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第11章 モンスター

地下で食事を

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奴隷と奴隷とペットと飯を食べる篤郎に、誰が注意が出来るだろうか。

ただ、ただ、作られた料理に舌鼓を打ちながら、堪能していた。
この異常な空間の中で。

「本当なら、私が魔王様をもてなさなければならないのに。旨い~!」

ぬらりひょんは、涙を流しながら食べる。

「このシュウマイの肉汁が!」

シュウマイだけを食べる九尾の狐と、

「こちらの餃子の方が旨いニャ!」

元気な猫又が餃子を頬張る。
猫に狐。玉ねぎとかの食材は大丈夫なのだろうか?と篤郎は心配していた。

異常なのは、そんな風景では無い。

この洞窟広場で、勝手に生まれる何かである。

魔力と人の負の感情と妖怪達の怨念が混ざり、神力もその中心にある。

生まれながらの邪神が、今誕生するのだろう。

そんな最中で、みんなに食事をふるまっているのだ。

「魔王様、お代わり!」

「こっちもお代わりどすえ。」

「お代わりニャ!」

魔王とは、給仕係り何だろうか?いや、魔王と云われるのは嫌悪感が半端ないが、だからといってペットや奴隷に使われるのって・・・・

と、考えながらもお代わりに答える篤郎がいた。

「もぐもぐ、魔王何かきたニャ。」

「おっ!もぐもぐ、あれは偵察のドラキュラだな。」

「あれ?フランケンも居ますわよ。」

「んー、西洋は嫌いだぞ。」

『えっ?』

篤郎は、料理をしながら言うと、背中越しに魔法を掛けたのだ。

「この・・・・」

「フガ・・・」

「ウガ・・・・」

光が、西洋妖怪にレーザーの如く当たった。
一瞬の事ながら、燃えかすも残らかった。

「消えましたな。」

「あの光は怖いニャ。」

「さ、逆らえませんぞ!私わ、もぐもぐ。」

良く食べる妖怪達だ。

仲間かは知らないが、同じ妖怪が消された事よりも飯を食っているのだから。逞しいと言った方がよいのだろう。

「なぁー。」

「はい、魔王様。もぐもぐ。」

「何時、あのぐにぐに肉体持つんだ?」

「知りません。もぐもぐ。」

「長くなりますな。」

「わかんの?」

「ある程度ですけど。」

九尾の狐はしれっと言う。
いや、流石は長生きしてる妖怪だよ。俺の生きた年数の10倍は有に超えているよね。
と云う感じで、見ていると。

「何どす?」

「何にもないぞ。」

「そうどすか。それやったら良いおすんな。」

優しい言葉だが、その目は鋭い。
女に年齢はご法度と聞いていたが、妖怪も同じなようだ。怖い。

「それにしても長いな。」

「・・・・・・・」

九尾の狐さん、睨まないで下さい。恐いです。

「あの様子ですと、明日の朝になりますな。もぐもぐ。」

「そ、そうか。」

ありがとう、ぬらりひょん。でも、食事は止めないのな。

「うちは、ご飯が食べられるから楽しいニャ。」

「堕猫は黙れ。」

「酷いニャ!」

本音が溢れた。
ま、猫又はペット枠だから問題無いだろう。

「労るニャ!」

愛玩動物では無くて、妖怪だからな。
それより、これをどうにかしないとな。
うーん。
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