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第11章 モンスター

ふみ

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リザリテは、愕然とした。

ワンブーヘ王が、悩むのも無理がない事に。

聖女隊は、エメリアを頭にした女性だけの回復部隊として、各地の教会に所属していた者を集めた集団である。

もちろん、貴族の者も市居の者も居るのだが、何故か内部を秘匿にされていた。

女は、大抵はお喋りで秘密を守るには向かない。

それなのに、聖女隊は内部を秘匿にされている。隊の人も口を閉ざす。

「情報が集まらないとは・・・・」

もちろん、間者やシーフ能力の高い冒険者も投入したが、ことごとく失敗した。

この事は重大な事になるのだが、相手が聖女なので下手に動く事が出来ない。
それは、アルテウル信仰が捨てきれて無いからだ。アルテウル神国が弱っても、信仰してる人が減らないのは大きな問題である。

聖女を罪に問えば、民衆が黙ってくれない。ワンブーヘ国も大きくなった分だけ、大きな反乱を誘発する事は出来ない。

もちろん、聖女に何かあれば直ぐにワンブーヘ国は壊滅してしまう。

そんなジレンマもある。

「やはり、聖女に会う手だてを着けなくては。よし、此処は正攻法でするしか無いな。」

リザリテは手紙を書いて、侍女を呼んだ。

「失礼します。」

「待っておった。この手紙を聖女様に届けて貰いたい。」

「分かりました。」

リザリテは、初めて手応えを確信した。
この侍女は、聖女と通じて居るようだ。

「それと、返書か口頭でも必ず貰って欲しい。日時はそちの裁量でまとめよ。くれぐれも、確実な日をだ!」

「了解しました。」

いや、確信した。この女は聖女の親派のようだ。躊躇も無く、ハキハキとしている。

城の中まで入り込んで居るのか?

「時に聞きたいのだが。」

「何でしょうか?」

「聖女隊は女の部隊なので、詳しくは知らなかったが、外道を行う行為を聞いた事はあるのか?」

女の外道とは、今で言うレズビアンである。男なら衆道ホモとなる。

これは、子を産む為の文化が主流なので、ホモやレズはご法度になっている。
しかし、戦争や冒険をしていると、中にはそれをしてしまう者も居る。

だが、貴族社会においては、ご法度よりも死罪になるし、教会も許す事はない。
文化とかでは無く、嫌悪される。

と言うか、アルテウルのモチベーションは、良い男を囲う事なのだ。
それゆえ、男と女がくっつき子を産まし、多くの男の子を侍らしたい考えが強い。
女を軽く見る文化も、アルテウルがやらかした文化である。

そして、侍女は初めて額から一筋の汗を流した。

「ま、まさか!」

「いえ!そんな事はありません!」

「何がある?」

「そうです!聖女様からお聞きください!」

「なっ!」

この案件は、聖女が絡んでいる。
と云うよりも中心に近い存在なのは確実である。(実は主宰している。)

聖女に悪い噂が流れるのは、困るのだ。最低でも、10年は静かにして欲しい。
国としての基盤が固まれば、聖女には消えて貰いたい。
それか、ワンブーヘ王と結婚して貰うのが好ましい。

聖女の生きる道を絶ちきる事が、聖女隊に起きているのかと悩む。

「ともかく、文を届けてくれ。」

「失礼します。」

アンデットの前に、重大な悩み事が増えた。
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