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第10章 アルテウル

だから、そんなモノ?

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黒い龍の話とアーラカンからの事情聴衆で、大体の事が分かった。

今の状況は、篤郎の結果だと知ったが、篤郎には非はない。
有るとすれば、アルテウルが悪い事が分かっていた。

黒い龍の名をワンダーエベンツは、アルテウルの魔力と龍力の供給源にされていたのだ。

神力と龍力と魔力を併せ持つ者は居なかった。そこに目を付けたのがアルテウルだったとしたら?

「主様。」

「穴の中かー。」

「あれ、見た事がある。」

それよりも、封印されていた場所が問題であった。

「あれは、神?」

「ルナに電話する。」

穴の中には豪華な寝具があり、その寝具には女がだらしなく寝ていた。

「アルテウルが見つかったのですね。」

篤郎の後ろ姿を見ながら、白龍が涙を流していた。篤郎の悲惨な日々が終わったのだと信じていたのだ。

それから、篤郎の元にミネルシルバ達が現れた。恭しくではなく、目の下に黒い膜がありながらも、何とか出てきたようだ。
だから、アルテウルの姿を見てもそっ毛がない。
しかも、ゴミを見る目である。

「居たのですか・・・・」

「仕事が増えましたね。」

「増えたんだ。」

「増えたの・・・・」

「聞き取りは、ミネルシルバ様の自室で?」

「特別室の方が良くない?」

「良い。」

守護する神達の顔は、暗く恐ろしい顔になっていた。

『同士様、同士様!私達は大丈夫ですよね!?』

「大丈夫だっての。」

『し、し、死にたく無いよー!』

「死なねーての!」

「主様、殺します?」

「白龍、殺意は此方じゃ無いから、ほっときなさい。」

「ご飯まだ?」

「もうちょっと待とうねー。」

正常な話し合いや話をするのは、元々無縁だったのだろう。

篤郎は、自分の行いを振り替えれる余裕は無い。
二匹と一人の子守りだけでも大変なのに、あっちも関わりがあるからだ。

だが、今までは篤郎のみが怒っていたのに、何故か七神が怒っている。
しかも、篤郎もちょっと引くぐらいに怒っていたのは、意味が分からない篤郎には理解不可能だろう。まさか、篤郎自身によっての忙しさなのだから。

「篤郎様、これ連れて行っても?」

「はい、良いですよ。」

「ありがとうございます。」

「落ち着いたら、殴らせるのは・・・・」

「殴る?」

「う、うん・・・・」

「その時は、最低でも泣くまではでお願いします。」

気迫凄まじいミネルシルバに気圧される格好になるが、頷いた。
頷かないと、今にも何かしそうで怖い。

「では、仕事もありますので帰ります。」

『失礼します、篤郎様。』

そして静かになった。
篤郎と白龍を除いて、今の事に怯えていたのをどうにかしよう。

(時間が解決になるかな。)

篤郎は頭をかきむしりながらも、落ち着かせる事に尽力するのだった。
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