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第10章 アルテウル

企んで

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村に着いたのだが、宿屋は無いそうなので、親子の家に世話になった。

本当は、野宿でも問題無いのだが、これ以上にラクニーが引き留めたのだ。
レオンとの仲を取り持つ秘策が有るとか、全く要らないお世話なのだ。

レオンと仲良くしたいとも思っていないし。

チグサとは仲良くなった。
仲良くよりも、噂のハンバーグを晩御飯に出さなくてはならない結果に喜んでいるのだろう。

対価を求める処は、小さくても確りしている。
いや、女は12才で男は14からが成人となる。
貴族なら平均結婚年齢になる。
民も変わらないのは、貴族特権があるためだ。
貴族の変態趣味ロリコンを正当化する為の処置とも言われている。婚約は0歳から可能。

この世界の知能は低いが、急激な成長が必要な分、精神年齢は高いのだろう。
良くも悪くも制度の機能はされている。
一部の不幸の結果を除き、民は金持ちに見初められる為に、金持ちは若くて子を沢山作る為に、貴族は欲望のままに。
それは、どんなに田舎に暮らしていても変わらない。

田舎の方が強い時もあるからだ。都会と言うだけで憧れるのだから。


しかし、ラクニーとチグサは違うようだ。勘と云うか雰囲気が、何かを企んでいる様なのだ。

問題にするよりも、ハンバーグを作る方が重要事項なのだから。

篤郎にしたら、初めて食べる人に対して料理を作るのだから、力が入るものだ。

味の判る為に、ソース無しとソース有りを用意したい。
篤郎は、素バーグにオーロラソースの方が好きなのだ。それに、デミグラスソースは実に気難しいソースだ。火が弱いと味が纏まらず、強いと酸味が強くなる。丁度の味を食べれるのは難しい。店で出される多くが、火が入りすぎてしまい酸味が強くなり、肉と相性が悪い。肉には酸味よりも塩見の方が合うのだが、デミグラスソースは塩見が出る時間が難しい食べ物となる。要は、職人が旨いと感じている時間と、食べる人が感じている時間は違うのだ。

気難しいソース。それが、デミグラスソースなのだから。

市販のデミグラスソースに文句は無いのだが、温めからの火入れには注意が必要だ。
ま、無難な味には仕上がってはいる。

ハンバーグを作るよりも手間も時間も必要なのだが、魔法を使えば楽なもんだ。

手抜きなら、『四次元部屋』から取り出せば良いのだから。

縁が出来た人に、手抜きは出来ない。最高の物を作る事が礼儀となる。

だから、問題よりも料理に集中しているのだ。

「ぬふふふ、作るぞ!」

篤郎の料理が始まった。



その頃、レオンはラクニーに捕まっていた。

捕まったのは、作戦を伝えたいと言うラクニーの要請をレオンが受けた為でもある。

有益で、実に現実な事を話し合っていた。

既婚女性と未婚女性の話し合い。

未来に向けての・・・・・
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