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第11章 モンスター

これもいいかも

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「四大貴族と数人だけか・・・・」

「貴族全員の奴隷の首輪は手に入りません。」

「奴隷紋章が出来る奴隷商は?」

「商会を押さえましたが、繋がる者はこの国には居ません。」

「では、予定通りに。」

「予定通りに。」

ワンブーヘ王とリザリテ宰相の杯が、悲しい音を立てた。
ワンブーヘ王は、今回の主犯を四大貴族として他の貴族と商会も同罪として地下牢に入れた。

いや、捕まえた時から異常であった。

優しく我儘を聞いてくれた、リザリテ宰相の鬼様に変わり、厳しくしだした。
呼応する様に、ワンブーヘ王の言葉も重くなった。

始めに、商会の会頭の首を切る命令を拒否した、王直属の親衛隊の兵の死罪と家族を捕らえる事を言い渡したのだ。
拒否を言った全員の死罪と、家族の死罪を王命として発表したのだ。
兵達も、ただならぬ事に慌てるものの王に従ったのだ。
親衛隊も半数に減ったが、王の決意に打たれて変わった。

私兵も捕まえたが、数が多くなりほとんどの私兵は処刑を早めた。

そして、各貴族屋敷にも、兵が押し押さえる事になる。
帳簿や契約書、財宝なども押さえて罪状にした。
王が殺されるか、貴族達が殺されるか。
その賭けに、ワンブーヘ王が勝ったのだ。





ーーーーーーーーー







「お久し振りです、聖女様。」

リザリテ宰相は、2ヶ月経った後にエメリアと会見をした。

「いえ・・・・」

エメリアの顔は悪い。もちろん、創作の為に夜更かしをしてなのだが。
リザリテ宰相は、

「この様な事を、聖女様に見せるとは私の失態です。」

「そんな!お気になさらず。」

「聖女様。」

リザリテ宰相は、エメリアの手を取り見つめあった。
リザリテは真摯に全てを話して、エメリアに謝罪したのだ。
が、エメリアはそうは取らなかった。

何故なら、この世界の人の顔は美男美女がデフォルトであり、地位が大きいとの比例するように美の度合いも上がる。
そんな夢の世界で、色気あるおじ様に言い寄られたらどうなるか?その上にだ、恋を腐に捧げた人生を歩んだエメリアとっては、人生初の男に言い寄られているのだ。

悪い事ではない。

むしろ、人生経験においては良い兆候なのだ。

兆候だけだが。
ともかく、エメリアの初の事が起きた。
イケメンおじ様に手を握られて、目を見つめられたのだ。
腐であろうと、女子は女子。良い男にされて、悪い気などしない。
よって、頬よりも顔を赤らめていた。

「おおお、およ、およ、およ。」

「聖女様?」

「ほひー!」

男でも女でも、免疫が無いと、キャパが直ぐにオーバーしてしまう。
結果の多くは、知恵熱となり気絶してしまう。
エメリアも、結果としてそうなった。

「聖女様!誰か!誰かー!」

と、リザリテを慌てさせる一幕になった。

そして、此処からのワンブーヘ王とリザリテ宰相の仕事は、早かった。
四大貴族と反意ある貴族の死罪と領地没収、商会の半分の財産の没収と商会のレベルを3段階の降格。

これをした事により、王の財政難を無くして新たな財産を得て、経済も手中に納めたのだ。

兵も、貴族から王の配下にした。
もちろん、親の罪は子には及ばない事にしている。そう、廃嫡された貴族の子を兵士に変えた。
王に従う事によって、罪を許したのだ。
後は忠誠を示せば復権もあり得るとの餌も与えた。
ワンブーヘ王の王としての復活は、新たな戦争を呼び起こす事になった。


そして、エメリアは夢の中で良い夢を見ていた。

此処に来たのも、イケメンに言い寄られたのも夢だと思って寝ていた。

そうは、ならないのだが。
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