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第10章 アルテウル
やっと戦い
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ひょんな事で事態は変わる。
それは、くしゃみをすれば、半球で竜巻が起こったり、山が噴火したりなどの災害が起こるのではない。
が、くしゃみで戦争を起こしたり、女で世界を破滅させたりは起こる。
いや、くしゃみをして肋骨を折る程度なら良いが、くしゃみで死ぬ事もある。
人生とは、ひょんな事で変わる。
それが、良いのか悪いのかは別としてだ。
ーーーーーーーーー
フローランスの丘を越えた処で、レレヒトル伯爵は軍を止めた。
「此処で休憩を取る。」
休憩の命令を出して後に、丘から先を見ていた。
「総大将、此処から何処を攻めますのかな?」
「ランドリー卿、南の入口のランポリーから侵入になりますな。」
「直ぐに村でも襲うので?」
「平定ですよ、義父殿。」
「ほう。しかし、間者は戻らんな。」
「ええ、明日には戻るでしょう。」
「勝てるのだな?」
「勝ちます!勝ってレレヒトル家が台頭しましょう!」
「血は少なくだな?」
「お願いします。」
馬を返して、レレヒトルも軍に戻った。
レレヒトル家が纏めたのは4家、レレヒトル家を筆頭にランドリー家、エバトン家、ラクラバイ家である。レレヒトル家の家長である、サマールの妻はランドリー家から来ているので、直ぐにランドリー家を味方にした。
ランドリー家の直参にエバトン家がある。ラクラバイ家はレレヒトル家の直参にあたる。
後は、身内をかき集めての集団になった。
その数、約三万も集めたのだ。
調べでは、ダクネト国の兵は六万弱だが、半分以上が病にかかり、残りも病の予備軍でもある。
戦える人数は一万も居れば良いとの目算があった。
最悪は五千の兵を撃ち取った処で、交渉になる予定だ。
レレヒトルのしようとしてる事は、火事場泥棒である。
魔国に三度も負けたので、一山当てるつもりで動く者が居る。レレヒトルがその例だろう。
誰もが、もし・・・・と云う事を考えているが、誰も実行しない。
いや、博打をしようとしないだろう。
だが、魔国の魔王に負けたのだ。
人の世も終わると信じていたからの簒奪になる。
命が尽きる前に大きい事をしたい!と思いたいのが人情なのだ。
力を試したい!や実力を試したい!も人情に値する。
それらの情が、レレヒトルの欲と結び着いた結果が、この軍の正体なのだから。
情や理は勝っている時は良いのだが、負けると何もかも崩れるのだから。
策を労しているからレレヒトルも強気だが、その策がまだ効いていると思っていた。
まさか、篤郎により回復されているとは考えてない。
だから、街道から真正面の勝負にでた。負けない戦いのはずなのだから。
そして、再進軍をした。
ーーーーーーーーー
(アルファから本部へ、20キロ地点を通過。20キロ地点を通過。)
「くそっ!アルファか!」
ワルドは予想を外した。
レトワトン軍の進行を、開けた空き地からと読んで兵を配置したのだ。
まさか、正面からの進軍とは予想しなかった訳ではない。
「仕方がない!アケルド!銃撃の許可を出す。アルファを最終ラインとして、全滅させよ!」
(了解。)
アケルドの声は、冷たく短かった。
悪魔と呼ばれているが、アメーバ型が元々の姿の彼等も戦闘型と知能型に分けられている。
ワルドは知能型に対して、アケルドは戦闘型だ。
戦闘型の特徴は、相手を殺すとなると人格が変わる。殺戮マシーンの様になり、個人主義となる。
悪魔にチームプレーが不可能なのは、個人プレーしか出来ないのでは無い。
殺戮衝動が強い為に、他人と協力する前に味方を殺し合う為だ。
篤郎の奴隷として、彼等も衝動も減ってチームプレーも出来るのだが、悪魔の資質は無くなった訳でも無い。
全滅と聞いた、悪魔達の心が踊ったとしたら面白かっただろう。殺戮行動の為の行動を取ったのだから。
(アケルドから各局。アルファラインが戦場になる。ベータからシータは正面二段構え。シータ、イオタは左2キロ、カッパ、ラムダは右2キロで待機。ニュー、クシー、オミクロンはアルファに合流せよ。)
(ベータ了解!)
