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第10章 アルテウル

乱世の乱戦

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訓練での結果は、七つの国を四時間で占領が出来た。ただ、怪我人が3万人も出た。その大部分が、住人の混乱による怪我だった。

もちろん、訓練だから魔国軍はその日の内に撤退したのだった。
だが、その後に掲げられた旗はダクネトの旗であった。

この事に他国は驚きを隠せない状況だった。一夜にして大国となったのだから。

そして、数多くの間者や裏の者がダクネトに潜入を試みたのだが、ダクネトの内を見ること無く消え去ったのだ。

大国となったダクネトは、今や魔国と同じ様に魔都として他国に恐れられる事になった。

小国だったダクネトが大国になった事が、残った人の国に伝わった。
北方の魔国との境目ナツ国まで伝わったのは、後の一ケ月後。行き交う旅人と商人達が広めたのだが、それが連合の壊滅になったのだ
魔国に隣接した国を除き、食い物為、国力を増強する為に国が争い出した。

小国が大国になる。

それは、そんな小さい出来事では無い。

夢を与えたのだ。
あってはならない夢。
狂った時に与えた、毒の酒になっていた。

ダクネトに続けと、若い王や貴族達が争い出したのだから。


人が欲に溺れるのは、平和だからだけではない。

戦争と言う人格崩壊や自我の崩壊(同意語?)を含む、命を軽んじる世界で、敵が巨大であれば有るほど、人は欲望を遵守する。

正な欲望に遵守する人は減り、負の欲望には貪欲に守る。

そう、現実逃避を誰もがする。

勇者であろうと聖者であろうと、一度その身に恐怖と狂気を纏えば現実逃避に入る。
現実逃避した人間は、普通の生き方を良しとしない。

だから、戒律を破り大罪を犯すのだ。

そう、生産的な事を怨み、非生産的が現実と正しき正義となる。


全部が全部、そうではない。
一部の人々や国は正気を保っていたからだ。

ただ、彼等の祈った神は、アルテウルだったのかは知らない。
もしかしたら、名も知らない神なのかも。







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何もなかった大地に大きな建物が並び、港には新たな船が並んでいた。

ダクネト国と魔国飛地を跨ぐ街、トクと名付けられた新街でもある。

この世界に似つかわしくない街並みになっていた。

高層ビルが立ち並び、車が走り、コンビニやデパート等の買い物が出来る施設がある。

元某国の様な姿が、そこにはあった。

魔国にしろダクネト国にしろ、名前が変わっても魔王(篤郎)の国なのだ。海洋進出を視野にしてるのか?

海洋にも魔物がいるが、その強さは意外と強いらしい。

でも、魔国ではありがたい資源になっている。食に特化するのも、篤郎の為なのだから。

さて、街並みだが、各国が知ったら気絶級だろう。

高層ビルとお城の高さを比べて、城の方が高い。
高いだけで、誰も入れないし登る事はないのだが、高層ビルなら誰でも入れて登れるのだ。10階建は多いが50階級は東西南北にあり、中央に62階建がある。

此処を離れると、普通の景色があり普通の町や村がある。

しかし、その都市は他国は知らない。

そして、最大の商業と農業と物造りの都市であり、観光もしっかりとしていた。

それ以外は、変わらない場所である。

そして、新生ダクネト大国は、他国より商業を求められた。

一見、平和そうに見えてもダクネト国から外に出ると、地獄が広がっていた。盗賊が増えて、戦争は起こり、奪い奪われる世界になった。

この世界に平和の場所はある。

正し、それが魔国だと言って人が信じるかは、後の話。
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