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第10章 アルテウル

狂った英雄

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第3陣の事が伝わったのは、2日後の昼になる。
規模も小さくなると報告にあるのだから、そうなのであろう。

「この報告は信用出来るのか?」

「はっ!私達の元部下から入手しましたので。」

「闇かー。他には?」

「アルテウル神国で神託が降りたようです。」

「今度は、何処の勇者だ?」

「何でも新しい英雄とかで、レベルも低い存在とか。」

「英雄?」

「手紙には、レベルが1と書かれてます。篤郎様が懸念するほどの事ではありません。」

「ふーん。そいつは出てくるの?」

「はい。視察の為の進軍のようです。」

篤郎の直感に、嫌な感覚が沸き起こる。

「そうか、引き続き監視を頼む。」

「分かりました。」

「待て!」

下がろうとした部下に、

「この件は、人が深入りしない様に。外から見張る様に。」

「はっ?」

「言明に通達しろ。」

「はっ!」

部下は下がり、そして、

「心配性だな?まっ、篤郎様にどうこうは無いし、軽く伝えるか。」

と、足取り軽く行った。
云う事を聞かなかった彼は、生きて帰る事は無い。そう、遅れた情報だから。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







神託が降りた。

『英雄の魂を宿した若者を送る。魔王を打て。』

と言う短い物であり、直ぐに光の粒子から裸の男が現れたのだ。

「おお!神より送られし君よ!」

「何だ、女が一人か?」

「我は神アルテウル様の巫女、エリザベート・ラルクル。」

「俺は、アリテウル・サミエルだ。」

「アリテウル?」

「アルテウルに名を貰った。」

「使徒様ですか!」

「飯の前に食うか。」

「きゃ!」

エリザベートを引き寄せるアリテウルは、そのまま口を奪った。
そして、

「久しぶりにするから、壊れるなよ?」

「い、イヤ・・・・」

アリテウルは、エリザベートの身体を長時間も堪能した。
壊れなかったが、アリテウルは満足して起き上がると、

「力は弱いか?精は強いようだ。」

「あ、ああ・・・・」

「壊れた?いや、まだか。てか、壊したら説明が面倒になったよな。回復させて風呂だな。臭いを落とさないとならないよな。」

アリテウルは困っていた。情報源のエリザベートが起きないからだ。かと言って他人が来ても問題になりそうだからだ。エリザベートの姿に問題が出るだろう。

ググーとお腹が鳴る。

「腹が減ったな。くそっ!」

後悔をしながらも待った。

殺す楽しみたい、犯し楽しみたいのなら、我慢が必要だと教えられたのだから。

しばらくは我慢が必要だ。
アリテウルは地面に座る。冷たい感触で火照った身体を冷やしている。

「ま、此れからだ。」

ニヤリと口元を動かし、舌嘗めずりをした。
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