・・・・・
残りの確認が済むと、アケルドは唇を舐めた。
「銃が射てる!正面に移動して、銃を射つぞ!」
それは、くしゃみをすれば、半球で竜巻が起こったり、山が噴火したりなどの災害が起こるのではない。
が、くしゃみで戦争を起こしたり、女で世界を破滅させたりは起こる。
いや、くしゃみをして肋骨を折る程度なら良いが、くしゃみで死ぬ事もある。
人生とは、ひょんな事で変わる。
それが、良いのか悪いのかは別としてだ。
ーーーーーーーーー
フローランスの丘を越えた処で、レレヒトル伯爵は軍を止めた。
「此処で休憩を取る。」
休憩の命令を出して後に、丘から先を見ていた。
「総大将、此処から何処を攻めますのかな?」
「ランドリー卿、南の入口のランポリーから侵入になりますな。」
「直ぐに村でも襲うので?」
「平定ですよ、義父殿。」
「ほう。しかし、間者は戻らんな。」
「ええ、明日には戻るでしょう。」
「勝てるのだな?」
「勝ちます!勝ってレレヒトル家が台頭しましょう!」
「血は少なくだな?」
「お願いします。」
馬を返して、レレヒトルも軍に戻った。
レレヒトル家が纏めたのは4家、レレヒトル家を筆頭にランドリー家、エバトン家、ラクラバイ家である。レレヒトル家の家長である、サマールの妻はランドリー家から来ているので、直ぐにランドリー家を味方にした。
ランドリー家の直参にエバトン家がある。ラクラバイ家はレレヒトル家の直参にあたる。
後は、身内をかき集めての集団になった。
その数、約三万も集めたのだ。
調べでは、ダクネト国の兵は六万弱だが、半分以上が病にかかり、残りも病の予備軍でもある。
戦える人数は一万も居れば良いとの目算があった。
最悪は五千の兵を撃ち取った処で、交渉になる予定だ。
レレヒトルのしようとしてる事は、火事場泥棒である。
魔国に三度も負けたので、一山当てるつもりで動く者が居る。レレヒトルがその例だろう。
誰もが、もし・・・・と云う事を考えているが、誰も実行しない。
いや、博打をしようとしないだろう。
だが、魔国の魔王に負けたのだ。
人の世も終わると信じていたからの簒奪になる。
命が尽きる前に大きい事をしたい!と思いたいのが人情なのだ。
力を試したい!や実力を試したい!も人情に値する。
それらの情が、レレヒトルの欲と結び着いた結果が、この軍の正体なのだから。
情や理は勝っている時は良いのだが、負けると何もかも崩れるのだから。
策を労しているからレレヒトルも強気だが、その策がまだ効いていると思っていた。
まさか、篤郎により回復されているとは考えてない。
だから、街道から真正面の勝負にでた。負けない戦いのはずなのだから。
そして、再進軍をした。
ーーーーーーーーー
(アルファから本部へ、20キロ地点を通過。20キロ地点を通過。)
「くそっ!アルファか!」
ワルドは予想を外した。
レトワトン軍の進行を、開けた空き地からと読んで兵を配置したのだ。
まさか、正面からの進軍とは予想しなかった訳ではない。
「仕方がない!アケルド!銃撃の許可を出す。アルファを最終ラインとして、全滅させよ!」
(了解。)
アケルドの声は、冷たく短かった。
悪魔と呼ばれているが、アメーバ型が元々の姿の彼等も戦闘型と知能型に分けられている。
ワルドは知能型に対して、アケルドは戦闘型だ。
戦闘型の特徴は、相手を殺すとなると人格が変わる。殺戮マシーンの様になり、個人主義となる。
悪魔にチームプレーが不可能なのは、個人プレーしか出来ないのでは無い。
殺戮衝動が強い為に、他人と協力する前に味方を殺し合う為だ。
篤郎の奴隷として、彼等も衝動も減ってチームプレーも出来るのだが、悪魔の資質は無くなった訳でも無い。
全滅と聞いた、悪魔達の心が踊ったとしたら面白かっただろう。殺戮行動の為の行動を取ったのだから。
(アケルドから各局。アルファラインが戦場になる。ベータからシータは正面二段構え。シータ、イオタは左2キロ、カッパ、ラムダは右2キロで待機。ニュー、クシー、オミクロンはアルファに合流せよ。)
(ベータ了解!)
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残りの確認が済むと、アケルドは唇を舐めた。
「銃が射てる!正面に移動して、銃を射つぞ!」
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