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第10章 アルテウル

サバイバー

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男は、良く人の家に厄介になった。

寝る所を提供されての事が多かったが、たまに男やもめなご婦人とか、ゆきずりな女の所でも寝たのだ。

それでも男は、一処に落ち着かずに旅を続けた。

色んな人々とであった。

魔物を狩る冒険者を助けた事もあった。

そして、冒険カードを作る事が出来た。
名前はギルドのお姉さんが『レオン』と名前をつけてくれた。

そうして、レオンとなった。

だからといって、その町に留まる事は無かった。
レオンは、町から町へと旅を続けた。

国を越える時も、冒険カードで難なく越えれた。

ひたすら、南へと進んだのだ。
進みながらも、レオンには人々からお願いをされた。
それは、

『魔王を倒して欲しい。』

という、願いである。

レオンは困っていた。英雄が倒したのでは無いのかと。
喋らないレオンは、情報を集めるよりも進む事を選んだ。見なくては分からないからだ。
人の言葉よりも、自分の目を信じるからだ。

ただ、話を切る為に、頭を縦に振っていた。

そうすれば、人は喜び、食べ物をくれたのだ。

レオンには、心配事がある。
魔王とは、何なのか解らないのだ。
謎の魔王。
そもそも、魔王とは何なのか?魔王とは?

謎を確かめるべく、南へと進んだのだ。







ーーーーーーーーーーー







篤郎は困っていた。

追っての数が増えているのだ。

聞き耳を立てて知った事は、魔物が北上してる事と、人に姿を変えている事だけなのだ。

それなのに、人が増えている。もし、誰かと入れ替わっていたらヤバいのに、増援は増える。

しかも、冒険者も合流している。

今は木の上に隠れている。

下は湿気の有る土から、足跡を追っているのだ。見つかっても良いのだが、無用な怪我をしても困るのだ。篤郎が。

喧嘩は好きだが、無用な事には好きでは無い。

勘違いしているから、力で解決したいとは思っていない。誤解を解けば、分かる事なのたから。

木の上で過ごしているが、トイレや水、食べ物は『四次元部屋』で賄えるので、困る事はない。

ただ、言葉を聞いても話せない事が、一番辛い。

喋らない事が辛いので、『四次元部屋』でカラオケで発散はしている。が、寂しさはまぎれない。

叫びたい時に、カラオケで発散してるのが、寂しさは募るのだ。

人が居るのに話が出来ない。これは拷問に近いものがあるのだ。

とにかく、この案件の誤解を解きたいのが篤郎の望みであった。

だが、何をしようが篤郎(魔物)を探しているのだ。

怖がっているのか、倒せるからなのか分からないが、襲う気しか無いようだ。

だから、木から木へと隠れる様に逃げるしかなかった。


なのに、何故か逃げた先には捜索隊が居て、木から降りれないでいた。

逃げているのだが、追われているのだ。


篤郎は、気付いて居ない。

追われる結果とは、篤郎自身に有るのだ。

それを伝えてくれる者も、居ない。



篤郎の叫びたい。
『話がしたいよー!』
と。
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