257 / 505
第10章 アルテウル
アリテウルとアルテウル
しおりを挟む
アリテウルが来て神国は変わった。
英雄の生まれ変わり、神の使徒としての役割が大きいのだろう。
打倒魔王の気合いも入り、第3陣の遠征も決まる事になった。
それと、巫女エリザベートだ。
今までは冷たく、気位も高い巫女だったのに、アリテウルが来てから、物腰の柔らかい笑顔と妖艶な色気がある巫女となったのだ。
一夜の事であっても、アルテウル神国が軟化すれば良いと思う人は多く、喜ばれる結果となった。
全てが良好だと誰もが思っていた。
グサッ。
「ちっ、血が付いた。」
「ご苦労様です、アリテウル様。」
エリザベートは、血で汚れたアリテウルにタオルを渡す。
アリテウルは、受け取るのと同時にエリザベートを引き寄せて唇を合わす。お互いを貪る様にして、熱いディープキスを交わしていた。
「あぁ、アリテウル様・・」
「レベルはどうだ?」
「カレラ。」
「はい。アリテウル様のレベルは、18になりました。」
「ふっははははははは!18か!獣を殺した方が早いな!」
「まさか、獣人でもレベルを上げれるとは、知りませんでした。」
「ああ、俺は特別だからな。」
アリテウルは笑顔でエリザベートの肩を掴み、部屋を出た。
「カレラ、処理と補充をお願いします。」
「はい。」
女官のカレラは、エリザベートとアリテウルにお辞儀をした。
カレラは、エリザベートの今を安堵しながらも、アリテウルの行いには、些か疑問を抱いていた。
神アルテウルからの短い神託とアリテウル。そして、獣人達を殺す行為に。
確かに獣人達は奴隷だが、アルテウル神国にとっては重要な働き手でもある。神に使える者にとって、畑や家畜の世話、下働き等の雑務は奴隷達の仕事である。だから、虐めや鞭打ち等の仕打ちはしても、殺す事はしなかった。
だが、アリテウルの指示で奴隷30人を、無抵抗のままに殺したのだ。狩りでも食べるでも無く、殺す事は神の家ではしないものだ。それを行ったのだ。
「片付けをしましょう。」
『はい。』
神の家で、巫女が許す行為が認めるのか?
敬虔な神の使徒として生きてきた、カレラには悩むしかなかった。
神アルテウルの御心のままに・・・・
ーーーーーーーーーー
アルテウルは新たな門を開いていた。
ミネルシルバから取り出した、最後の一滴から新たな勇者を呼び出す為に。
「アリテウルも今を楽しみなさい♪私も切り札を造らないとね。」
造るとは、アリテウルを造って味を占めたのだ。神の力を注いで、レベルも肉体も最高にした、従順な使徒を造れば良いとしていた。
定着させる魂も、敬虔な信者よりも、狂信的な信者の魂を探していた。そこに、アリテウルの戦いの記憶とスキルを持たせ、アリテウルを討てる存在を造っていたのだ。
その為には、泥からでは無く、神の身体から造るのが良い。血もミネルシルバからの物を使う。そう、人類には勝てない存在を造っているのだ。
アリテウルもミネルシルバから出来た存在には、勝つことが出来ないだろう。人の武器も魔法も効かない存在を産み出そうとしていた。
「魔王討伐の次は、アリテウル討伐よねー。エリザベートも汚れたし、次の巫女も探さなくっちゃ。」
少しアリテウルを育てたので、造るのが楽しいアルテウルであった。
英雄の生まれ変わり、神の使徒としての役割が大きいのだろう。
打倒魔王の気合いも入り、第3陣の遠征も決まる事になった。
それと、巫女エリザベートだ。
今までは冷たく、気位も高い巫女だったのに、アリテウルが来てから、物腰の柔らかい笑顔と妖艶な色気がある巫女となったのだ。
一夜の事であっても、アルテウル神国が軟化すれば良いと思う人は多く、喜ばれる結果となった。
全てが良好だと誰もが思っていた。
グサッ。
「ちっ、血が付いた。」
「ご苦労様です、アリテウル様。」
エリザベートは、血で汚れたアリテウルにタオルを渡す。
アリテウルは、受け取るのと同時にエリザベートを引き寄せて唇を合わす。お互いを貪る様にして、熱いディープキスを交わしていた。
「あぁ、アリテウル様・・」
「レベルはどうだ?」
「カレラ。」
「はい。アリテウル様のレベルは、18になりました。」
「ふっははははははは!18か!獣を殺した方が早いな!」
「まさか、獣人でもレベルを上げれるとは、知りませんでした。」
「ああ、俺は特別だからな。」
アリテウルは笑顔でエリザベートの肩を掴み、部屋を出た。
「カレラ、処理と補充をお願いします。」
「はい。」
女官のカレラは、エリザベートとアリテウルにお辞儀をした。
カレラは、エリザベートの今を安堵しながらも、アリテウルの行いには、些か疑問を抱いていた。
神アルテウルからの短い神託とアリテウル。そして、獣人達を殺す行為に。
確かに獣人達は奴隷だが、アルテウル神国にとっては重要な働き手でもある。神に使える者にとって、畑や家畜の世話、下働き等の雑務は奴隷達の仕事である。だから、虐めや鞭打ち等の仕打ちはしても、殺す事はしなかった。
だが、アリテウルの指示で奴隷30人を、無抵抗のままに殺したのだ。狩りでも食べるでも無く、殺す事は神の家ではしないものだ。それを行ったのだ。
「片付けをしましょう。」
『はい。』
神の家で、巫女が許す行為が認めるのか?
敬虔な神の使徒として生きてきた、カレラには悩むしかなかった。
神アルテウルの御心のままに・・・・
ーーーーーーーーーー
アルテウルは新たな門を開いていた。
ミネルシルバから取り出した、最後の一滴から新たな勇者を呼び出す為に。
「アリテウルも今を楽しみなさい♪私も切り札を造らないとね。」
造るとは、アリテウルを造って味を占めたのだ。神の力を注いで、レベルも肉体も最高にした、従順な使徒を造れば良いとしていた。
定着させる魂も、敬虔な信者よりも、狂信的な信者の魂を探していた。そこに、アリテウルの戦いの記憶とスキルを持たせ、アリテウルを討てる存在を造っていたのだ。
その為には、泥からでは無く、神の身体から造るのが良い。血もミネルシルバからの物を使う。そう、人類には勝てない存在を造っているのだ。
アリテウルもミネルシルバから出来た存在には、勝つことが出来ないだろう。人の武器も魔法も効かない存在を産み出そうとしていた。
「魔王討伐の次は、アリテウル討伐よねー。エリザベートも汚れたし、次の巫女も探さなくっちゃ。」
少しアリテウルを育てたので、造るのが楽しいアルテウルであった。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる