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第9章 ミネルシルバ

第2陣

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下手れな篤郎です。

一晩寝れない状況で、奴隷に手を出さ無いように心掛けていました。寝息が聞こえた頃に脱出を試みましたが、出来ませんでした。もちろん、下半身が当たらない様に、腰を引いてました。

もちろん、何を話したのか覚えていません。

朝を迎えても、どうするか悩んでいます。


ガッ、ギィィィ。

そう音がすると、

「まぁ!失礼しました!」

と、声が聞こえて扉がダンッ!と閉まる。

「えっ!ちょちょちょ!」

不味い状況をみられた。
主が奴隷に手を出した事を言われるとどうなるのか?と篤郎は考えていた。状況の悪化を防ぐ事が重要なのだが、この状況から逃げ出せない。手が空に出ているのに。

困ったのは、それだけでは無い。バスタオルが取れているのだ。
どう言い訳をしても、詰んだ気がした。

「っん。おはようございます、篤郎様。」

「おはようございます。んんんー!」

「お、おはよう。」

篤郎は一晩振りに解放された。
そして立ち上がり、当たり前の様に洗面所に行くのだ。主に断りもしないで。

と普通なら気付いた事も、今の篤郎には無理な事である。

ベッドに横になり、大きくため息を吐いているからだ。

単純に終わったのと、何もしなかった自分を誉めたいと思ったのだから。

篤郎はそう思っていたが、二人の策略はほぼ終わっていた。
手を出しても出さなくても、事実(既成)の完成である。
特に風呂場を使わしたのが、決定的となるのだ。

要点は、

1、男(篤郎)の部屋に夜を明かした。

2、篤郎とベッドを共にした(寝ただけ)。

3、お風呂を使った。

それだけで、真実をしろうが知らないが、未婚の女性を引き込んだ事には変わりはない。
奴隷ても、愛された事実になるのだ。
特に、意識を変えても時代は封建的な文化があり、主人が奴隷を呼んだ事になってしまう。男と女だろうと、主人と奴隷だとしても、言い訳など通じるはずも無い。

篤郎の詰んだ事になってる事に、まだ気付いてなかった。

篤郎の失敗は多い。その中でも、元女と私はそんな事をしないの傲りが、敗因に繋がる。狙われる可能性があると感じた時点で、予防策をしてなかったのだから。

だから、二人がお風呂から上がって、髪を乾かしてから出ていくまでに、ベッドで寝てしまう失態もした。
起きた時点で、噂が半事実となっている。

そして、篤郎を起こしに来たクラークによって知ることとなる。
先ずは此処からだ。

「篤郎様!」

「はっ!」

「お目覚め頂きましたか!」

「えっ?あっ!」

ベッドから起き上がって、風呂場に向かう。

「篤郎様、敵が進軍してきました。」

「来たか。」

「して、篤郎様は朝風呂に入られるのは?」

「ああ、汗をかいたからな。」

「さようで。昨晩は頑張られましたか。」

「・・・・えっ!クラーク?」

「お世継ぎは先ですが、候補とするなら早めにルナ様にも報告をしときませんと。」

「世継ぎ!えっ、何で?」

「もう、話題になってますが?」

「な、何が?」

「昨晩の話ですが。」

篤郎の頭に昨晩の出来事と朝の事を、冷静に思い出した。

「あ、ああ!ヤられた・・・・」

こうして戦争の中でも、落とし穴があると云わざるのだ。

失敗では無い。相手の方が数手も上だったと云う事だ。
反省と今後の事を考えていた。
戦争の事ではない、結婚の事をだ。
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