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第9章 ミネルシルバ
進行する連合軍
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勇者達が魔国に行って半年が過ぎた。
勇者からの先勝の報が無い為に、各国は協力して魔国攻略の兵を出した。
農民兵を入れて百万の軍勢で、第1部隊として派遣したのだが、失敗。第2、第3も送ったのだが、失敗に終わっている。
しかも、長期に渡っての出兵を見越して、食糧を持たせての攻略が、壊滅として失敗している。
魔国の国境にある、防衛砦の大きな旗を落とせないのだ。
魔国進行しても、物資も人も帰らない。死体さえ見つからない。不思議な事に各国は大慌てとなった。
しかし、攻めた軍は魔国の奴隷となり、虜となって砦の奉仕作業についていた。たまに、親兄妹等も会いに来ているのだが、王公貴族は知らないのだ。
帰った親族から魔国の事を聞かされて、魔国に逃亡する人も増えてしまっていたのだが、これさえも知らない人(?)がいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アルテウルは困っていた。
魔国に入った勇者達の行方が分からない状態だと、現在になって分かったのだ。どれ程のぐうたら神なのか。
行方が分からないのもビックリだが、深刻なのは日々の信仰力が極端に減った事の方が問題であった。既に入る信仰力が全盛から4分の1になっているのだ。使える力が減ったが、まだまだ生活には困らない。
もう一つの問題は、ミネルシルバ神の力が手に入らなくなったのだ。まだ存在はバレて無いだろうが、此方も行けないのは痛手になっている。
大いなる誤算なのだが、まだアルテウルは知らない。
「もう、あの子達からの連絡も無いのよ。不安が募る~!それに魔国は強すぎない?あんなの卑怯よ!」
散々、いろんな人達にやってきた馬鹿がほざく。
「勇者は別次元時空からになるから、今は却下。んー、んー。昔の英雄だ!確か、ミネルシルバ神から掠め取ったのが有ったし!」
それは、英雄とは言えない人物の魂であった。
名前をエチードギリム。
リザイデントから、はるか前の剣王と呼ばれた暴君である。奪う事には天下一であり、卑怯で残忍な男であったが、帝国の基礎を築いた男で名前を残していた。ミネルシルバが手元に残した、甦りを出来ない様にした闇であった。逃がしたらどうなるのかは、分からない人物なのだ。
「有ったし!」
埃の中から瓶を取り出した。蓋には、厳重に封をされていた。その蓋に手をかけるが、
「ぬぬぬぬぬぬぬっ!てっ、取れないジャン!」
いつの間にかアルテウルの手は、真っ赤になっていた。
だが、アルテウルは知らない。封印を解くには『神の力を一つ無くす』制約がある事が、封印の紙に書かれているのだが、そんな事には拘らない。
「ぬっ!て!手が痛い!」
ただ、長年のどうでも良い性分が、これを開封するまでに時間を掛ける事になった。
神の事は分からずに連合軍は第4次進行部隊の編成を進めていた。まだまだ人は出せるとの錯覚が、国を疲弊させている。連合なのに一国の破綻は大きいとは分からないようだ。
既に遠い国では、若者が減り収入が半分になっている。村は壊滅し、人の流出も続いた。
痩せた国では、止める事が出来なかった。例え、逃げる先が魔国だったとしても。
勇者からの先勝の報が無い為に、各国は協力して魔国攻略の兵を出した。
農民兵を入れて百万の軍勢で、第1部隊として派遣したのだが、失敗。第2、第3も送ったのだが、失敗に終わっている。
しかも、長期に渡っての出兵を見越して、食糧を持たせての攻略が、壊滅として失敗している。
魔国の国境にある、防衛砦の大きな旗を落とせないのだ。
魔国進行しても、物資も人も帰らない。死体さえ見つからない。不思議な事に各国は大慌てとなった。
しかし、攻めた軍は魔国の奴隷となり、虜となって砦の奉仕作業についていた。たまに、親兄妹等も会いに来ているのだが、王公貴族は知らないのだ。
帰った親族から魔国の事を聞かされて、魔国に逃亡する人も増えてしまっていたのだが、これさえも知らない人(?)がいた。
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アルテウルは困っていた。
魔国に入った勇者達の行方が分からない状態だと、現在になって分かったのだ。どれ程のぐうたら神なのか。
行方が分からないのもビックリだが、深刻なのは日々の信仰力が極端に減った事の方が問題であった。既に入る信仰力が全盛から4分の1になっているのだ。使える力が減ったが、まだまだ生活には困らない。
もう一つの問題は、ミネルシルバ神の力が手に入らなくなったのだ。まだ存在はバレて無いだろうが、此方も行けないのは痛手になっている。
大いなる誤算なのだが、まだアルテウルは知らない。
「もう、あの子達からの連絡も無いのよ。不安が募る~!それに魔国は強すぎない?あんなの卑怯よ!」
散々、いろんな人達にやってきた馬鹿がほざく。
「勇者は別次元時空からになるから、今は却下。んー、んー。昔の英雄だ!確か、ミネルシルバ神から掠め取ったのが有ったし!」
それは、英雄とは言えない人物の魂であった。
名前をエチードギリム。
リザイデントから、はるか前の剣王と呼ばれた暴君である。奪う事には天下一であり、卑怯で残忍な男であったが、帝国の基礎を築いた男で名前を残していた。ミネルシルバが手元に残した、甦りを出来ない様にした闇であった。逃がしたらどうなるのかは、分からない人物なのだ。
「有ったし!」
埃の中から瓶を取り出した。蓋には、厳重に封をされていた。その蓋に手をかけるが、
「ぬぬぬぬぬぬぬっ!てっ、取れないジャン!」
いつの間にかアルテウルの手は、真っ赤になっていた。
だが、アルテウルは知らない。封印を解くには『神の力を一つ無くす』制約がある事が、封印の紙に書かれているのだが、そんな事には拘らない。
「ぬっ!て!手が痛い!」
ただ、長年のどうでも良い性分が、これを開封するまでに時間を掛ける事になった。
神の事は分からずに連合軍は第4次進行部隊の編成を進めていた。まだまだ人は出せるとの錯覚が、国を疲弊させている。連合なのに一国の破綻は大きいとは分からないようだ。
既に遠い国では、若者が減り収入が半分になっている。村は壊滅し、人の流出も続いた。
痩せた国では、止める事が出来なかった。例え、逃げる先が魔国だったとしても。
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