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第11章 モンスター
ワンブーヘ国の動き
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リザリテとワンブーヘの次の一手は、兵を集める事になった。
エメリアと言う聖女を使って、兵を集めたのだ。
聖女を宣伝にして、民衆から兵にする。
民衆の従うのが貴族とは知らないリザリテだが、貴族式に兵を集める方法は知っていた。
聖女の手助けで国を守る事を全面に出しての募集を掛ければ、民衆が集まったのだから。
何となくだが、リザリテは王には従わない民衆も、神に教会には従ったのを考えての事だ。
神の使徒、勇者に連なる者。別名が『勇者の伴侶』たる、聖女を出したのだ。
この案件は、大成功となった。
国に使える気は無くても、王国軍所属となったのだ。
後は、訓練を重ねて行けば良いのだ。
『洗脳』と言う言葉を知らなくても、原理をこの世界の人も知っていた。
ワンブーヘ王達の狙いは、中央主権の政事をしたかったのだ。
そ、その為には優秀な地方自治官か地方役人を育てないといけないのだ。
そう理想や理論は良くても、実行できる人が仲間が居ないと無理な話なのだ。
権力を取り戻せば、全て上手く行くと考えていた馬鹿な王達は、そこまでは考えて居なかったのだ。
ただ単に、中央だけが力を持った国になっただけになっていた。
それを、維持する為にはエメリアの出動が必要であった。
王に従う、聖女が兵を率いて各地を平定する姿があった。
「お尻痛い~!」
「我慢して下さい、エメリア様。」
「あのね!私のお尻は、こんな硬い椅子に座る事に慣れてないの!」
「そうですか。」
「ラクムミもそうでしょ!」
「いえ。私は痛く無いですので。」
「な、なに!?」
「エメリア様だけが、我儘を言ってるのですよ?」
「なにを!」
「たかだか座っているのに、お尻が痛いとか。淑女たる聖女なのに、細かい事を言って情けない。」
「なっ。」
エメリアは酷い事を言われて、打ちひしがれていた。
恨みがましい目で、二人のメイドを見ていた。
些細な事も見逃さない様に見ていたら、ニフラクのスカートが動いたのを見た。
「んっ?」
スカートの下に、色が見えたのだ。
「ねえ、ラクムミ。」
「どうかしましたか、エメリア様。」
「聞きたい事があるの。」
「なんです?」
「貴女のお尻に引いている物を見せてくれない?」
エメリアの額から汗が流れた。
聞き出したい訳では無いが、この世界にもクッションがあるのかは知りたいのだ。
「引いている物?」
「ほらっ!その色の付いた引き物!」
「色の?さあ。」
「いやいやいやいや、貴女も貴女も引いている物よ!」
「何のことでしょう?」
ラクムミとニフラクは、平然としている。
いや、ニフラクの顔に少しの迷いが見えた。
「嘘だ!クッションを引いているんでしょ!」
「何ですか、クッションとは?」
「クッションよ!クッション!」
「分かりませんが、引いている物ですか。うーん。」
ラクムミは、立ち上がるとお尻をエメリアに向けた。
「何かありますか?」
「・・・・・無い、だと・・・」
何も無いのだ。お尻の下に色がる物を見たのに、何も無いだと!
ラクムミのお尻をガン見していたのだが、ふとニフラクの顔を見た。
・・・・笑いを我慢しているだと!
「ニフラク!何を知ってるの!」
「まー、はしたない。聖女とあろう方が私に疑いを向けながら、妹にも乱暴の言葉を掛けるなんて。恥を知りなさい!」
「何を言ってるの、ラクムミ!ニフラクの顔を見なさい、笑いを堪えているでしょが!白状しなさい!」
「ふー、我儘が過ぎますよ、エメリア様。」
エメリアを羽交い締めにして、首筋に指を立てる。
「エメリア様が回復に特化された方でも、この状況ではどうしますか?」
「グッ!卑怯よ!」
「プッ、くっはははははは!もう、姉さんも遣り過ぎですよ。」
我慢していた、ニフラクが笑ったのだ。
これには、エメリアは困惑した顔になり、ラクムミは言うの?という顔になる。
「エメリア様、服に魔力を軽く通して座って下さい。」
「魔力?おお、魔力を纏うのですね!」
そして、椅子に座るのだが、それがいけなかった。
エメリアは、ニフラクに言われた通りに魔力を体に纏った(間違っています)。そして、椅子に勢い良く座ったのだ。
「「あっ。」」
「どっ、でわだい!!」
馬車の中で、エメリアは跳ねた。
勢いがあったので、馬車は大きな音を立てたのである。
当然ながら、御者にお付きの騎士達が、
「どうかされましたか!」
と声を掛けた。
しかし、ニフラクが、
「スミマセン、少しおふざけが過ぎました。」
「何も無いのですか?」
「大丈夫です。あ、エメリア様がお休みになるそうです。」
「何かありましたら、お申し付け下さい。」
「ありがとうございます。」
そうして、その場を過ごした。
もし、馬車を止めて扉を開けられたら、大きなたんこぶとスカートが捲れて気絶したエメリアを見られたであろう。
もちろん、そんな姿を見せられるはずも無いので、優秀なメイド達で処理をしたのだ。
