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第9章 ミネルシルバ

服を作ろう!

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服を作るには、採寸が必要になる。

男なら簡単だが、女にはかなり抵抗がある。欲が出てきて困って、触る事にも躊躇してしまうのが普通だ。特に胸に触るとなると緊張して汗を流してしまうので、困るのだ。

「分かりました。先ずは服を脱いで採寸ですね!」

クラークは全裸になっていた。

元騎士だよね?

篤郎は、裸の男には興味ないので、採寸をした。178㎝の身長に体格も良い。ダンデズムと云うのが出てるかは知らないが、それでも俺よりもシャツもズボンも長くしなくてはならない。くそっ!

クラークの型紙も楽に出来そうだ。俺の型紙から生地を長くすれば良いからね。上は4ポイント下は5ポイント増やすだけ・・・・・。羨ましくないぞ!下は負けだな・・・・・

服の事をノートに書いていて気が付いたが、クラークは裸のまま直立不動に立っていた。

「クラーク?服を着ろよ。」

「分かりました!」

クラークは服を着ると家を出た。

篤郎は、その行動に驚いたのだが、エスチェトがクラークが居た位置に来て、服を脱いだ。

「ちょちょちょちょ!」

「どうかしましたか?御主人様。」

「服をね。」

「はい。採寸の為に脱ぎました。」

「えっ?いや、採寸するけど・・・」

乳大きいのね。
いや!変態では無いぞ!男なら、年上と言っても3歳年上の方が見せられたら見るだろう?見ない人など居ない!しかも堂々と見せているんだよ!

「どうかしましたか?御主人様。」

「へっ?い、いや。別に・・・」

別にでは無いぞ!元女の意地もある!

「で、では採寸を始める。」

「はい。」

篤郎は女性の体を触りながら採寸するのだが、何故か良い匂いがするのだ。大抵は何にもありませんとするだろう。相手も頑張って耐えながら採寸してるのが分かる。

バレないとしたら、鈍感か興味無いからしか他ならない。そう、興味が無ければ、だ。

身長を測れば、型紙を作るのに、横を測る。

前では無いぞ。後ろからだ。次にバスト、ウエスト、ヒップの採寸だ。女性のお尻も、過激な水着を着てると思えば何とかなる。ウエストも良い。・・・・42か、細いな。バスト・・・・

「御主人様。」

「わぉい!」

「胸は敏感ですので、声が漏れるかもしれません。」

「へっ?」

「気にしないで下さい。」

「は、はい・・・・」

胸を触る許可が出たのか?えっ?いや、嘘、マジで。

篤郎の額から汗が流れる。

「御主人様の好きな様にして下さい。」ポッ

「!」

言葉が出ないとは、こんな状況なんだろうか?

という考えと、

ポッてなに?ポッって!

という考えは同時に頭を巡るようだ。

人間には、安全装置なるものが備わっている。大抵は脳の負荷を与え過ぎない様に、脳で思考を遮断する事があるのだ。例えば、戦うボクサーなんかは倒されるまでボコボコにやられたのに、強烈なダウン後に人が変わった様に戦う事がある。
それは、戦う者だけでは無い。


篤郎の動きが変わったのは、エスチェトのポッからだった。胸のトップとアンダーと形を確認してノートに書くと、

「次。」

「はい!」

アミスもエスメルダも即座に採寸して、裁縫を始めたのだ。

もちろん、会話もした。好みやどんな服装にしたいのかを聞いた。下着の色や生地も選ばしたのだが、篤郎の目は虚ろだった。

相手の目を見ないのでは無い。虚ろな目で見られたのだ。

同年代であれ、年上であれ、気になる人の目が虚ろだとしたら?

夜はまだまだ長い。
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