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第10章 アルテウル

女と・・・・

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「おにーちゃん、どうしたの?」

「いや、レオンが女とは。」

助けた娘はチグサ(11歳)、母親はラクニー(29歳)と言った。
届け物の帰りだとかで、ラプサの村に護衛として向かっている。

しかし、レオン問題には頭が痛い。

女の審議は、ラクニーさんにお願いをした。
平胸の性器無しなのが分かった。
いや、もう何とも言えないよ。
平気で一緒に風呂に入って、頭や背中を洗ったのに、気付かなかったわ。
胸囲は有るのに、トップとアンダーが無く、男性と同じ胸だったのは、女としてどうなのか?

少し悩むが、本人に問題がなければ良いと思います。

それで問題が解決した、とは言えない。
親子を助けて、護衛してるのを一番苦々しく思っているのが、レオンなのだ。

チグサちゃん曰く、『篤郎お兄ちゃんに恋してる』と言われたのだ。
気持ち悪かった行動を、好意の為の行動としたら?と思えば、何となく理解はする。
ただし、理解が出来てもそれを好意として受け入れられない。

何故か?受け入れた時点で、自分の何かが壊れる気がしたので。

何かを壊すくらいなら、拒絶したままの方がマシだから。

例えば、佐○健が女だったらセーフだが、A○スタイルズが女なら?アウトでしょう。

レオンがアウトにしてるのは、体格も骨格さえも男なのだ。男を愛する気はない。
これは、好みの問題だから、仕方がない。

だから、今の状況は異常なのである。

嫉妬するレオンは、チグサとラクニーを怨んでいながら、篤郎の後ろを距離を取って付いて来ている。篤郎は、後ろの行動を親子に悟られない様に妨害をしながら、親子と会話をしているのだ。

ラクニーさんは大抵「レオンさんとの関係は?」とか「ご結婚のご予定」等のレオンとの事を聞かれているのだ。それを、篤郎が否定する。

本来なら、篤郎が怨まれるはずなのだが、それを女性達に向けているのだから、神経が分からない。

チグサは冒険の話や魔物退治の話を求めてくる。

特に龍との話が気にいってくれたのだが、ラクニーには苦笑いされた。絶対に嘘の話だと思われたのだろう。本当の話なのに。

と、表面上は和気あいあいとしてるのだ。

長時間も一緒に歩けば、何が悪いのかは分かる。
そして、悪いのは何なのかの議論に至るのだが、チグサの言葉から嫉妬として片付けられた。

要は、この事態を収める為に、篤郎が謝るしか無いとか。
勿論、この提案には断りを入れたが。


これは、篤郎よりもレオンの方が強いと見られたからだ。
女であろうと、からだの厚みは強さに見られる。
盗賊が逃げたのも、レオンが居たからと思えば、納得も出来るからだ。

不細工な篤郎よりも、美形なレオンを押したいのだろう。

容姿とは重要なアイテムだが、罠は潜んでいる。
全てでは無いが、ほとんどがに成りうるのだから。

ただ、レオンの違う所は、生まれてから一ヵ月未満な事で、経験が少なくて判断が出来ていないのだ。

この事実を、篤郎は知らない。

そうして、夕暮れまでにラプサの村に着いたのだった。
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