もちろん、不安要素ありとワンブーヘ王の密書には書いた。
この聖女が、ワンブーヘ国の要なのだから。
エメリアと言う聖女を使って、兵を集めたのだ。
聖女を宣伝にして、民衆から兵にする。
民衆の従うのが貴族とは知らないリザリテだが、貴族式に兵を集める方法は知っていた。
聖女の手助けで国を守る事を全面に出しての募集を掛ければ、民衆が集まったのだから。
何となくだが、リザリテは王には従わない民衆も、神に教会には従ったのを考えての事だ。
神の使徒、勇者に連なる者。別名が『勇者の伴侶』たる、聖女を出したのだ。
この案件は、大成功となった。
国に使える気は無くても、王国軍所属となったのだ。
後は、訓練を重ねて行けば良いのだ。
『洗脳』と言う言葉を知らなくても、原理をこの世界の人も知っていた。
ワンブーヘ王達の狙いは、中央主権の政事をしたかったのだ。
そ、その為には優秀な地方自治官か地方役人を育てないといけないのだ。
そう理想や理論は良くても、実行できる人が仲間が居ないと無理な話なのだ。
権力を取り戻せば、全て上手く行くと考えていた馬鹿な王達は、そこまでは考えて居なかったのだ。
ただ単に、中央だけが力を持った国になっただけになっていた。
それを、維持する為にはエメリアの出動が必要であった。
王に従う、聖女が兵を率いて各地を平定する姿があった。
「お尻痛い~!」
「我慢して下さい、エメリア様。」
「あのね!私のお尻は、こんな硬い椅子に座る事に慣れてないの!」
「そうですか。」
「ラクムミもそうでしょ!」
「いえ。私は痛く無いですので。」
「な、なに!?」
「エメリア様だけが、我儘を言ってるのですよ?」
「なにを!」
「たかだか座っているのに、お尻が痛いとか。淑女たる聖女なのに、細かい事を言って情けない。」
「なっ。」
エメリアは酷い事を言われて、打ちひしがれていた。
恨みがましい目で、二人のメイドを見ていた。
些細な事も見逃さない様に見ていたら、ニフラクのスカートが動いたのを見た。
「んっ?」
スカートの下に、色が見えたのだ。
「ねえ、ラクムミ。」
「どうかしましたか、エメリア様。」
「聞きたい事があるの。」
「なんです?」
「貴女のお尻に引いている物を見せてくれない?」
エメリアの額から汗が流れた。
聞き出したい訳では無いが、この世界にもクッションがあるのかは知りたいのだ。
「引いている物?」
「ほらっ!その色の付いた引き物!」
「色の?さあ。」
「いやいやいやいや、貴女も貴女も引いている物よ!」
「何のことでしょう?」
ラクムミとニフラクは、平然としている。
いや、ニフラクの顔に少しの迷いが見えた。
「嘘だ!クッションを引いているんでしょ!」
「何ですか、クッションとは?」
「クッションよ!クッション!」
「分かりませんが、引いている物ですか。うーん。」
ラクムミは、立ち上がるとお尻をエメリアに向けた。
「何かありますか?」
「・・・・・無い、だと・・・」
何も無いのだ。お尻の下に色がる物を見たのに、何も無いだと!
ラクムミのお尻をガン見していたのだが、ふとニフラクの顔を見た。
・・・・笑いを我慢しているだと!
「ニフラク!何を知ってるの!」
「まー、はしたない。聖女とあろう方が私に疑いを向けながら、妹にも乱暴の言葉を掛けるなんて。恥を知りなさい!」
「何を言ってるの、ラクムミ!ニフラクの顔を見なさい、笑いを堪えているでしょが!白状しなさい!」
「ふー、我儘が過ぎますよ、エメリア様。」
エメリアを羽交い締めにして、首筋に指を立てる。
「エメリア様が回復に特化された方でも、この状況ではどうしますか?」
「グッ!卑怯よ!」
「プッ、くっはははははは!もう、姉さんも遣り過ぎですよ。」
我慢していた、ニフラクが笑ったのだ。
これには、エメリアは困惑した顔になり、ラクムミは言うの?という顔になる。
「エメリア様、服に魔力を軽く通して座って下さい。」
「魔力?おお、魔力を纏うのですね!」
そして、椅子に座るのだが、それがいけなかった。
エメリアは、ニフラクに言われた通りに魔力を体に纏った(間違っています)。そして、椅子に勢い良く座ったのだ。
「「あっ。」」
「どっ、でわだい!!」
馬車の中で、エメリアは跳ねた。
勢いがあったので、馬車は大きな音を立てたのである。
当然ながら、御者にお付きの騎士達が、
「どうかされましたか!」
と声を掛けた。
しかし、ニフラクが、
「スミマセン、少しおふざけが過ぎました。」
「何も無いのですか?」
「大丈夫です。あ、エメリア様がお休みになるそうです。」
「何かありましたら、お申し付け下さい。」
「ありがとうございます。」
そうして、その場を過ごした。
もし、馬車を止めて扉を開けられたら、大きなたんこぶとスカートが捲れて気絶したエメリアを見られたであろう。
もちろん、そんな姿を見せられるはずも無いので、優秀なメイド達で処理をしたのだ。
もちろん、不安要素ありとワンブーヘ王の密書には書いた。
この聖女が、ワンブーヘ国の要なのだから。
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