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第9章 ミネルシルバ

篤郎の受難リターン

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「Oh。」

篤郎の戦い方に引かない者はいないだろう。

今まで、簡単に素手でモンスターを屠る人が居ただろうか?おとぎ話の英雄でも、勇者でも武器を持って戦うのがあるし、冒険者達でも武器を持って戦うのが普通だ。

だとしたら、御主人様はやはり神なのでは?と考える奴隷が居ても変ではない。

ただし、御主人様に素手で殴られるのは、即座に死ぬ事にはなるだろうが。
三人娘などは、篤郎の戦う姿に神々しさを見てる感じだ。

こうして、篤郎と彼等達の溝が広がるのは秘密だ。

「ふー。まだ、速さに肉体が追いつかないな。やはり、全力を出すのにセキと戦うのが良いかな?」

セキちゃんは寒気を感じてるだろう。

「魔法の方が楽だな。」

瞬時にアースニードルが発動する。いや、鋼の槍がゴブリン達を地面から貫いていた。

「んー、場所が汚れたな。」

篤郎がクラークの元に帰ってきた。

「お、お、お、おつ、おつ、おつ・・・・」

「綺麗にするか。」

大地が動いてゴブリン達を食べてしまう。

四人に理解が出来なくなった。

人間には、理解が及ばない事が起こると、しばしば脳内で記憶を改変する事がある。それは、自己を守る防衛本能によって、見た物を見なかった事にしたり、書き換える事もあるそうだ。

そう、四人は篤郎を神として崇める事にしたのだ。神がなさる事に、口出しをしてはならないとか。


そうして綺麗になった地面に、

「服と下着の作成だな。寸法も計らないと行けないし。やることが多くなるな。食事はカレーの残りかな。風呂はどうするか任せるか。」

などとブツブツ言いながら、家を出すと、篤郎は家に入って行った。

「神だ。御主人様は神なのだ!エスト、御主人様に誠心誠意尽くすのですよ!」

「はい!」

「貴女方も。」

「「もちろんです!」」

四人の目に輝きが灯った。

篤郎の思ってもいない事が起こり出していた。
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