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第10章 アルテウル

絡む蛟

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敵だった者達が、篤郎の奴隷となるのは、恒例行事となっている。

それは、嘘を言えない、逃げる事も出来ない、アルテウル神の信仰を止めてミネルシルバ神を信じると言う事になる。死ぬ事は無いのだが、家族や恋人などに会えなくなるのだから、恐ろしいものだ。

魔国側なら当然の事になるが、戦争をしても死ぬ事が稀となっているからだ。篤郎がいくら爆発的な戦闘をしても、死なせる事が無い。

だが、アルテウル神国側では、敗戦=戦死者になっている。そう、帰って来ないのだから、死んだことになっているのだ。戦争でも、奴隷とは死者と同一と見なされる世界でもある。

単に奴隷とは、家畜と同じなのだ。人の形をしたものとしてる。それは、どんな偉い人でも変わる事が無い。奴隷の焼き印でも、魔法の奴隷紋章でも同じ家畜なのだから。

魔国に入れば、奴隷紋章はトレンドとなる。魔国の住人の証となっているのだ。普通は手の甲や胸、肩などに紋章を表す事が多いが、犯罪者は首にチョーカーとして表す。

そう、方や家畜、方やオシャレとして価値が変わるのだ。

価値観の違いが戦う意味かは別だが、参考までに書いた。



第2陣の軍は、即座に壊滅した。

魔王の一方的な暴力による敗北として、アルテウル神国連合には報告された。敗戦を聞くと、普通は生きた者を喜ぶのだが、魔国とは全滅となる。生きて帰る事が無いと、アルテウル神国が言いふらしているからだ。

だが、それよりも篤郎は危機的な状況だったりする。

アナスタシアとレベルタン対白龍とセキちゃん(チャーミー)による篤郎争奪戦が行われているからだ。

どちらが有利は無い。

プロポーションなら、白龍とセキちゃんだが人では無いので篤郎には不人気。
だが、大きな胸を武器に迫る事が多い。
アナスタシアとレベルタンは人らしい行動をしていたが、白龍達の行動を真似をして、強烈なプッシュをしてくる事になった。

後には、過激になるだろうと予想は出来る。
戦時中でも明るい魔国であった。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「新たな名を与える『アリテウル・サミエル』」

「はっ!ありがとうございます、アルテウル神様。」

「良く鍛え上げましたね。」

「はい。」

「言葉もなおりました。これで、多少な事なら分からないでしょう。」

「・・・・面倒くさいぞ?」

「ふふっ。最初に人心を掌握が出来れば、後はお好きにしなさい。神託も出しておきますし。」

「なら、サッサッとしろよ。」

「神託は出しました。魔王を倒しなさい。」

「分かった・・と、分かりました。」

光が男を包み、消え去った。
アルテウルは大きくため息をつくと。

「面倒くさわー。狂った英雄の言葉使いを治すのに時間が掛かり過ぎー。こっちにも迷惑だー。」

ミネルシルバか封印していた男を復活させて、肉体を作り言葉を治して下界に送った。
レベルもスキルも与えて無いのだが、アルテウルが考えれる最高の身体を与え、アルテウルの加護を与えた。
そう、魔王より強くなるだろうが、レベルを上げなければならないのだが。
それも、高くし設定はしてない。すれば、あの餓鬼は動かないからだ。
暗闇に落ちた、狂った英雄殿は面倒な事が嫌なのだと。

それは、アルテウルも同じ考えでもある。

自分が描いていた、世界の均衡を潰した魔王に怒りを覚えていた。造ったものが、裏切るなどあり得ないのだ。
長い年月を掛けて造り出した、アルテウルの世界に異質なものが出たのだから。
この一年は我慢した。
此処からは、アルテウルの好きにしたいのだ。その為の布石。

アルテウルは考えていた。


もちろん、それは叶わない事だ。大神である、ミネルシルバが復活してるからだ。
ただし、バレる事はない。今は、日々庭の雑草抜きに性を出しているから。

「私の管理者の威厳がー!てか、庭が大きく無いの!助けてー!」
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