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第11章 モンスター
ワンブーヘ王が動く
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「手駒の反応が消えた。」
闇の者は、詰まらなそうにしながら言った。
「何だ、死んだのか?」
「我らを滅ぼす輩が?」
「死だと?」
「なのに、死んだと思えんのだが。」
「浄化した?」
「天に帰った?」
「生きてる?」
「生きている。と思う。」
「生きているだと?」
「生きているだと!」
「我らの力を受けて、生きているなどあり得ん!」
闇の中で、幾つもの闇が蠢いていた。
幾つもの闇が重なり、幾つもの闇が離れた。
「楽しみだな。」
そう言って、闇が消えた。
ーーーーーーーーーー
「北の方にアンデットが、居ますな。」
「南のアテウス国に西のマテウルス国と同盟したが、リキュール領とナンゼル領、カルガス国とはまだ戦いが終わらぬ。」
「北のアンデットには、どうあたりますか?」
ワンブーヘ国の重臣は増えた。
しかも、リザリテが一応信頼しても良い人材として、ワンブーヘ王の元につかした人材である。
8カ国と12領も平定したのだから、ワンブーヘ王は下がるしかなかった。
リザリテは宰相でありながら大将軍としての地位も獲得させた。
既にワンブーヘとリザリテのみで戦える事では無いが、北のアンデットはワンブーヘだけで何とかしたいと考えていた。
聖女たる、エメリアを使うのにはもったいない。
王も聖女も動いては駄目になれば、冒険者を動かしたのだが、良い結果は出ていない。
「騎士団から選抜して、調査を行うか。」
「それでは、選抜をします。」
「部隊からで?」
「親衛隊も含む。」
「人数は?」
「100人は必要に?」
「戦力はどれ程に?」
「先鋭に100、戦力は1000。他は冒険者を充てる。食い止めるだけになるがな。」
「聖女隊からは?」
「多分、40人は回せるかと。」
「少ないな。」
「何故か、団結力がついていまして。」
「おお、いい傾向だな。」
ワンブーヘは安心したのだが、報告していた兵士の表情は悪い。
「何かあるのか?」
「はい。それがですね。あの。」
「どうした?」
「団結力が異常でして。」
「異常?」
「何かと言われると、私には分かりませんが、とにかく異常でして。はい。」
「聖女に会えないとか?」
「それは、無いです。」
「人を出し渋るのか?」
「いえ、多分言えば、もっと確保出来るかと。」
「何が異常なのかね!」
「分かりません!だけど異常なんです!」
意味が分からないが、怯える兵士に何かを感じたが、
「それと、国の一大事となら何とかなるのか?」
「いけるのでは無いかと。」
聖女を心配するよりも、アンデットの方が気掛かりである。
「よし、直ぐに掛かれ!ギルドにも報酬を上げておけ!」
「はっ!」
ワンブーヘ王は、慣れない政治から戦いに身を投じれる事に喜んでいた。
「アンデットごときに遅れはせんぞ!」
まだ、ワンブーヘ王も事の真相が大きいモノだとは理解していなかった。
闇の者は、詰まらなそうにしながら言った。
「何だ、死んだのか?」
「我らを滅ぼす輩が?」
「死だと?」
「なのに、死んだと思えんのだが。」
「浄化した?」
「天に帰った?」
「生きてる?」
「生きている。と思う。」
「生きているだと?」
「生きているだと!」
「我らの力を受けて、生きているなどあり得ん!」
闇の中で、幾つもの闇が蠢いていた。
幾つもの闇が重なり、幾つもの闇が離れた。
「楽しみだな。」
そう言って、闇が消えた。
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「北の方にアンデットが、居ますな。」
「南のアテウス国に西のマテウルス国と同盟したが、リキュール領とナンゼル領、カルガス国とはまだ戦いが終わらぬ。」
「北のアンデットには、どうあたりますか?」
ワンブーヘ国の重臣は増えた。
しかも、リザリテが一応信頼しても良い人材として、ワンブーヘ王の元につかした人材である。
8カ国と12領も平定したのだから、ワンブーヘ王は下がるしかなかった。
リザリテは宰相でありながら大将軍としての地位も獲得させた。
既にワンブーヘとリザリテのみで戦える事では無いが、北のアンデットはワンブーヘだけで何とかしたいと考えていた。
聖女たる、エメリアを使うのにはもったいない。
王も聖女も動いては駄目になれば、冒険者を動かしたのだが、良い結果は出ていない。
「騎士団から選抜して、調査を行うか。」
「それでは、選抜をします。」
「部隊からで?」
「親衛隊も含む。」
「人数は?」
「100人は必要に?」
「戦力はどれ程に?」
「先鋭に100、戦力は1000。他は冒険者を充てる。食い止めるだけになるがな。」
「聖女隊からは?」
「多分、40人は回せるかと。」
「少ないな。」
「何故か、団結力がついていまして。」
「おお、いい傾向だな。」
ワンブーヘは安心したのだが、報告していた兵士の表情は悪い。
「何かあるのか?」
「はい。それがですね。あの。」
「どうした?」
「団結力が異常でして。」
「異常?」
「何かと言われると、私には分かりませんが、とにかく異常でして。はい。」
「聖女に会えないとか?」
「それは、無いです。」
「人を出し渋るのか?」
「いえ、多分言えば、もっと確保出来るかと。」
「何が異常なのかね!」
「分かりません!だけど異常なんです!」
意味が分からないが、怯える兵士に何かを感じたが、
「それと、国の一大事となら何とかなるのか?」
「いけるのでは無いかと。」
聖女を心配するよりも、アンデットの方が気掛かりである。
「よし、直ぐに掛かれ!ギルドにも報酬を上げておけ!」
「はっ!」
ワンブーヘ王は、慣れない政治から戦いに身を投じれる事に喜んでいた。
「アンデットごときに遅れはせんぞ!」
まだ、ワンブーヘ王も事の真相が大きいモノだとは理解していなかった。
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