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第9章 ミネルシルバ

自重を知らない

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篤郎の魔改造は続いた。

出来た村は創造を超えた。

家は近代化しており、風呂も水洗トイレ(ウォシュレット付き)も洗濯機さえもあるのだ。

村に井戸は無い。

蛇口を捻れば水が出るからだ。しかも、そのまま飲める。

それ以外は畑にした。

篤郎の木魔法で小麦を大量に作り、脱穀機や粉にする魔道具も作ったので安心だ。

米も作ったので飯は何とかなった。調味料はそこそこしか集まらないが、順調だ。大豆作った。

倉庫いや、地下倉庫に三十キロの袋に詰めて置いている。だいたいになるが、各80トンはある。子供だけなら10年は持つが、地下倉庫格納なら安全に保管出来る。温度は15度になる。

大きな倉庫だが、湿度は高い。魔道具の出番だ。

湿度が限りなく低くなれば、そこは冷蔵庫になる。他の物を保存に適している事になる。

そして、篤郎は海を目指す事になる。

酵母が必要になるからだ。

本当なら納豆も作りたいが、酵母が無いと篤郎の望む物が作れ無いのだ。酒にしても味噌にしても、納豆菌は大敵なのだから。

後は動物になるのだが、子供に弓矢は無理だった。筋肉を着けないとダメだ。

何にしても子供達だけで生きる事は出来る。出来たら商いが出来れば良いのだが・・・・・・

それには教育が必要になる。

そこは、クラーク達にお願いしよう。
他に必要な物は・・・・

「篤郎様。何が起きたのですか?」

クラークは、青い顔で篤郎に聞いていた。
一時でデカイ壁が出来て、見た事も無い建物が建ち並んでいたからだ。

子供達も呆然のままに、帰ってこない。

普通なら、嘘になる。でも出来た以上は嘘では無い。嘘で無いから、問題なのだ。
まさに砦を超えた砦なのが問題なのだから。

「うん。村を改造してみた。」

「む、村ですか?」

「そう。何か可哀想でな。」

クラークは立ちくらみをした。

「可哀想で、改造ですか?」

「そう。食糧も水もあるようにしたし。これで飢える事は無い。少し教育が必要になるな。」

「教育?」

「それは、これからな。」

「はあ。」

「あー、武具なー。俺の武器は渡したら危ないしな。」

篤郎のポッシェトにはAー1が入っている。軍隊が来ても討ち滅ぼす兵器が・・・・

「なー、クラークは弓矢は作れるか?」

「何とか。」

「あっ!」

「ど、どうかしましたか?」

「包丁とトイレットペーパーも作らないといけない!」

そう言うと篤郎は走り去った。
篤郎の魔改造はまだまだ続いた。

「あ、篤郎様・・・」

茫然自失に近いクラークは、動けないでいた。
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