですニャ。」

「負けますね。」

「大将軍の勝ちですな。」

妖怪は仲間を応援していると思ったが、

「父様、介入するのですか?」

子犬のシラクラが聞いてくる。
ワンでは無くて、話し掛けてくるのだ。最高に可愛い!ので抱き抱えてしまう。

「うん。真下の部屋に魔方陣を仕掛けるよ。」

「でしたら、聖女側の勝ちですな。」

「逆転ニャ!」

「そら、負けませんわ。」

意外と、同族にもきつく当たるようだ。

「なあ、お前達。」

『はい?』

「仲間が倒されるのは、嫌か?」

『仲間?』

妖怪達は首を傾げている。可愛い。

「いや、居るのは仲間だろ?」

「違いますよ、主様。」

「敵でも無いけど、仲間でも無いニャ。」

「魔王様の敵なら敵ですぞ。」

「・・・・」

敵は敵なのね。

奴隷でも、何らかの感情が出るのに、彼らには何の感情も無い。

「主様の力なら一階に?」

「十分ニャ。」

「魔王様の事だから、真下の部屋に仕掛けた方が良いかと。そして、悪戯をしたいのですから。」

俺は何も言えない。
言っては、いけないのだ。

言わない事が肯定であるし、真意にも分かるはずだからだ。

「父様、何かするのですか?」

「まあな。」

シラクラから言われれば、何でも答えましょう!
それが、妖怪と子犬神様との違いだからな。

「それに、倒すのは聖女達で俺では無い。俺の仕事は終わったからな。でも、長いのは勘弁だからな。」

「手伝う訳ですね!」

「偉いぞ!その通りだ!」

篤郎はシラクラをもふった。嬉しいよりも、その方が落ち着くからだ。

「じゃ、行くニャ!」

「そうね。」

二匹の後ろ姿も和むな。
和みと癒しは必要なんだと理解したよ。

篤郎は殺伐とした城の中を、柔らかい気持ちで目的地に向かった。魔方陣を設置した後は、湯船に浸かり温かい中を眠りに着いたのだ。

もちろん、篤郎とご一行は幸せな気分で夢の中にいた。
大将軍は違うのだが、

「ぬおー!わしは死なぬ、死なぬぞおぉぉぉ!」
しおりを挟む

処理中です...